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そして、和平協議へ
136話 やっぱりしぬかもしれない
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「人目が多いから、違う場所へ」
そうひとことささやくと、オリヴィエ様はきびすを返されました。わたしはあわててコーヒーカップを「ごちそうさまでした!」と返却口へ戻して、そのあとに続きます。食べ残しのクッキーとハンカチもちゃんと持ってきてます。逃げたい気持ちはありましたけれど、ぜったい逃してもらえない空気感ですし、後が怖いような気もするのでおとなしく着いていきます。
やっぱり廊下ですれ違う方とかがオリヴィエ様に注目されますね。メガネがなくて髪型が違っても、お美しい容姿は変わりませんし。むしろお仕事っぽさがなくなって、本来のノーブル感が前面に出てくるというか。すてきなんです。はい。わたしが追いつくのを待って進んでくださいます。やさしい。すき。えっ、すきなの? まじで? ちょっと待って、ちょっと待って。
情緒が忙しいです。今まで普通に脳内で言っていた言葉が今となってはすんごい深い意味があるかのよう。ないの? ないよ! まじで? たぶん。たぶんってなんだ。わかんない。
ぐるぐる考えながら背中を追うと、オリヴィエ様は「ここに」とひとつの病室の前で止まりました。そのまま扉を開けて中に入られたので、ちょっとためらってからわたしもそれに続きます。なんの変哲もない個室でしたけれど、現在使用されてはいないようで、整ったベッドとお庭の並木をながめられる窓があるだけでした。ガチャリ、とオリヴィエ様の手で扉が閉められます。
「――私たちには、話さなければいけないことがたくさんあるね?」
そう言ってベッドに座られて、その隣を左手でぽんぽんと叩かれました。促されるままにわたしもそこに座ります。なにを話さなきゃいけないんでしょう。心臓が。心臓が痛い。クッキーが入った袋とハンカチを持った両手をじっと見下ろします。
「あなたが先ほどレヴィ医師と話していたこと……少しだけだが耳にした」
「……はい」
「……私のことが、実在の人物と思えない?」
「いえそんなことは!」
顔を上げると目が合いました。めちゃくちゃきれいな紫瞳。ちょっとだけ戸惑っていらっしゃるのが伝わってくる。ここにいらっしゃる、感情を持つ血の通った人。あらためてわたしがとてもひどい人間に思えました。もう一度うつむいたら「手を貸して、ソノコ」と言われたので、クッキーを持った右手を差し出しました。十秒くらい沈黙されてから、クッキーをわたしから受け取ってサイドチェストに置かれました。
そして「ソノコ。ここを」と空になったわたしの右手を取って、オリヴィエ様の胸元に当てられます。びくっとなってひっこめようとしたけれどムダです。オリヴィエ様意外と力強いんです。
「――ソノコ。わかりますか。私は生きている。物語の登場人物なんかじゃない」
心臓のリズムが手のひらに伝わってきます。泣けてきました。泣きませんけど。生きている。画面の中の、神絵師オレンジ純先生の立ち絵なんかじゃない。体温があって、呼吸をして、わたしと同じように生きている。わかってる。わかってた。
「……ごめんなさい」
握られた手を見ながら「ずっと、わたし、オリヴィエ様のことを遠い世界の人だと、住む世界が違う人だと思っていました」と言いました。
「だから、わたしの存在や考えていることなんてどうでもいいだろうって。わたしなんか眼中にないどころか、むしろ路端のペンペン虫だろうって」
「ペンペンムシとは」
「――だから視界に入ることもおこがましいと感じていました」
手をぎゅっとされます。そしてそのまま持ち上げられ指先に口づけてから、「今も……そう思う?」と言われました。
「いえ! あの、いえ! いえあの、違うんです、いえ!」
「私は、あなたが好きだよ。ソノコ」
ごまかすことなんかできないくらい真っ直ぐな言葉でした。とっさになにも言えないくらい、静かな感動が心の奥底に広がります。そうです、感動しました。
オリヴィエ様は、わたしが十三歳のときからずっと好きだった人。十五年も経って、まさかこんな風に会って、話して、触ることができる存在になるだなんて考えたこともなかった。それでもわたしはオリヴィエ様を、その生き方をずっと尊敬してきたし、愛してもきた。そんな存在からの肯定の言葉は、これまでわたしが知覚できた喜びという感情の中で、一番大きなものをわき起こしました。泣かないって思ったのにちょっと泣きました。心配そうにオリヴィエ様が「いやだった?」と尋ねてきました。即座にわたしは首を振ります。
「違うんです……うれしくて」
オリヴィエ様のほほえみは、幸せそうに見えました。
涙を拭こうと思って左手を持ち上げました。だれかに返さなきゃいけないハンカチ。ちょっとためらうと、「使ってくれているんだね」とオリヴィエ様がおっしゃいました。
「え?」
「あなたの涙をぬぐう仕事が天職のようだ」
「あっ、オリヴィエ様が貸してくださったんですか⁉」
お礼を言って返そうとすると、「持っていてほしい」と言われました。
「これから、私があなたの傍にいられない時間も……あなたの涙をぬぐうのが私のハンカチであってほしい」
……かっこよ! なにそれこれぜったい一枚絵とかある場面じゃん。そう考えながらも、もはやこの状況をグレⅡ世界ゆえに生じているものとは考えていない自分を確認し、ほっとしました。オリヴィエ様が、選択肢によらない、ご自身の意思で述べられた言葉。赤面するのを感じます。こんなときどんな顔をすればいいかわからないの。笑う? 笑えばいい? 真っ赤な顔で笑うとかちょっとどころではなく恥ずかしいな!
「私にも、なにかほしいな。あなたが身に着けているもの」
言われて、わたしは肩から下げていたバッグを覗き込みました。なに。ハンカチを交換する? でも女性物をオリヴィエ様が持って歩くのおかしいよね。ちょっと考えて、「あ」とわたしは声を上げました。
ずっと握られていた手を放してもらって、後頭部に手をやります。一本結びにしていた髪を解きました。
「あの。これ、わたしが故郷の国からしてきた髪ゴムです。たぶん今後も切れたりしないと思います。たぶん」
不思議黒ヒールといっしょでね! 群馬から持ってきたものはなかなかしぶといんですよ!
オリヴィエ様は受け取って、その場で髪をまとめられました。動画。動画に撮りたい。手ぐしでおぐしを。あああ。すてき。あああ。すてき。あああ。
「……ありがとう。うれしい」
そうおっしゃって、オリヴィエ様はまた笑顔でわたしをご覧になります。しぬ暇がないほどにわたしはずっといろいろ瀬戸際です。川向うのばあちゃんが手招きしすぎてパンプアップしています。オリヴィエ様が、肩にかかったわたしの髪先に触れました。
「今日の私は欲しがりなんだ。もうひとつお願いしてもいいかな」
「はいなんでしょうよろこんで!」
「あなたからも、言葉がほしい。こうして、私にあなたのものをくれるのはなぜ?」
はっと、息を詰めました。ばあちゃんにはしっかりクールダウンしてもらおうと思います。これまでのこと、ちょっとだけ思い出しながら、深呼吸をしてオリヴィエ様に向き直りました。ごまかすことなく、わたしも伝えます。
「わたしも、オリヴィエ様のことが好きです」
言った瞬間、左腕でぎゅっとハグされました。それからちゅーされました。ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
そうひとことささやくと、オリヴィエ様はきびすを返されました。わたしはあわててコーヒーカップを「ごちそうさまでした!」と返却口へ戻して、そのあとに続きます。食べ残しのクッキーとハンカチもちゃんと持ってきてます。逃げたい気持ちはありましたけれど、ぜったい逃してもらえない空気感ですし、後が怖いような気もするのでおとなしく着いていきます。
やっぱり廊下ですれ違う方とかがオリヴィエ様に注目されますね。メガネがなくて髪型が違っても、お美しい容姿は変わりませんし。むしろお仕事っぽさがなくなって、本来のノーブル感が前面に出てくるというか。すてきなんです。はい。わたしが追いつくのを待って進んでくださいます。やさしい。すき。えっ、すきなの? まじで? ちょっと待って、ちょっと待って。
情緒が忙しいです。今まで普通に脳内で言っていた言葉が今となってはすんごい深い意味があるかのよう。ないの? ないよ! まじで? たぶん。たぶんってなんだ。わかんない。
ぐるぐる考えながら背中を追うと、オリヴィエ様は「ここに」とひとつの病室の前で止まりました。そのまま扉を開けて中に入られたので、ちょっとためらってからわたしもそれに続きます。なんの変哲もない個室でしたけれど、現在使用されてはいないようで、整ったベッドとお庭の並木をながめられる窓があるだけでした。ガチャリ、とオリヴィエ様の手で扉が閉められます。
「――私たちには、話さなければいけないことがたくさんあるね?」
そう言ってベッドに座られて、その隣を左手でぽんぽんと叩かれました。促されるままにわたしもそこに座ります。なにを話さなきゃいけないんでしょう。心臓が。心臓が痛い。クッキーが入った袋とハンカチを持った両手をじっと見下ろします。
「あなたが先ほどレヴィ医師と話していたこと……少しだけだが耳にした」
「……はい」
「……私のことが、実在の人物と思えない?」
「いえそんなことは!」
顔を上げると目が合いました。めちゃくちゃきれいな紫瞳。ちょっとだけ戸惑っていらっしゃるのが伝わってくる。ここにいらっしゃる、感情を持つ血の通った人。あらためてわたしがとてもひどい人間に思えました。もう一度うつむいたら「手を貸して、ソノコ」と言われたので、クッキーを持った右手を差し出しました。十秒くらい沈黙されてから、クッキーをわたしから受け取ってサイドチェストに置かれました。
そして「ソノコ。ここを」と空になったわたしの右手を取って、オリヴィエ様の胸元に当てられます。びくっとなってひっこめようとしたけれどムダです。オリヴィエ様意外と力強いんです。
「――ソノコ。わかりますか。私は生きている。物語の登場人物なんかじゃない」
心臓のリズムが手のひらに伝わってきます。泣けてきました。泣きませんけど。生きている。画面の中の、神絵師オレンジ純先生の立ち絵なんかじゃない。体温があって、呼吸をして、わたしと同じように生きている。わかってる。わかってた。
「……ごめんなさい」
握られた手を見ながら「ずっと、わたし、オリヴィエ様のことを遠い世界の人だと、住む世界が違う人だと思っていました」と言いました。
「だから、わたしの存在や考えていることなんてどうでもいいだろうって。わたしなんか眼中にないどころか、むしろ路端のペンペン虫だろうって」
「ペンペンムシとは」
「――だから視界に入ることもおこがましいと感じていました」
手をぎゅっとされます。そしてそのまま持ち上げられ指先に口づけてから、「今も……そう思う?」と言われました。
「いえ! あの、いえ! いえあの、違うんです、いえ!」
「私は、あなたが好きだよ。ソノコ」
ごまかすことなんかできないくらい真っ直ぐな言葉でした。とっさになにも言えないくらい、静かな感動が心の奥底に広がります。そうです、感動しました。
オリヴィエ様は、わたしが十三歳のときからずっと好きだった人。十五年も経って、まさかこんな風に会って、話して、触ることができる存在になるだなんて考えたこともなかった。それでもわたしはオリヴィエ様を、その生き方をずっと尊敬してきたし、愛してもきた。そんな存在からの肯定の言葉は、これまでわたしが知覚できた喜びという感情の中で、一番大きなものをわき起こしました。泣かないって思ったのにちょっと泣きました。心配そうにオリヴィエ様が「いやだった?」と尋ねてきました。即座にわたしは首を振ります。
「違うんです……うれしくて」
オリヴィエ様のほほえみは、幸せそうに見えました。
涙を拭こうと思って左手を持ち上げました。だれかに返さなきゃいけないハンカチ。ちょっとためらうと、「使ってくれているんだね」とオリヴィエ様がおっしゃいました。
「え?」
「あなたの涙をぬぐう仕事が天職のようだ」
「あっ、オリヴィエ様が貸してくださったんですか⁉」
お礼を言って返そうとすると、「持っていてほしい」と言われました。
「これから、私があなたの傍にいられない時間も……あなたの涙をぬぐうのが私のハンカチであってほしい」
……かっこよ! なにそれこれぜったい一枚絵とかある場面じゃん。そう考えながらも、もはやこの状況をグレⅡ世界ゆえに生じているものとは考えていない自分を確認し、ほっとしました。オリヴィエ様が、選択肢によらない、ご自身の意思で述べられた言葉。赤面するのを感じます。こんなときどんな顔をすればいいかわからないの。笑う? 笑えばいい? 真っ赤な顔で笑うとかちょっとどころではなく恥ずかしいな!
「私にも、なにかほしいな。あなたが身に着けているもの」
言われて、わたしは肩から下げていたバッグを覗き込みました。なに。ハンカチを交換する? でも女性物をオリヴィエ様が持って歩くのおかしいよね。ちょっと考えて、「あ」とわたしは声を上げました。
ずっと握られていた手を放してもらって、後頭部に手をやります。一本結びにしていた髪を解きました。
「あの。これ、わたしが故郷の国からしてきた髪ゴムです。たぶん今後も切れたりしないと思います。たぶん」
不思議黒ヒールといっしょでね! 群馬から持ってきたものはなかなかしぶといんですよ!
オリヴィエ様は受け取って、その場で髪をまとめられました。動画。動画に撮りたい。手ぐしでおぐしを。あああ。すてき。あああ。すてき。あああ。
「……ありがとう。うれしい」
そうおっしゃって、オリヴィエ様はまた笑顔でわたしをご覧になります。しぬ暇がないほどにわたしはずっといろいろ瀬戸際です。川向うのばあちゃんが手招きしすぎてパンプアップしています。オリヴィエ様が、肩にかかったわたしの髪先に触れました。
「今日の私は欲しがりなんだ。もうひとつお願いしてもいいかな」
「はいなんでしょうよろこんで!」
「あなたからも、言葉がほしい。こうして、私にあなたのものをくれるのはなぜ?」
はっと、息を詰めました。ばあちゃんにはしっかりクールダウンしてもらおうと思います。これまでのこと、ちょっとだけ思い出しながら、深呼吸をしてオリヴィエ様に向き直りました。ごまかすことなく、わたしも伝えます。
「わたしも、オリヴィエ様のことが好きです」
言った瞬間、左腕でぎゅっとハグされました。それからちゅーされました。ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
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