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再び、レテソルへ
91話 私に翼があればいいのに
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ミュラが、抜け殻のようになってしまった。いや、以前のような少し朴念仁然とした、どこか気が利かないなりに真っ直ぐな人間へと舞い戻ってしまった、と言うべきか。それはそれで愛すべき人物だったのだが、ここ最近の彼の目覚ましい成長を見ていたら、いくらか残念に思ってしまうことはしかたがない。
清潔で見苦しくないことだけを重んじていた外見に、華が伴うようになった。聞く耳は持ちつつも、いつも断定的な言葉遣いだった物言いが、やわらかくなった。そしてなによりも、女性に対して慇懃すぎる態度だった人間が、目線を合わせて対話する姿勢を覚えた。これはめざましい進歩だ。どうやら最近は王宮宮女からの評判もいいらしい。
毎週末、ソノコとレアの住む家へと遊びに行っているのだ、と聞いたときは耳を疑ったものだったが。どうやらレアに懸想しているらしいことはすぐに気がついたが、通っていた理由はそれだけではないだろう。
いつぞや彼は私に言った。自分の手に為すべき善があるのに、それを差し控えてはならないと。彼はそれを実践していたのだろう。ソノコ・ミタが克服すべき、男性に対する恐怖心という問題の、足がかりになろうとしているのだ。私は彼が愛すべき人物なのを知っている。
若い女性たちの代わりにはならなかろうが、時間が合ったときに何度かミュラと週末を過ごした。リシャール殿下からもそれとなく言外に、「エルネストの様子がおかしいねえ」と、気にかけるよう促されてもいた。ミュラが飼うようになったメスの小型犬は、とても気立てがよく愛らしかったので、私自身も良い気晴らしにはなった。そんな折にとつとつと、ソノコたちを訪問していた時間が自分にも癒やしをもたらしていた、と告白されもした。そうだろうとも、と私はうなずいた。
私が訪れたのはただ一度きり、彼女たちがマディア公爵領レテソルへ向かう前夜だ。
それ以前から行くことはレアからの報告で知っていたし、それになにか離反を目的とする影があったわけでもない。それでも私は本人に、その気持ちを尋ねたかった。なぜなのか。私たちの敵対勢力の元へ、なぜ向かうのか。
些事が重なり、結局ぎりぎりに訪うことになってしまった。そして、彼女が真っ赤な顔で私たちへと示した理由はあまりに予想外で、時間差で帰宅してから猛烈に笑ってしまったものだった。いったいあんな理由を、私たちのだれが想像できただろう。レアでさえ呆れ気味に笑っていた。
それからは、本人からの手紙や絵葉書、そしてときどき届くレアからの腕木信号による報告により、ルミエラにいたときと同じように……いやそれ以上にのびのびと過ごしていることは把握していた。ファピーの見学へ赴き、相変わらず人数計測をする。かと思えば地元新聞の一面を飾るほどの人助けをして大金を受け取り、目に見えるほど動転していたとのことだ。
本当に、なにをしに行ったのか。その質問は、領境であるリッカー=ポルカという街へ向かうと彼女が宣言したときから、違う色を帯びてきた。――やはり、彼女は。ソノコ・ミタは、私たちに仇をなすつもりではないのか。
状況は刻々と変わってきている。先刻リシャール殿下がマディア軍へと潜入させた男性諜報員からの連絡は、クロヴィスが戦争準備を深めていることを示していた。リッカー=ポルカは地理上でその最前線となる街だ。それを回避するには。いろいろな思惑が飛び交った。
――なんであれ、我々は配られた手札でしか戦えない。それを痛感するのみだった。
家に帰れない日が続いた。そんな折に、実家から届いた連絡に私は驚く。弟……亡くなった叔父の息子であり、我が家に引き取られ育まれた無二の存在であるテオフィルが、私のアパートに行ったきり戻らないがどうしているのかという問い合わせだ。あわてて私は四日ぶりに帰宅した。家政婦に尋ねると、「二日前にたしかにいらっしゃいましたけど、お戻りになられない予定だとお伝えしたら、少し滞在されてすぐに帰宅されましたよ」とのことだった。
私の部屋を見ると、いくらか机上が乱れている。引き出しに入れてあったはずの手紙のいくらかが、開封されてそこにあった。……すべて、ソノコ・ミタから来たものだ。そして、その下に書き置きが。
『おもしろそうな人だなと思った。会いに行ってくる。テオフィル』
眼の前が暗転したように感じた。開戦へ舵を切りつつあるクロヴィスの本拠地へ、そうと知らずに弟が行ってしまった。折しも、マディア北東部は天候が乱れ、通信が途絶えているときだった。連絡を取りすぐに引き返させようと考えても、それができない。他の腕木通信の中継点を経由したとて、もう二日も前の話なのだ。どの列車を使ったかにもよるが、順調に行けばそろそろマディア境界を越え、レテソルに到着するころだろうと思えた。その上、ソノコとレアはリッカー=ポルカに滞在しており、手紙に記されているレテソルの住所にはいない。
私は内務省に戻り、しばらく外出する旨を告げた。秘書官たちが青ざめた。
「ちょーっとオリヴィエ。君の秘書官たちがうちに泣きついて来たんだけどー」
必要最低限の書類仕事を終えて外出準備を始めたところ、少しだけあわてた様子でリシャール殿下が私の執務室へやってきた。
「これからご挨拶に立ち寄るところでした。マディア領へ行ってきます」
「なんで⁉」
いつも飄々とされている殿下が、本当に珍しく表情をあらわにされている。私とてわかっている。今私がマディアに入るのはまずい。
「弟のテオフィルが書き置きを残してソノコへ会いに行ってしまいました。開戦する前に連れ戻します」
「いやなに言ってんのさ宰相閣下! 君この国の宰相閣下!」
「テオフィルが危ない目に遭うかもしれないのです。致し方ない」
「なに大真面目にアホなこと言ってんの⁉ 落ち着きなよこの弟バカ宰相!」
しばらく言い合いになった。ここまで多くのバカという言葉を身に受けたのは初めてだった。そして、そのとき。リシャール殿下の影として動いている諜報機関『グロリア』の者が、レアからの一報を携えてきた。
『内より南へ威嚇射撃あり。南、宣戦布告準備。前線にはL将軍。SはLと緊密に。軍議に参加した模様。S、住人避難のため動く。現在N地点。これよりRへ戻る。』
「……僕はよくわからない『友人』を持ってしまったもんだね」
私も同意見だった。ソノコ。あなたはいったいなんなのだ。
「それにしても、生きてたんだね。ラ・サル将軍。こんなところで名前を聞くとは思わなかった」
「開戦は、避けられないようですね」
「みたいだね。残念だけど、しばらく弟くんはソノコに任せておこう。君が行ける状態ではないことはこれではっきりした」
「しかし……」
私は歯噛みする気持ちでレアからの伝達を凝視する。頭がくらくらした。こんなときに、まさか、敵陣営に。
「……なにかあったときに、公的に対応できる人間がほしいっていうならさ。適任がいるよ。ここ最近働き詰めだし、ちょうど冬季休暇でもやろうと思っていたんだ」
「私ですか?」
「君は働け。きりきり働け。どうにか行こうとするな」
私以外にだれがいると言うのだろう。リシャール殿下は私の執務机にあった筆記具で、さらさらと一筆をしたためた。
「まあ、通常経路ではマディアに入るの難しいだろうけど。あいつなら一般人に見えるし。他領から行かせればなんとかなるんじゃない。それなりに僕も、恋路を応援はしたいし?」
なるほど、彼を。たしかに適任には思える。しかし……。
私もすぐに、向かえるようにしなければ。
リシャール殿下から筆記具を奪うように、私も腕木通信へ乗せる文言を書き出した。ソノコへ。
清潔で見苦しくないことだけを重んじていた外見に、華が伴うようになった。聞く耳は持ちつつも、いつも断定的な言葉遣いだった物言いが、やわらかくなった。そしてなによりも、女性に対して慇懃すぎる態度だった人間が、目線を合わせて対話する姿勢を覚えた。これはめざましい進歩だ。どうやら最近は王宮宮女からの評判もいいらしい。
毎週末、ソノコとレアの住む家へと遊びに行っているのだ、と聞いたときは耳を疑ったものだったが。どうやらレアに懸想しているらしいことはすぐに気がついたが、通っていた理由はそれだけではないだろう。
いつぞや彼は私に言った。自分の手に為すべき善があるのに、それを差し控えてはならないと。彼はそれを実践していたのだろう。ソノコ・ミタが克服すべき、男性に対する恐怖心という問題の、足がかりになろうとしているのだ。私は彼が愛すべき人物なのを知っている。
若い女性たちの代わりにはならなかろうが、時間が合ったときに何度かミュラと週末を過ごした。リシャール殿下からもそれとなく言外に、「エルネストの様子がおかしいねえ」と、気にかけるよう促されてもいた。ミュラが飼うようになったメスの小型犬は、とても気立てがよく愛らしかったので、私自身も良い気晴らしにはなった。そんな折にとつとつと、ソノコたちを訪問していた時間が自分にも癒やしをもたらしていた、と告白されもした。そうだろうとも、と私はうなずいた。
私が訪れたのはただ一度きり、彼女たちがマディア公爵領レテソルへ向かう前夜だ。
それ以前から行くことはレアからの報告で知っていたし、それになにか離反を目的とする影があったわけでもない。それでも私は本人に、その気持ちを尋ねたかった。なぜなのか。私たちの敵対勢力の元へ、なぜ向かうのか。
些事が重なり、結局ぎりぎりに訪うことになってしまった。そして、彼女が真っ赤な顔で私たちへと示した理由はあまりに予想外で、時間差で帰宅してから猛烈に笑ってしまったものだった。いったいあんな理由を、私たちのだれが想像できただろう。レアでさえ呆れ気味に笑っていた。
それからは、本人からの手紙や絵葉書、そしてときどき届くレアからの腕木信号による報告により、ルミエラにいたときと同じように……いやそれ以上にのびのびと過ごしていることは把握していた。ファピーの見学へ赴き、相変わらず人数計測をする。かと思えば地元新聞の一面を飾るほどの人助けをして大金を受け取り、目に見えるほど動転していたとのことだ。
本当に、なにをしに行ったのか。その質問は、領境であるリッカー=ポルカという街へ向かうと彼女が宣言したときから、違う色を帯びてきた。――やはり、彼女は。ソノコ・ミタは、私たちに仇をなすつもりではないのか。
状況は刻々と変わってきている。先刻リシャール殿下がマディア軍へと潜入させた男性諜報員からの連絡は、クロヴィスが戦争準備を深めていることを示していた。リッカー=ポルカは地理上でその最前線となる街だ。それを回避するには。いろいろな思惑が飛び交った。
――なんであれ、我々は配られた手札でしか戦えない。それを痛感するのみだった。
家に帰れない日が続いた。そんな折に、実家から届いた連絡に私は驚く。弟……亡くなった叔父の息子であり、我が家に引き取られ育まれた無二の存在であるテオフィルが、私のアパートに行ったきり戻らないがどうしているのかという問い合わせだ。あわてて私は四日ぶりに帰宅した。家政婦に尋ねると、「二日前にたしかにいらっしゃいましたけど、お戻りになられない予定だとお伝えしたら、少し滞在されてすぐに帰宅されましたよ」とのことだった。
私の部屋を見ると、いくらか机上が乱れている。引き出しに入れてあったはずの手紙のいくらかが、開封されてそこにあった。……すべて、ソノコ・ミタから来たものだ。そして、その下に書き置きが。
『おもしろそうな人だなと思った。会いに行ってくる。テオフィル』
眼の前が暗転したように感じた。開戦へ舵を切りつつあるクロヴィスの本拠地へ、そうと知らずに弟が行ってしまった。折しも、マディア北東部は天候が乱れ、通信が途絶えているときだった。連絡を取りすぐに引き返させようと考えても、それができない。他の腕木通信の中継点を経由したとて、もう二日も前の話なのだ。どの列車を使ったかにもよるが、順調に行けばそろそろマディア境界を越え、レテソルに到着するころだろうと思えた。その上、ソノコとレアはリッカー=ポルカに滞在しており、手紙に記されているレテソルの住所にはいない。
私は内務省に戻り、しばらく外出する旨を告げた。秘書官たちが青ざめた。
「ちょーっとオリヴィエ。君の秘書官たちがうちに泣きついて来たんだけどー」
必要最低限の書類仕事を終えて外出準備を始めたところ、少しだけあわてた様子でリシャール殿下が私の執務室へやってきた。
「これからご挨拶に立ち寄るところでした。マディア領へ行ってきます」
「なんで⁉」
いつも飄々とされている殿下が、本当に珍しく表情をあらわにされている。私とてわかっている。今私がマディアに入るのはまずい。
「弟のテオフィルが書き置きを残してソノコへ会いに行ってしまいました。開戦する前に連れ戻します」
「いやなに言ってんのさ宰相閣下! 君この国の宰相閣下!」
「テオフィルが危ない目に遭うかもしれないのです。致し方ない」
「なに大真面目にアホなこと言ってんの⁉ 落ち着きなよこの弟バカ宰相!」
しばらく言い合いになった。ここまで多くのバカという言葉を身に受けたのは初めてだった。そして、そのとき。リシャール殿下の影として動いている諜報機関『グロリア』の者が、レアからの一報を携えてきた。
『内より南へ威嚇射撃あり。南、宣戦布告準備。前線にはL将軍。SはLと緊密に。軍議に参加した模様。S、住人避難のため動く。現在N地点。これよりRへ戻る。』
「……僕はよくわからない『友人』を持ってしまったもんだね」
私も同意見だった。ソノコ。あなたはいったいなんなのだ。
「それにしても、生きてたんだね。ラ・サル将軍。こんなところで名前を聞くとは思わなかった」
「開戦は、避けられないようですね」
「みたいだね。残念だけど、しばらく弟くんはソノコに任せておこう。君が行ける状態ではないことはこれではっきりした」
「しかし……」
私は歯噛みする気持ちでレアからの伝達を凝視する。頭がくらくらした。こんなときに、まさか、敵陣営に。
「……なにかあったときに、公的に対応できる人間がほしいっていうならさ。適任がいるよ。ここ最近働き詰めだし、ちょうど冬季休暇でもやろうと思っていたんだ」
「私ですか?」
「君は働け。きりきり働け。どうにか行こうとするな」
私以外にだれがいると言うのだろう。リシャール殿下は私の執務机にあった筆記具で、さらさらと一筆をしたためた。
「まあ、通常経路ではマディアに入るの難しいだろうけど。あいつなら一般人に見えるし。他領から行かせればなんとかなるんじゃない。それなりに僕も、恋路を応援はしたいし?」
なるほど、彼を。たしかに適任には思える。しかし……。
私もすぐに、向かえるようにしなければ。
リシャール殿下から筆記具を奪うように、私も腕木通信へ乗せる文言を書き出した。ソノコへ。
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