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領境の街・リッカー=ポルカ
81話 すみません、未プレイです
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あきらかにサルちゃんが優勢でした。そりゃそうですよね、準決勝まで行ったんですから。そういや三位決定戦やってない気がしますがいいんですかね。よさそうですね。
わたしはなんだか椅子を差し出されましたが拒否しました。なんかそれ景品扱いって感じて。レアさんの袖をつかんでひっつき虫をしています。みんなわたしたちより後ろに下がろうとするので、いっしょに壁にもひっつきました。まあ、見通しがいいこと。
三区間さんは必死に手札を見ながら、ときどきちらちらとこちらをご覧になります。今まで気づいていなかっただけで、こういう感じでずっと見られていたのかな。いやだな。もやもやと胸が苦しくなります。わたしはそっと深呼吸をしました。……だいじょうぶ。
主治医のフォーコネ先生から繰り返し言われたことを思い出します。「あなたは普通の人。女優でも女王でもお姫様でもない。だからだれかに見られているかもなんて考えなくていい」そう。わたし、ただの群馬県民。平均身長には足りないけど148センチの宮崎さんよりは大きくて、だからどこにでもいる普通の、ちょっと長いことグレⅡに狂っているだけのアラサー女性。たまたま見られていることがあるとしても、それはわたしやわたしの周囲を害する目的のことなんてほとんどない。そう。あれはイレギュラーな事態だった。だいじょうぶ。
女優みたいにキレイで、女王できっとだれかのお姫様のレアさんは、すごいなあってあらためて思う。どうやったらレアさんみたいに強くなれるかなあ。むずかしそうだなあ。
あっという間に四戦が終わって、次が最後です。サルちゃんは余裕の雰囲気で、たぶん本気出してもいない感じです。単に娯楽としてたのしんでいらっしゃるんでしょう。当然わたしはその方がありがたいですが。三区間さんはどこか追い詰められたような表情。どうして真剣になっているんでしょうか。わかりません。これに勝っても負けても、なにがあるわけでもないのに。逃げたくなって、でもレアさんの袖をぎゅっとしてこらえました。
「――ラ・サル、二十二点、ヤト、十六点。勝者、ラ・サル!」
サルちゃんの腕が持ち上げられました。みんなから拍手。「あっれー。役が少ない組み合わせにしたんだけどな」とつぶやいたところを見ると、本気出していなかったどころか意図的に弱い手札にしていたみたいです。三区間さんは「なんだよ、本気出せよ! バカにしてんのか!」と怒りました。
「いや、バカにしてるのはあなたでしょう、ヤトくん。こんなのに勝ってどうしようっていうの。あなたが自信をつけるために必要なのかと思ったけど、そもそもソナコはハルハルで競い合ってどうこうする品物ではないよ。余興のひとつとしてつきあったけどさ。告白したいなら、すればいいじゃないか。どうせあなたの気持ちはもう本人にバレているんだし。こんなゲームになにを賭けてるのさ。バカだよあなたは」
三区間さんが息を呑みました。わたしは息を詰めました。サルちゃんが「ソナコはそこにいるよ」と言わなくてもわかることを言って三区間さんの退路を断ちます。それってわたしも逃げ場を失うってことです。レアさんが手をつないでくれました。
「……あのっ、蒸気バスのお嬢さんっ」
二メートルくらい離れたところまで三区間さんがいらして、真っ赤な顔でおっしゃいました。わたしはレアさんの手をぎゅっとしました。握り返してくれました。
「おれ、蒸気バス乗ったときから、あんたのことが気になってて……でも年が離れてそうだったし。でも、あっ、あいつよりは若いし! なんで、あの、よかったら、おつきあいしてくんねえかなって!」
静まり返りました。わたしはしっかり頭を下げて、「ごめんなさい」と言いました。労うようにレアさんが手をぎゅっとしてくれました。頭を上げます。
「気持ちを伝えてくださってありがとうございます。けど、わたしはあなたのことをお客様としかみていませんし、これからもそれは変わりません。なので、お断りいたします」
三区間さんはちょっとまばたきをして、くしゃっと笑って「そっかあ」とおっしゃいました。「そうだよなあ……」と下を向いた三区間さんを、男性陣が取り囲みます。
「――よし、ヤト! 飲むぞ!」
「だいじょうぶだ、おまえのいいところはおれたちが知っている!」
「そうだあ、都会の娘さんにはおまえの良さはわからんのよ!」
男性が宿泊している大部屋へと三区間さんが連行されていきました。「……お酒、足りるかしらねえ」とベリテさんがぼやきました。
わたしは女性陣に取り囲まれます。三区間さんのことを「あの子、見た目はちょっとしょぼくれてるけどね、いい子なんよ?」とおっしゃる方もいれば、「サルちゃん? やっぱりサルちゃんなの?」と目をキラキラさせる方もいらっしゃいます。主にコラリーさん。うへえってなって、レアさんの女王ATフィールド全開で逃げました。ありがとう女王。
ただ、わたしにはサルちゃんを見張るという使命があるのでずっと部屋にこもっているわけにもいきません。窓の外をみました。さっきアシモフたんが遊んでいたときより、また風が強くなっていました。今夜も気が抜けませんね。サルちゃんは大部屋の飲みへまざりに行ったようです。というか、わたしがレアさんの部屋へ避難するときに大部屋へ入る姿をわざわざ見せてくれました。ウインクされたので、安心しろってことなんでしょう。たぶん。てゆーかめちゃくちゃ窓際感ないんですけど今のサルちゃん!
「――ソノコ、変なのに好かれちゃったわね」
部屋に入って扉を閉じてから、レアさんがあきれたような声でおっしゃいました。「ラ・サル将軍。たぶんわかっていると思うけど、かなり曲者よ、あの人」とつけ加えます。
「ええええ。なんか変なうわさでもあるんです?」
「聞いたことがないわけではないけど。それよりもここに来て、接してみてわかったわよ。女の勘てやつよ。わかるでしょ」
すみませんその勘わたしのはアテになりません。が、おっしゃりたいことはわかります。「サルちゃんってやっぱり有名人なんです?」と水を向けてみると「かなり」とレアさんはうなずきました。
「むしろソノコが知らないの、びっくりだわよ。最近じゃ小学校の教科書にも載るくらいだわ。あれ、何年前かしら。……そうね、十八年前ね」
なにかを思い出すように一瞬遠くを見つめて、レアさんがおっしゃいました。「レギ大陸戦争……イーマイル作戦の引率者よ」聞いたことがあるようなないような単語に、わたしはちょっと考え込みました。……ああああああああああああ‼
----------
説明しよう‼ 『レギ大陸戦争』、また『イーマイル作戦』とは‼
グレⅡの前作である『The King’s Grail of Eternal 』(通称:無印)の主要ストーリーであり、その中で実行された作戦名である‼
シナリオはアウスリゼ王国の象徴である『王杯』が、現国王であるラファエル(リシャールの父、現在五十二歳)を『聖別』するところから始まる。当時二十一歳だったラファエルは、王位に着くと同時に難題を抱えこんだ。アウスリゼを擁する大地であるレギ大陸の東方にて、同盟関係にあるジューゼラ国が極東国イャセウより宣戦布告を受けたのだ。ジューゼラには単独で戦うだけの力がない上、アウスリゼが盟主でもあることから参戦することは既定路線であった。『イーマイル作戦』は、その中でイャセウに決定的な打撃を与え敗退させた掃討作戦のことである。イーマイルという名の丘で決行されたためその名で呼ばれる。
グレⅡがヒューマンドラマを織り込んだSRPGであったことに対し、キングレシリーズ初代である無印は純然たる戦争シミュレーションだった。さらに、アウスリゼ・ジューゼラ連合軍が負けるというエンディングはなく、『いかに効率よく勝つか』ということを極めるシナリオであったため、SRPGとしてはあまり一般向けとは言えない。またバグが多くそれを逆手にとったチート技が横行してしまい、一般にはクソゲーと評価されている。
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………………。
――サルちゃん。前作の主人公格キャラじゃあああああああああああああああん‼
わたしはなんだか椅子を差し出されましたが拒否しました。なんかそれ景品扱いって感じて。レアさんの袖をつかんでひっつき虫をしています。みんなわたしたちより後ろに下がろうとするので、いっしょに壁にもひっつきました。まあ、見通しがいいこと。
三区間さんは必死に手札を見ながら、ときどきちらちらとこちらをご覧になります。今まで気づいていなかっただけで、こういう感じでずっと見られていたのかな。いやだな。もやもやと胸が苦しくなります。わたしはそっと深呼吸をしました。……だいじょうぶ。
主治医のフォーコネ先生から繰り返し言われたことを思い出します。「あなたは普通の人。女優でも女王でもお姫様でもない。だからだれかに見られているかもなんて考えなくていい」そう。わたし、ただの群馬県民。平均身長には足りないけど148センチの宮崎さんよりは大きくて、だからどこにでもいる普通の、ちょっと長いことグレⅡに狂っているだけのアラサー女性。たまたま見られていることがあるとしても、それはわたしやわたしの周囲を害する目的のことなんてほとんどない。そう。あれはイレギュラーな事態だった。だいじょうぶ。
女優みたいにキレイで、女王できっとだれかのお姫様のレアさんは、すごいなあってあらためて思う。どうやったらレアさんみたいに強くなれるかなあ。むずかしそうだなあ。
あっという間に四戦が終わって、次が最後です。サルちゃんは余裕の雰囲気で、たぶん本気出してもいない感じです。単に娯楽としてたのしんでいらっしゃるんでしょう。当然わたしはその方がありがたいですが。三区間さんはどこか追い詰められたような表情。どうして真剣になっているんでしょうか。わかりません。これに勝っても負けても、なにがあるわけでもないのに。逃げたくなって、でもレアさんの袖をぎゅっとしてこらえました。
「――ラ・サル、二十二点、ヤト、十六点。勝者、ラ・サル!」
サルちゃんの腕が持ち上げられました。みんなから拍手。「あっれー。役が少ない組み合わせにしたんだけどな」とつぶやいたところを見ると、本気出していなかったどころか意図的に弱い手札にしていたみたいです。三区間さんは「なんだよ、本気出せよ! バカにしてんのか!」と怒りました。
「いや、バカにしてるのはあなたでしょう、ヤトくん。こんなのに勝ってどうしようっていうの。あなたが自信をつけるために必要なのかと思ったけど、そもそもソナコはハルハルで競い合ってどうこうする品物ではないよ。余興のひとつとしてつきあったけどさ。告白したいなら、すればいいじゃないか。どうせあなたの気持ちはもう本人にバレているんだし。こんなゲームになにを賭けてるのさ。バカだよあなたは」
三区間さんが息を呑みました。わたしは息を詰めました。サルちゃんが「ソナコはそこにいるよ」と言わなくてもわかることを言って三区間さんの退路を断ちます。それってわたしも逃げ場を失うってことです。レアさんが手をつないでくれました。
「……あのっ、蒸気バスのお嬢さんっ」
二メートルくらい離れたところまで三区間さんがいらして、真っ赤な顔でおっしゃいました。わたしはレアさんの手をぎゅっとしました。握り返してくれました。
「おれ、蒸気バス乗ったときから、あんたのことが気になってて……でも年が離れてそうだったし。でも、あっ、あいつよりは若いし! なんで、あの、よかったら、おつきあいしてくんねえかなって!」
静まり返りました。わたしはしっかり頭を下げて、「ごめんなさい」と言いました。労うようにレアさんが手をぎゅっとしてくれました。頭を上げます。
「気持ちを伝えてくださってありがとうございます。けど、わたしはあなたのことをお客様としかみていませんし、これからもそれは変わりません。なので、お断りいたします」
三区間さんはちょっとまばたきをして、くしゃっと笑って「そっかあ」とおっしゃいました。「そうだよなあ……」と下を向いた三区間さんを、男性陣が取り囲みます。
「――よし、ヤト! 飲むぞ!」
「だいじょうぶだ、おまえのいいところはおれたちが知っている!」
「そうだあ、都会の娘さんにはおまえの良さはわからんのよ!」
男性が宿泊している大部屋へと三区間さんが連行されていきました。「……お酒、足りるかしらねえ」とベリテさんがぼやきました。
わたしは女性陣に取り囲まれます。三区間さんのことを「あの子、見た目はちょっとしょぼくれてるけどね、いい子なんよ?」とおっしゃる方もいれば、「サルちゃん? やっぱりサルちゃんなの?」と目をキラキラさせる方もいらっしゃいます。主にコラリーさん。うへえってなって、レアさんの女王ATフィールド全開で逃げました。ありがとう女王。
ただ、わたしにはサルちゃんを見張るという使命があるのでずっと部屋にこもっているわけにもいきません。窓の外をみました。さっきアシモフたんが遊んでいたときより、また風が強くなっていました。今夜も気が抜けませんね。サルちゃんは大部屋の飲みへまざりに行ったようです。というか、わたしがレアさんの部屋へ避難するときに大部屋へ入る姿をわざわざ見せてくれました。ウインクされたので、安心しろってことなんでしょう。たぶん。てゆーかめちゃくちゃ窓際感ないんですけど今のサルちゃん!
「――ソノコ、変なのに好かれちゃったわね」
部屋に入って扉を閉じてから、レアさんがあきれたような声でおっしゃいました。「ラ・サル将軍。たぶんわかっていると思うけど、かなり曲者よ、あの人」とつけ加えます。
「ええええ。なんか変なうわさでもあるんです?」
「聞いたことがないわけではないけど。それよりもここに来て、接してみてわかったわよ。女の勘てやつよ。わかるでしょ」
すみませんその勘わたしのはアテになりません。が、おっしゃりたいことはわかります。「サルちゃんってやっぱり有名人なんです?」と水を向けてみると「かなり」とレアさんはうなずきました。
「むしろソノコが知らないの、びっくりだわよ。最近じゃ小学校の教科書にも載るくらいだわ。あれ、何年前かしら。……そうね、十八年前ね」
なにかを思い出すように一瞬遠くを見つめて、レアさんがおっしゃいました。「レギ大陸戦争……イーマイル作戦の引率者よ」聞いたことがあるようなないような単語に、わたしはちょっと考え込みました。……ああああああああああああ‼
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説明しよう‼ 『レギ大陸戦争』、また『イーマイル作戦』とは‼
グレⅡの前作である『The King’s Grail of Eternal 』(通称:無印)の主要ストーリーであり、その中で実行された作戦名である‼
シナリオはアウスリゼ王国の象徴である『王杯』が、現国王であるラファエル(リシャールの父、現在五十二歳)を『聖別』するところから始まる。当時二十一歳だったラファエルは、王位に着くと同時に難題を抱えこんだ。アウスリゼを擁する大地であるレギ大陸の東方にて、同盟関係にあるジューゼラ国が極東国イャセウより宣戦布告を受けたのだ。ジューゼラには単独で戦うだけの力がない上、アウスリゼが盟主でもあることから参戦することは既定路線であった。『イーマイル作戦』は、その中でイャセウに決定的な打撃を与え敗退させた掃討作戦のことである。イーマイルという名の丘で決行されたためその名で呼ばれる。
グレⅡがヒューマンドラマを織り込んだSRPGであったことに対し、キングレシリーズ初代である無印は純然たる戦争シミュレーションだった。さらに、アウスリゼ・ジューゼラ連合軍が負けるというエンディングはなく、『いかに効率よく勝つか』ということを極めるシナリオであったため、SRPGとしてはあまり一般向けとは言えない。またバグが多くそれを逆手にとったチート技が横行してしまい、一般にはクソゲーと評価されている。
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