77 / 248
領境の街・リッカー=ポルカ
77話 あなただよね
しおりを挟む
レアさんの自動車が帰って来ました。そのころにはリッカー=ポルカ杯参加希望者は三十一名になっていました。ベリテさんがはりきって客室を割り振っていきます。だいたい三人で一部屋。サルちゃんは土建仲間さんといっしょみたいです。奥の方。よし。なるべく近くの部屋がいいかなあ、と思ってベリテさんに「わたしここじゃだめです?」って隣室を指さしてみたんですけど、「あらっ? あらっ? まあまあまあっ」と大いに勘違いされてしまい大いに後悔しました。
「だいじょうぶよっ、言っていいこととわるいことくらいはちゃんとわきまえてるわ! それにしても……そう。そうなのねえ」
「ものすっごく誤解です」
「だいじょうぶよっ! 愛があれば年の差なんて! わたしも主人とは十四歳差だったのよー!」
「ほんとそういうんじゃないので……」
理解していただけませんでした。はい。「でもね! 未婚のお嬢さんになにかあったら困るからねっ、こちらのお部屋にしましょうねっ」と、向かい側の大部屋になりました。はい。同室の方はコラリーさんと、まだコラリーさんのお家に逗留されている黒髪と白髪のマダムたち。赤髪マダムはご主人といっしょのお部屋。ノエミさんは他のお友だちと同じお部屋です。ちなみにレアさんはずっとスイートルームっぽいところをひとりで貸し切っています。女王なので。
修学旅行みたいな空気の中、腕自慢の女性たちはベリテさんのヘルプ要請に腕まくりをして厨房へと吸い込まれていきました。さっき食材を運ぶときも率先してみんな動いてくれたりして、ほんとお祭りみたいです。ちなみに蒸気バスのフロントに掲示した『ハルハル第一回リッカー=ポルカ杯参加者送迎車』という紙ですが、『参加者送迎車』の部分を切り落として会場になるであろう食堂の壁に貼られました。恥ずかしい。なんか自分の字掲げられるの恥ずかしい。
男性たちは名簿とにらめっこしながらトーナメント表を作成しています。あーでもないこーでもない。男女それぞれの大浴場へお湯を張るのに、お掃除しに行く人もいました。けっこうご高齢の方たちが多いんですけど。一致団結。リッカー=ポルカすごい。田舎パワーすごい。
「あー、吹雪いてきたわね。ベリテさーん、アシモフ玄関ホールに入れていいー?」
廊下で響いたレアさんの声に、わたしはすっと現実に引き戻されました。「いいわよお! あの子おりこうだしねえ!」「ありがとう、助かるわあ」「こちらこそよー」そのやり取りが、近いのに違う世界で響いているように聞こえます。窓の外は日がすっかり落ちています。そして、雪、雪、雪。
わたしは食堂の中を見回しました。姿をみつけてほっとすると、すっと首をこちらに向けてサルちゃんがわたしを見ました。窓際係長みたいな。没個性で、みんなに埋もれてしまいそうな空気感のままで。
「で……ソナコぉ? なにかわたしたちに相談したいことがあるんじゃなあいぃ?」
夕食はみんなでわいわいがやがや。みんな体の大きい小学校給食みたいな感じでした。わたしは汁物を配膳するお当番です。はい。サルちゃんには大きめのツミレみたいのを入れました。美味しいもの食べて満腹で眠れ! みんなが食べ終わってお膳が片付けられたあと、トーナメント表が食堂の壁に張り出されました。わたしは第二グループの二戦目。さくっと負けると思います。お風呂に入って歯を磨いて、お部屋に行ったら、にっこにこのコラリーさんとマダムふたりがいらっしゃって、そう言われました。
「ナニモナイデス」
「もうやだあ、てれちゃってえ!」
あのー。ベリテさーん。言っていいこととわるいことわきまえ……そもそも誤解で……脱力してわたしはベッドのひとつに沈みました。
ところで、この部屋にはベッドが四つありました。わたし、コラリーさん、白髪シューちゃんさん、黒髪アネちゃんさん。四つで合ってます。が。なんだかソファにもオフトゥンがあるのはなぜなんだぜ。
「来たわよおおおお! さあお話ししましょおおおおおお!」
……お仕事を終えたベリテさんがみえました。はい。
否定すればするだけみんなの士気が上がることに気づいたので、途中ですべてをあきらめて放棄しました。そのうち夜も更けたので、みんなでおやすみなさい。結論は「サルちゃんは働き者だし社会的地位がしっかりしていて性格もいい。あの年まで独身なのは謎だけど良物件。ソナコのかわいさなら落とせる、がんばれ応援している」ということになりました。はい。ちなみにわたしのことソノコって呼んでいたはずのベリテさんもいつの間にかソナコ呼びになっていました。はい。
わたしがサルちゃんを実行犯だと確信している理由をお話ししましょう。まず、彼はマディア公爵家騎士団の将軍職の人。問題なく領境基地に出入りできるのは先日の社会科見学で確認できました。そして、彼がふらっと外に出て咎める人もいないでしょう。おそらく実行犯だと疑う人も。だって、そんな事件を起こす理由がないから。
そしてマディア北東部事変の凶器は、マディア公爵家に仕える者のみが用いることのできる紋章が入った、片刃の小振りなもの。ナタの大きい版みたいな感じです。シミターとかいうやつかな。領境警備隊員が用いるものではなく、市場にもあまり出回らないものみたいです。グレⅡゲーム内でも扱いませんでしたね。一般人が紋章入りの特殊な剣を入手できるでしょうか。最初は偽装された紋なのではと思っていたのですが、考えてみたらその点はゲーム内で論争にならなかったのですよね。ので、本物だと確認されたのでしょう。そして刻印は柄の部分に入っていましたけど、コブクロさん他、携行されていたものをじろっじろ観察してきましたが、どこにもそれらしいものはありませんでした。ということはですよ。領境警備隊員が自前で特殊な武器を作ったとして、マディアの刻印をできるでしょうか。仕事で使うものですら刻印されていないのに?
なので仮定で申し訳ないのですけども、おそらくマディアに仕える者の紋は限られた人しか入れられない、もしくは使用を制限されているのでは、と考えました。将軍様なら、たぶん自由自在ですよね。きっと。将軍様だもん。
それに、マディア北東部事変は二人の犠牲者が出ています。おそらく奇襲とはいえ、訓練を受けた兵士が抵抗もできずに声もなく惨殺されるなんてことがありえるでしょうか。ましてや、一般の兵士にそんなことができるのか。複数人での犯行なら可能かもしれません。けれど、考えてもみてください。近いんです。現場は、領境基地から歩いてもわたしの足で六百歩弱くらいの場所から河を渡ったところなんです。複数人でそんなイレギュラーな行動をとって、見つからないわけがないじゃないですか。いくら吹雪いていたって。
将軍って、やっぱり強い人がなるんですかね。わかりません。サルちゃん、窓際係長みたいですけど。強いんでしょうか。わかりません。
まとめると、わたしの考えはこうです。
・マディア北東部事変実行犯は、おそらく単独でめっちゃ強い
・マディアの家臣紋を使用できる身分で、領境基地に出入りできる
・犯行を疑われることがない立場で、河や周辺地理も把握している人物
よって、そのわたしの見立てに当てはまるのは……サルちゃん。田舎によそ者が来たらすぐにわかるし目立ちます。それでなくても、ほとんどの人が避難している現状。他に、見当たらない。
わからないことがいくつかあります。そもそもなぜ、事件を起こしたのか。そして、凶器を残した理由も。そうです、動機の部分。わたしはサルちゃんがまるでわからない。
それぞれのベッドから寝息が立っています。わたしはリッカー=ポルカに来た日のように眠れなくて、静かに布団から出ました。カーテンを少しだけめくって外を見ると、激しい雪。
裸足のまま音を立てないように手に靴を持ってドアに近づき、廊下へ出ました。靴を履いて。そして声をかけます。
「どこへ行くんですか。サルちゃん」
明かりが落とされた中でも、振り返った顔が微笑んでいるのがわかりました。
「だいじょうぶよっ、言っていいこととわるいことくらいはちゃんとわきまえてるわ! それにしても……そう。そうなのねえ」
「ものすっごく誤解です」
「だいじょうぶよっ! 愛があれば年の差なんて! わたしも主人とは十四歳差だったのよー!」
「ほんとそういうんじゃないので……」
理解していただけませんでした。はい。「でもね! 未婚のお嬢さんになにかあったら困るからねっ、こちらのお部屋にしましょうねっ」と、向かい側の大部屋になりました。はい。同室の方はコラリーさんと、まだコラリーさんのお家に逗留されている黒髪と白髪のマダムたち。赤髪マダムはご主人といっしょのお部屋。ノエミさんは他のお友だちと同じお部屋です。ちなみにレアさんはずっとスイートルームっぽいところをひとりで貸し切っています。女王なので。
修学旅行みたいな空気の中、腕自慢の女性たちはベリテさんのヘルプ要請に腕まくりをして厨房へと吸い込まれていきました。さっき食材を運ぶときも率先してみんな動いてくれたりして、ほんとお祭りみたいです。ちなみに蒸気バスのフロントに掲示した『ハルハル第一回リッカー=ポルカ杯参加者送迎車』という紙ですが、『参加者送迎車』の部分を切り落として会場になるであろう食堂の壁に貼られました。恥ずかしい。なんか自分の字掲げられるの恥ずかしい。
男性たちは名簿とにらめっこしながらトーナメント表を作成しています。あーでもないこーでもない。男女それぞれの大浴場へお湯を張るのに、お掃除しに行く人もいました。けっこうご高齢の方たちが多いんですけど。一致団結。リッカー=ポルカすごい。田舎パワーすごい。
「あー、吹雪いてきたわね。ベリテさーん、アシモフ玄関ホールに入れていいー?」
廊下で響いたレアさんの声に、わたしはすっと現実に引き戻されました。「いいわよお! あの子おりこうだしねえ!」「ありがとう、助かるわあ」「こちらこそよー」そのやり取りが、近いのに違う世界で響いているように聞こえます。窓の外は日がすっかり落ちています。そして、雪、雪、雪。
わたしは食堂の中を見回しました。姿をみつけてほっとすると、すっと首をこちらに向けてサルちゃんがわたしを見ました。窓際係長みたいな。没個性で、みんなに埋もれてしまいそうな空気感のままで。
「で……ソナコぉ? なにかわたしたちに相談したいことがあるんじゃなあいぃ?」
夕食はみんなでわいわいがやがや。みんな体の大きい小学校給食みたいな感じでした。わたしは汁物を配膳するお当番です。はい。サルちゃんには大きめのツミレみたいのを入れました。美味しいもの食べて満腹で眠れ! みんなが食べ終わってお膳が片付けられたあと、トーナメント表が食堂の壁に張り出されました。わたしは第二グループの二戦目。さくっと負けると思います。お風呂に入って歯を磨いて、お部屋に行ったら、にっこにこのコラリーさんとマダムふたりがいらっしゃって、そう言われました。
「ナニモナイデス」
「もうやだあ、てれちゃってえ!」
あのー。ベリテさーん。言っていいこととわるいことわきまえ……そもそも誤解で……脱力してわたしはベッドのひとつに沈みました。
ところで、この部屋にはベッドが四つありました。わたし、コラリーさん、白髪シューちゃんさん、黒髪アネちゃんさん。四つで合ってます。が。なんだかソファにもオフトゥンがあるのはなぜなんだぜ。
「来たわよおおおお! さあお話ししましょおおおおおお!」
……お仕事を終えたベリテさんがみえました。はい。
否定すればするだけみんなの士気が上がることに気づいたので、途中ですべてをあきらめて放棄しました。そのうち夜も更けたので、みんなでおやすみなさい。結論は「サルちゃんは働き者だし社会的地位がしっかりしていて性格もいい。あの年まで独身なのは謎だけど良物件。ソナコのかわいさなら落とせる、がんばれ応援している」ということになりました。はい。ちなみにわたしのことソノコって呼んでいたはずのベリテさんもいつの間にかソナコ呼びになっていました。はい。
わたしがサルちゃんを実行犯だと確信している理由をお話ししましょう。まず、彼はマディア公爵家騎士団の将軍職の人。問題なく領境基地に出入りできるのは先日の社会科見学で確認できました。そして、彼がふらっと外に出て咎める人もいないでしょう。おそらく実行犯だと疑う人も。だって、そんな事件を起こす理由がないから。
そしてマディア北東部事変の凶器は、マディア公爵家に仕える者のみが用いることのできる紋章が入った、片刃の小振りなもの。ナタの大きい版みたいな感じです。シミターとかいうやつかな。領境警備隊員が用いるものではなく、市場にもあまり出回らないものみたいです。グレⅡゲーム内でも扱いませんでしたね。一般人が紋章入りの特殊な剣を入手できるでしょうか。最初は偽装された紋なのではと思っていたのですが、考えてみたらその点はゲーム内で論争にならなかったのですよね。ので、本物だと確認されたのでしょう。そして刻印は柄の部分に入っていましたけど、コブクロさん他、携行されていたものをじろっじろ観察してきましたが、どこにもそれらしいものはありませんでした。ということはですよ。領境警備隊員が自前で特殊な武器を作ったとして、マディアの刻印をできるでしょうか。仕事で使うものですら刻印されていないのに?
なので仮定で申し訳ないのですけども、おそらくマディアに仕える者の紋は限られた人しか入れられない、もしくは使用を制限されているのでは、と考えました。将軍様なら、たぶん自由自在ですよね。きっと。将軍様だもん。
それに、マディア北東部事変は二人の犠牲者が出ています。おそらく奇襲とはいえ、訓練を受けた兵士が抵抗もできずに声もなく惨殺されるなんてことがありえるでしょうか。ましてや、一般の兵士にそんなことができるのか。複数人での犯行なら可能かもしれません。けれど、考えてもみてください。近いんです。現場は、領境基地から歩いてもわたしの足で六百歩弱くらいの場所から河を渡ったところなんです。複数人でそんなイレギュラーな行動をとって、見つからないわけがないじゃないですか。いくら吹雪いていたって。
将軍って、やっぱり強い人がなるんですかね。わかりません。サルちゃん、窓際係長みたいですけど。強いんでしょうか。わかりません。
まとめると、わたしの考えはこうです。
・マディア北東部事変実行犯は、おそらく単独でめっちゃ強い
・マディアの家臣紋を使用できる身分で、領境基地に出入りできる
・犯行を疑われることがない立場で、河や周辺地理も把握している人物
よって、そのわたしの見立てに当てはまるのは……サルちゃん。田舎によそ者が来たらすぐにわかるし目立ちます。それでなくても、ほとんどの人が避難している現状。他に、見当たらない。
わからないことがいくつかあります。そもそもなぜ、事件を起こしたのか。そして、凶器を残した理由も。そうです、動機の部分。わたしはサルちゃんがまるでわからない。
それぞれのベッドから寝息が立っています。わたしはリッカー=ポルカに来た日のように眠れなくて、静かに布団から出ました。カーテンを少しだけめくって外を見ると、激しい雪。
裸足のまま音を立てないように手に靴を持ってドアに近づき、廊下へ出ました。靴を履いて。そして声をかけます。
「どこへ行くんですか。サルちゃん」
明かりが落とされた中でも、振り返った顔が微笑んでいるのがわかりました。
1
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる