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王都ルミエラ編
49話 はるばる来たぜレテソル!
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どこで降りたのだか知らないですけど、あの男の人とはその後会いませんでした。でも朝昼晩とごはんを食べに行くと、やっぱりレアさんは目立つみたいで、車両の入り口付近で所在なさげにたたずんでいる男性はその後二名現れました。やっぱりわたしには話しかけやすいのか、ちょっとそんな素振りを見せられたりもしましたがガンスルー一択なのです。わたしは学びました。なんていうか美人てまじでたいへんですね。実感。こけしでよかった。かも?
アシモフたんも汽車に慣れてきて、もう元気いっぱいです。飽きもせずに窓の外を見て、しっぽをゆらゆらさせています。ときどき独り言を言っているのですが、風景の感想かなにかですかね。
窓を開けると、ルミエラよりもずっと暖かい風がぶはっと入ってきます。わたしが「ひゃー」と言うと、アシモフたんも「ぉーん」と低く鳴きました。――見えて来ました。レテソル。マディア公爵領、レテソルです!
ヤシの木ぃいいいいい‼ めっちゃヤシの木ぃいいいいいいいいいい‼
いえ、わたし本物のヤシの木見たことないんですけど。ここグレⅡ世界だからヤシの木ではないと思うんですけど。でもめっちゃそれっぽいのが街路樹なんですよ、ちょっとご覧になりました奥さん⁉ あちらすごくないです⁉ もう南国、ちょう南国ですわよ。これは冬でも野球できるわかる。レテソル最高ひゃっふー‼
すみませんテンションあがりました。気温高くて思わず。はい。でもハワイっぽくはないんですよ。なんか違うんですイメージが。たとえるならば地中海沿岸。っぽい。なんか食べ物にレモンソースかかってそう。なんかそんな感じ。
そしてね、人々がね! 半袖ハーフパンツでランニングしてるんですよ!!!! 信じられますか、わたしルミエラからコート着てきたし、レアさんなんか冬の女王で来たんだぞ⁉ わかるかこのカルチャーショック‼ アウスリゼ広すぎだろ‼ それなのに二日とちょっとで移動できちゃう機関車すてき。ビバ・蒸気機関車‼
暑ぃ……。なんで冬服の長袖着てるのわたし……。レアさんはさらっと春秋アンサンブルにサングラスなんですけど……。
タクシー的な蒸気自動車を雇いました。レアさんが選んでくださったコテージまで、それでびゅーんとひとっ飛びです。なんとオープンカーですのよ。暑い空気さえも切り裂いていい感じに涼しくしてくれます。あー、ずっと乗ってたい。
コテージっていうから、ログハウスみたいな高床の一階建てのかわいいお家を想像していたんです。すっごいわくわくして。そしたら、ルミエラのお家より一回り大きい三階建て一軒家の前に降ろされた園子の気持ちを140文字以内で答えよ。(配点10点)
現地の不動産会社の方が、めっちゃウェーイって感じで待っててくれました。なんか夜な夜な友だちが経営しているクラブに入り浸ってゲームとかして、「オレちょうオタクだよ? ワンピース全巻持ってるし」とか言ってそうな人です。偏見です。すみません。
鍵を受け取って、中の確認も一緒にするんですけど、やっぱりレアさんに近づこうとするのでわたしが間に挟まりました! レアさんはわたしが守る! するとアシモフたんがわたしの気持ちを理解してくれたのか、ウェイさんに「わん!」と吠えかかってちょと威嚇しました。えらいぞアシモフたん!
中、ひっろ‼ 天井もたっか‼ 外の感じは、街の他のお家と似たオレンジ色の三角屋根に黄色の壁でしたが、内装は真っ白でとてもきれい。壁とか爪でひっかいて傷つけそうでこわい。かなり古い中古住宅とのことですけど、リノベーションしたんでしょうか。めちゃくちゃすてきです。
一階は大きなテラスつきのリビンク! キッチン! すてき! バスルームの他、一階にあとふたつお部屋があって、わたしたちの私室は二階です。お手洗いはこの階にもあります。三階はルーフバルコニー付きの屋根裏部屋! さいっこうですねえええええええ‼
先に送った荷物はすでに運び込まれていて、その確認も済みました。レアさんが受け取りのサインをして、レテソルでの生活のはじまりです!
とりあえずベッドに大の字でごろっとしました。なんだかんだ疲れています。大移動ですから。そのままうとうとしていたら、アシモフたんが起こしにきました。寝かせてくれよボーイ。最終的に「ソノコー、起きてっ」というレアさんの声に揺り動かされ起きざるを得ませんでした。
「お散歩いくよっ! それにお買い物! 夕飯もお店予約してあるから!」
どこから出てくるのそのバイタリティ。やっぱり諜報員さんとは基礎体力が違うんですかね……。
アシモフたんも汽車に慣れてきて、もう元気いっぱいです。飽きもせずに窓の外を見て、しっぽをゆらゆらさせています。ときどき独り言を言っているのですが、風景の感想かなにかですかね。
窓を開けると、ルミエラよりもずっと暖かい風がぶはっと入ってきます。わたしが「ひゃー」と言うと、アシモフたんも「ぉーん」と低く鳴きました。――見えて来ました。レテソル。マディア公爵領、レテソルです!
ヤシの木ぃいいいいい‼ めっちゃヤシの木ぃいいいいいいいいいい‼
いえ、わたし本物のヤシの木見たことないんですけど。ここグレⅡ世界だからヤシの木ではないと思うんですけど。でもめっちゃそれっぽいのが街路樹なんですよ、ちょっとご覧になりました奥さん⁉ あちらすごくないです⁉ もう南国、ちょう南国ですわよ。これは冬でも野球できるわかる。レテソル最高ひゃっふー‼
すみませんテンションあがりました。気温高くて思わず。はい。でもハワイっぽくはないんですよ。なんか違うんですイメージが。たとえるならば地中海沿岸。っぽい。なんか食べ物にレモンソースかかってそう。なんかそんな感じ。
そしてね、人々がね! 半袖ハーフパンツでランニングしてるんですよ!!!! 信じられますか、わたしルミエラからコート着てきたし、レアさんなんか冬の女王で来たんだぞ⁉ わかるかこのカルチャーショック‼ アウスリゼ広すぎだろ‼ それなのに二日とちょっとで移動できちゃう機関車すてき。ビバ・蒸気機関車‼
暑ぃ……。なんで冬服の長袖着てるのわたし……。レアさんはさらっと春秋アンサンブルにサングラスなんですけど……。
タクシー的な蒸気自動車を雇いました。レアさんが選んでくださったコテージまで、それでびゅーんとひとっ飛びです。なんとオープンカーですのよ。暑い空気さえも切り裂いていい感じに涼しくしてくれます。あー、ずっと乗ってたい。
コテージっていうから、ログハウスみたいな高床の一階建てのかわいいお家を想像していたんです。すっごいわくわくして。そしたら、ルミエラのお家より一回り大きい三階建て一軒家の前に降ろされた園子の気持ちを140文字以内で答えよ。(配点10点)
現地の不動産会社の方が、めっちゃウェーイって感じで待っててくれました。なんか夜な夜な友だちが経営しているクラブに入り浸ってゲームとかして、「オレちょうオタクだよ? ワンピース全巻持ってるし」とか言ってそうな人です。偏見です。すみません。
鍵を受け取って、中の確認も一緒にするんですけど、やっぱりレアさんに近づこうとするのでわたしが間に挟まりました! レアさんはわたしが守る! するとアシモフたんがわたしの気持ちを理解してくれたのか、ウェイさんに「わん!」と吠えかかってちょと威嚇しました。えらいぞアシモフたん!
中、ひっろ‼ 天井もたっか‼ 外の感じは、街の他のお家と似たオレンジ色の三角屋根に黄色の壁でしたが、内装は真っ白でとてもきれい。壁とか爪でひっかいて傷つけそうでこわい。かなり古い中古住宅とのことですけど、リノベーションしたんでしょうか。めちゃくちゃすてきです。
一階は大きなテラスつきのリビンク! キッチン! すてき! バスルームの他、一階にあとふたつお部屋があって、わたしたちの私室は二階です。お手洗いはこの階にもあります。三階はルーフバルコニー付きの屋根裏部屋! さいっこうですねえええええええ‼
先に送った荷物はすでに運び込まれていて、その確認も済みました。レアさんが受け取りのサインをして、レテソルでの生活のはじまりです!
とりあえずベッドに大の字でごろっとしました。なんだかんだ疲れています。大移動ですから。そのままうとうとしていたら、アシモフたんが起こしにきました。寝かせてくれよボーイ。最終的に「ソノコー、起きてっ」というレアさんの声に揺り動かされ起きざるを得ませんでした。
「お散歩いくよっ! それにお買い物! 夕飯もお店予約してあるから!」
どこから出てくるのそのバイタリティ。やっぱり諜報員さんとは基礎体力が違うんですかね……。
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