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王都ルミエラ編
31話 お気に入りの服を着れば、いい日になると思ったんです
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アベルが舌打ちしました。「おい、ピエロだかオタクだかいうやつ。ソノコ置いていく、守れよ」と言うが早いが階段を一足で降りて消えました。
わたしは呆然としてしまって、とにかく階段を降りようとしてピエロさんに留められました。
「ソノコたん、落ち着いて。今は下に行かない方がいい」
「でも、トビくん。トビくんが……」
「大丈夫、近所に救急隊の詰め所がある。最新鋭の救急車があるんだ。すぐ病院に運んでもらえる」
ピエロさんの言葉通り、ほどなくすぐ近くでサイレンが聴こえました。日本のとは違う、防災訓練みたいな音。それが建物の真下まで来て止まります。ざわざわとした人の声が少しおさまって、ドアが閉められる音が大きく響きました。そして再びサイレンが鳴り、遠ざかって行きます。通り魔、という言葉が聴こえました。
「トビの家に連絡を――」
「――や今は妹しかいない時間だ」
「――なんで戻って来たんだトビは! 夕刊配達終わったら、直帰するはずだろう!」
あまりのショックで腰が抜けたのを、ピエロさんが支えてくれました。わたしだ。わたしが言った。また会えたら夕方にねって。わたしが言った。
思わず涙がこぼれてなにも言えないでいるわたしを、ピエロさんが部屋にあったつぎはぎだらけのソファへ座らせてくれました。入れてくれたお茶も口にする気になれなくて、ただずっとじっと両手でその温もりを感じて聞こえてくるあわただしい音に耳をすましていました。
「ソノコ。大丈夫か?」
今まで聞いたことのある中で、一番やさしいアベルの声が聴こえました。
ふと前を見たらアベルがわたしに目線を合わせてしゃがんでいました。
「家に帰ろう。今日はもう休もう」
「あのね、アベル、あのね」
喉がつまるように言葉がひっかかりました。わたしだ、わたしのせいだ。言いたいのに声にならなくて、何度も口を開けたり閉じたりしました。そのうちに呼吸が難しくなって、アベルがわたしからマグカップを取り上げて、ぎゅっとわたしの頭を抱きしめました。
「ゆっくり。ゆっくり息を吐くんだ。できるか?」
ゆっくり、ゆっくり、という声に合わせて息を吐いて、吸って。涙は止まらなくて、アベルの服を汚します。落ち着いてきてからもう一度マグカップを渡されました。
「飲め。一口でいいから」
言われたとおりにしたら、急に眠気がやってきました。「おやすみ」というアベルの声が遠くに聴こえました。
おはようございます。いつも通りの朝を迎えました。目覚めはすっきりしていて最悪の気分です。
服は仕事着のままでした。ネイビーのエプロンだけ外して。靴はベッドの横に揃えられていました。髪は解かれて、髪紐とリボンはテーブルの上にありました。アベルにお世話になりすぎだな、と思いました。
たぶん少しだけ早い時間だけれど、いつものルーティンを始めます。お手洗いに行って、お掃除して、戻って顔を洗ったら、下着を取り替えるために一度服を脱ぎました。着ていたシャツを洗濯かごに入れ、脱いだ下着はフタ付きの容れものへ。新しい下着を身に着けたら、タンスを開けて中をながめました。今日は暑いかな、肌寒いかな。半袖のブラウスにしました。なにか羽織りものを持っていこう。それに、気分を変えてお気に入りの緑地に黄色チェックが入ったジャンパースカート。
カーテンを開けました。まだ街灯の火がちらちらと燃えていました。窓を開けます。日の出が右手のずっと遠くに見えて、あちらが東なんだ、と眺めました。いや、違うかもしれない。季節によっても日の出の方角は微妙に違うはずだ。
「ソノコ」
そのままぼんやりしていたら、外から声がかかりました。道路へ視線を落としたら、目の前の街灯に寄り掛かるようにアベルが立っていました。いつも見上げる側なのに見上げられるとかレアな状況です。「おはよう。眠れたか?」と聞かれたので、「うん、ありがとう」と答えました。
「行っていいか?」
「なにそれ」
いまさら訪うのに是非を問うの、なんの冗談かと笑ってしまいました。うなずいたら十秒後くらいにはノックがありました。えー、初めてじゃん、アベルがノック! おもしろくて、笑いながら鍵を外して「いらっしゃいませ」とドアを開けました。
入ろうとしないので、「どうしたの?」と尋ねました。「トビ、命に別状はないそうだから」と教えてくれました。ちょっと泣きそうになりながら、「そっかぁ、よかった」とつぶやきました。
「お茶を沸かすよ。昨日、ヤニックさんに渡しそこねたお菓子、食べよう?」
そう言うとやっと入って来ました。
薪のコンロはまだ慣れなくて、高かったけどもわたしはアルコール燃料のポータブルコンロを使っています。やかんと呼ぶにはフォルムが四角く見える湯沸かしに水を入れて、燃料にオイルマッチで火をつけ、五徳に乗せます。沸き上がったら火を止めて、お手製のガーゼティーバッグで茶葉を入れて蒸らすだけ。
出がらしのお茶っ葉は、少し乾燥させてから床にばらまいて、掃いてお掃除するんです。そうするとよくほこりや汚れが取れるからって、ユーグさんが教えてくれました。ここの生活にも慣れて来ました。
お湯が沸く音だけが聴こえる、静かな朝でした。わたしは少し落ち込んでいて、いつアベルにありがとうって言おうかな、なんてことを考えていました。
もちろんお仕事は休みません。トビくんのところへすぐにでもお見舞いに行きたいけれど、昨日の今日だからまだドタバタしていてご迷惑になると思います。病院代、いくらかかるんでしょうか。わたし、出させてもらえるかな。バスに乗りながらそう考えていて、そういえば身分証がないと標準医療も受けられないことに思い当たりました。たまたまわたしはここに来てから、怪我も病気もなくいられたけれど。
アベルも着いてきています。かなり心配させてしまっているのは、口数が少ないことからもわかります。現場について、宝飾雑貨店のポーラさんにあいさつして、椅子を受け取り定位置に着きました。朝のこの時間はとても人通りが多いです。街路時計を確認して椅子に座り、どこから数え始めようかと目で追います。すると、アベルが突然後ろから抱きついてきました。邪魔なんですけど。
「……嫌かもしんねーけど。ちょっと我慢してくれ。ここに居ろよ」
そう右耳にささやいて来たかと思うと、ほっぺにちゅーされました。衆目の面前で。たぶん五秒くらい。わたしは全身硬直しました。
わたしが抗議する前にさっと立ち上がって、人波を縫うようにアベルはコブタ通りの真ん中を歩いて行きました。好奇の視線がいつも以上に突き刺さります。なにこれまじしんどい。後で殴るアベル。
すると、アベルが歩いていった先から悲鳴が上がりました。恐怖心から立ち上がり、わたしはカチカチを取り落としました。男性の諍う声が聞こえます。アベル、アベル! 血の気が引くとはこういうことなのでしょう。わたしは走って人だかりができた場所に行きます。男の人が口汚く罵る声が響きます。
怖くて、とても怖くて、わたしは人垣の外から「アベル? アベル?」と声をかけました。
「来んじゃねえ、あっち行ってろ!」
だれか、おまわりさん呼んできて! と叫ぶ声。そしてそれに応じて走り出す音。わたしが知人だとわかってくれたのか、人々がよけて道を譲ってくれました。
アベルが円の中心にいました。そして彼は見知らぬ男性の腕をひねり上げ組み敷いていて、そして少し離れた場所には……ナイフが落ちていました。
わたしは呆然としてしまって、とにかく階段を降りようとしてピエロさんに留められました。
「ソノコたん、落ち着いて。今は下に行かない方がいい」
「でも、トビくん。トビくんが……」
「大丈夫、近所に救急隊の詰め所がある。最新鋭の救急車があるんだ。すぐ病院に運んでもらえる」
ピエロさんの言葉通り、ほどなくすぐ近くでサイレンが聴こえました。日本のとは違う、防災訓練みたいな音。それが建物の真下まで来て止まります。ざわざわとした人の声が少しおさまって、ドアが閉められる音が大きく響きました。そして再びサイレンが鳴り、遠ざかって行きます。通り魔、という言葉が聴こえました。
「トビの家に連絡を――」
「――や今は妹しかいない時間だ」
「――なんで戻って来たんだトビは! 夕刊配達終わったら、直帰するはずだろう!」
あまりのショックで腰が抜けたのを、ピエロさんが支えてくれました。わたしだ。わたしが言った。また会えたら夕方にねって。わたしが言った。
思わず涙がこぼれてなにも言えないでいるわたしを、ピエロさんが部屋にあったつぎはぎだらけのソファへ座らせてくれました。入れてくれたお茶も口にする気になれなくて、ただずっとじっと両手でその温もりを感じて聞こえてくるあわただしい音に耳をすましていました。
「ソノコ。大丈夫か?」
今まで聞いたことのある中で、一番やさしいアベルの声が聴こえました。
ふと前を見たらアベルがわたしに目線を合わせてしゃがんでいました。
「家に帰ろう。今日はもう休もう」
「あのね、アベル、あのね」
喉がつまるように言葉がひっかかりました。わたしだ、わたしのせいだ。言いたいのに声にならなくて、何度も口を開けたり閉じたりしました。そのうちに呼吸が難しくなって、アベルがわたしからマグカップを取り上げて、ぎゅっとわたしの頭を抱きしめました。
「ゆっくり。ゆっくり息を吐くんだ。できるか?」
ゆっくり、ゆっくり、という声に合わせて息を吐いて、吸って。涙は止まらなくて、アベルの服を汚します。落ち着いてきてからもう一度マグカップを渡されました。
「飲め。一口でいいから」
言われたとおりにしたら、急に眠気がやってきました。「おやすみ」というアベルの声が遠くに聴こえました。
おはようございます。いつも通りの朝を迎えました。目覚めはすっきりしていて最悪の気分です。
服は仕事着のままでした。ネイビーのエプロンだけ外して。靴はベッドの横に揃えられていました。髪は解かれて、髪紐とリボンはテーブルの上にありました。アベルにお世話になりすぎだな、と思いました。
たぶん少しだけ早い時間だけれど、いつものルーティンを始めます。お手洗いに行って、お掃除して、戻って顔を洗ったら、下着を取り替えるために一度服を脱ぎました。着ていたシャツを洗濯かごに入れ、脱いだ下着はフタ付きの容れものへ。新しい下着を身に着けたら、タンスを開けて中をながめました。今日は暑いかな、肌寒いかな。半袖のブラウスにしました。なにか羽織りものを持っていこう。それに、気分を変えてお気に入りの緑地に黄色チェックが入ったジャンパースカート。
カーテンを開けました。まだ街灯の火がちらちらと燃えていました。窓を開けます。日の出が右手のずっと遠くに見えて、あちらが東なんだ、と眺めました。いや、違うかもしれない。季節によっても日の出の方角は微妙に違うはずだ。
「ソノコ」
そのままぼんやりしていたら、外から声がかかりました。道路へ視線を落としたら、目の前の街灯に寄り掛かるようにアベルが立っていました。いつも見上げる側なのに見上げられるとかレアな状況です。「おはよう。眠れたか?」と聞かれたので、「うん、ありがとう」と答えました。
「行っていいか?」
「なにそれ」
いまさら訪うのに是非を問うの、なんの冗談かと笑ってしまいました。うなずいたら十秒後くらいにはノックがありました。えー、初めてじゃん、アベルがノック! おもしろくて、笑いながら鍵を外して「いらっしゃいませ」とドアを開けました。
入ろうとしないので、「どうしたの?」と尋ねました。「トビ、命に別状はないそうだから」と教えてくれました。ちょっと泣きそうになりながら、「そっかぁ、よかった」とつぶやきました。
「お茶を沸かすよ。昨日、ヤニックさんに渡しそこねたお菓子、食べよう?」
そう言うとやっと入って来ました。
薪のコンロはまだ慣れなくて、高かったけどもわたしはアルコール燃料のポータブルコンロを使っています。やかんと呼ぶにはフォルムが四角く見える湯沸かしに水を入れて、燃料にオイルマッチで火をつけ、五徳に乗せます。沸き上がったら火を止めて、お手製のガーゼティーバッグで茶葉を入れて蒸らすだけ。
出がらしのお茶っ葉は、少し乾燥させてから床にばらまいて、掃いてお掃除するんです。そうするとよくほこりや汚れが取れるからって、ユーグさんが教えてくれました。ここの生活にも慣れて来ました。
お湯が沸く音だけが聴こえる、静かな朝でした。わたしは少し落ち込んでいて、いつアベルにありがとうって言おうかな、なんてことを考えていました。
もちろんお仕事は休みません。トビくんのところへすぐにでもお見舞いに行きたいけれど、昨日の今日だからまだドタバタしていてご迷惑になると思います。病院代、いくらかかるんでしょうか。わたし、出させてもらえるかな。バスに乗りながらそう考えていて、そういえば身分証がないと標準医療も受けられないことに思い当たりました。たまたまわたしはここに来てから、怪我も病気もなくいられたけれど。
アベルも着いてきています。かなり心配させてしまっているのは、口数が少ないことからもわかります。現場について、宝飾雑貨店のポーラさんにあいさつして、椅子を受け取り定位置に着きました。朝のこの時間はとても人通りが多いです。街路時計を確認して椅子に座り、どこから数え始めようかと目で追います。すると、アベルが突然後ろから抱きついてきました。邪魔なんですけど。
「……嫌かもしんねーけど。ちょっと我慢してくれ。ここに居ろよ」
そう右耳にささやいて来たかと思うと、ほっぺにちゅーされました。衆目の面前で。たぶん五秒くらい。わたしは全身硬直しました。
わたしが抗議する前にさっと立ち上がって、人波を縫うようにアベルはコブタ通りの真ん中を歩いて行きました。好奇の視線がいつも以上に突き刺さります。なにこれまじしんどい。後で殴るアベル。
すると、アベルが歩いていった先から悲鳴が上がりました。恐怖心から立ち上がり、わたしはカチカチを取り落としました。男性の諍う声が聞こえます。アベル、アベル! 血の気が引くとはこういうことなのでしょう。わたしは走って人だかりができた場所に行きます。男の人が口汚く罵る声が響きます。
怖くて、とても怖くて、わたしは人垣の外から「アベル? アベル?」と声をかけました。
「来んじゃねえ、あっち行ってろ!」
だれか、おまわりさん呼んできて! と叫ぶ声。そしてそれに応じて走り出す音。わたしが知人だとわかってくれたのか、人々がよけて道を譲ってくれました。
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