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16話 スライム座布団
しおりを挟む今回もダンジョン探索後の激しすぎる痛みにより気絶し、目覚めた。
こんなに毎回気絶してて大丈夫なのだろうか?
一度、人間ドックで調べてもらわないとな
とりあえず、よく寝て?気絶してスッキリした俺はスライム騎士がドロップしたスライム食感の座布団?を調べる事にする。
かなり楽しみだったんだよな
大きさは一般的な座布団
指で押した感触は、よく店で売ってる衝撃吸収ジェルクッションに似てる。
めっちゃぷにぷにだ。
色は水色で癒されるし、最高だな。
よし!一回、座ってみよう。
俺はスライム座布団(俺命名)に座ってみる。
「ーっふぁ……」
あっ…変な声が出た。
気持ち良すぎる……人生史上で一番だ。
金曜仕事終わりに入る温泉×10倍の気持ちよさだ。
更になんて言うだろう疲労感が吸い取られていくようだ。
さっきまで僅かに残っていた筋肉痛が治まっていく。
これは売れないな。
例え100万でも売れない。それくらいに最高だ。
スライム座布団!最高!
「はぁ~」
「気持ち~」
「天国ぅ」
……
……
……
……
ーーあっ!気を失っていた。
10分ほど昇天していたようだ。
次に魔石だな。
今回の収穫はスライムの魔石を前回分くらいとスライム騎士の少し大きめの魔石2個。
一体いくらになるか気になるな。
スライムの魔石分で最低でも70万以上はあるだろう
今日は早めに寝て、明日朝に早速換金センターに行くか。
****
翌朝、俺は換金センターに再び向かった。
前回同様大量である。
「えーと、昨日来られましたよね?」
換金センターのお姉さんの笑顔が引き攣っている。
確かに俺の中では、結構ぶりに感じるけどダンジョン外ではほとんど時間が経っていなかったな。
なんだが時間感覚がおかしくなるな。
「はい、かなり魔石を溜め込んでいまして……」
とりあえず適当な言い訳を返す
「そ、そうですか、そうですよね!一日でこの量は異常ですもん!しかも全てスライムだし、ってうん??2つだけ違う魔石がありますね。それも結構大きい」
そう言ってスライム騎士の魔石を鞄から取り出すお姉さん
「それは1階層のダンジョンボスの魔石ですよ」
「え!桜山さんって冒険者になったの今月ですよね!もうダンジョンボス倒されたのですか?しかも2個も」
口に手を当て驚くお姉さん。
可愛いな…
普段真面目な女性の驚く顔はギャップがあって好きだ。
「俺の入ったダンジョンは6等級ダンジョンの中でも最弱なダンジョンなんで俺みたいな初心者でもなんとか行けましたよ。」
正直、うちのダンジョン以外だったらボスは倒せなかっただろう。
最初は弱いダンジョンでガッカリした部分はあったけど、今となっては俺に最適な最高のダンジョンだと思っている。
「そうでしたか。それにしてもすごいと思いますが……とりあえず査定しますのでお待ちを」
さて、一体いくらになるのだろうか。
少しして査定が終わり、お姉さんが戻ってきた。
「今回もすごいですよ。合計で85万円です」
「マジか…」
圧巻だな…
これだけ稼げるならあの激痛も納得だよな
「私も驚きました。前回もですけどね。今回の収入はH級の平均年収に近いですよ。ちなみに内訳はスライムの魔石が75万円、2つのダンジョンボスの魔石が合計10万円になります。」
「2つで10万円ですか!」
めっちゃ高いじゃん。
一つ数百円のスライムの魔石と全然違う。
これはスライム騎士倒しまくるの決定だな。
「はい、10万円です。1階層のダンジョンボスとしては破格の値段ですよ。6等級ダンジョンの1階層ボスの相場としては5000円くらいですが、桜山さんのお待ち頂いた魔石は、希少性が高いと判断し、この価格になりました。」
実際は5000円
それが5万円。10倍とは幸運だ。
スライム騎士……俺が勝手につけた名前だけど人型のスライムなんて聞いたことないもんな
「ありがとうございます。また倒したら持ってきます。」
「はい、安全第一で頑張ってください」
あぁ、嬉しい……嬉しさが滲む。
頑張れなんて言われたの何年振りだろうか
仕事の時は基本的に指摘ばっかりだったし、だから素直に嬉しいな。
「ありがとうございます」
「最後に一つご連絡があります。桜山さんは今回の売却で100万円を超えましたので、通常会員からシルバー会員になりました。」
「シルバー会員、ですか?」
なんかクレジットカードみたいだな
「シルバー会員の特典としては、売却額の3%割増。加えて簡易査定ができるようになります。簡易査定とは店舗裏口にある売却BOXに売りたいアイテムを入れるだけで、自動で査定され売却するシルバー会員以上が利用できるサービスです。売却額はお客様の冒険者ライセンスに直接振り込まれるので待ち時間や毎回店内に持ってくる手間が無いのが売りです。他にも特典があり、詳細はこちらの説明書に記載してます。」
「ありがとうございます。」
そう言って出された結構分厚めな説明書を受け取る。
タイトルは【シルバー会員の特典について】
パラパラと読んでみるが、結構内容が濃そうだ。
これは多分読まずに本棚に眠るやつだな
今のうちに簡易査定については少しだけ読んでみる事にする。
冒険者ライセンスで開ける事のできるBOXに売却するアイテムを入れるだけで、通帳に金が入るわけか。
お姉さんの顔を見えないのはマイナスだけど、めっちゃ便利だ。
「何か不明な点はございますか?」
「そうですね~、大体はこの本に書いてそうなんで大丈夫そうです!ちなみに普通に受付にも来てもいいんですか?」
これは重要だ。
たまに人との交流、お姉さんとの交流がないと人との接点が0になるからな。
「大丈夫ですよ。いつでも歓迎です」
笑顔を受けべるお姉さん。
この太陽のような笑顔のファンは多いだろうな。
「ありがとうございます。では、たまには受付も利用させてもらいます。」
その後、俺は冒険者ライセンスに今回の売却額85万円を振り込んでもらい、店を後にした。
さて回復薬もまだあるし、後は昼飯の惣菜でも買って帰るとしよう。
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