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26.冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

難しい展開

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先に進んだ僕たちは、騎士たちをおいていけないと思いゆっくりと進んだ。

ダイチたちとファンフートも小声で何かを話ながらついてきた。

ダイチたちはあまり地球に執着していなかったから良いが、それでも召喚したファンフートは悪いことをしたと思っているのだろう。
固い表情でダイチたちに頭を下げている姿もあった。

ファンフートは噂とは違い、やはり思慮深い。

そんなやり取りを感じながらも進み、とうとう魔王がいると言う階層まで到着した。

同じ頃にダンジョンコアから聞いたのだが、元教育係も戻ってきて、この階層にいるようだ。

僕たちはダンジョンコアから魔王の居場所を聞き進んでいるから間違わないが、元教育係は到達できるかな?

いっそのこと一緒に行くのも良いかもしれないな。

そう考えたらダンジョンコアについお願いしてしまった。ここに元教育係をつれてこれないかと。

ダンジョンコアは「お安いご用さ!」と言った次の瞬間には目の前に元教育係がいた。

相変わらずの農夫姿の元教育係は唖然としていた。

そして僕たちと目があった。
回りにいた他の者も僕たちを見た。

「やあ、僕たちはこれから魔王に会いに行くけど一緒に行く?」
回りは無視だ。
このあとのことも今は考えない。

・・・・
・・・・

「一緒に行かせてくれ。」

元教育係はそう返事をした。

「じゃあ名前は何て言うの? 一緒に行くのに呼び方がわからないと不便だから。」

「私はアンクルートと言う。魔王にもそう呼ばれていた。」

「そう、じゃあ行こうか。」

僕たちは無言でダンジョンコアに導かれる方向に向かった。
誰もダンジョンコアをダンジョンコアとは思っていないだろうが、不思議な生き物を見ている視線がある。

・・・・
・・・・

複雑な道を進み、絶対にこの道順では進まないだろう方向へ進んでいく。

しばらく歩くと小さな扉が目に入った。

「ここにいるよ!」

とダンジョンコアが言うとアンクルートは真っ先に扉を開けた。
その瞬間魔法が飛んできた・・・、ということもなく、目の前には三つの人影があった。

全て人形で、若い女、中年の男、中年の女だった。

アンクルートは若い女に向かい話し出した。

「魔王、今からでも遅くはない。ウーニンの言うことは魔物の都合だけ強く主張している。」

「うるさいねアンクルート。魔王様はこの世を統べるの。魔物の世界にするのよこの世を。」

・・・

「だが、魔物の世界になってどうする? 魔王様はそんな世界で楽しく過ごせるのか? ダンジョンでの生活はどうだった? 不便では無かったのか?」

「不便にするわけないじゃない。私たちが手厚くお世話をして、快適だったはずよ。」

・・・・

その会話に若い女も入ってきた。
おそらく魔王。

「妾は嫌じゃ。もうこんな生活はしとうない。はよう文明的な所に連れていって遅れなのじゃ・・・・、とめんどいわね! こんなところ嫌よ! 私は魔王よ! 魔王無双もしないで何でこんなところにいなくちゃいけないのよ! 私は神様に楽しく生きなさいって言われたのに、気づいたらこんなところにいなきゃいけないし! 外では狙われてるって言うし! きーー!」


おう、魔王の都合か・・・


「やっと話ができそうな人間が来たのに何よ! すでに敵対されてるじゃない! 私に勝つ気! 私は魔王よ! 何でもできるのよ! こんなところを出て、無双よ無双!」


「魔王、ウーニンの教育の成果がそんなものだったか。ウーニン、私は言っていたよな。魔王の育ち具合ではこの世界にも適応出来たと言ったろ?」


「知らないわよ! 魔王はこの世の敵でしょ。神様は何も言わなくなったけど、これでいいのよ。」


「その結果がこんな中途半端なのか・・・。」


「中途半端って何よ! ここでも私をのけ者にするの! あっちでも誰も私のことはわかってくれないし、こっちでもこんな私を使って何かをしようとするし! 私は何? 楽しい異世界転移はないの! 性別まで変わったのに!」


おーう、性別まで変わることができたのか・・。

だが魔王のその言葉のあとは殺気が充満してきた。

かわいそうな展開かもしれないがどうする?
説得も無理な様子もあるし・・・。

目の前では魔王を含み魔王の部下とアンクルートが言い合いをしている。

僕たちも念話で相談した。
僕とサクラは魔王は僕たちの元いた世界の人だろうから、僕たちと勇者が始末をつける。

勇者はダイチたちがいるから任せ、僕たちはフォローかな。

ついでに魔王の部下の攻撃がダイチたちに届かないように守っておこう。

「さあファンフート様! 僕たちが守りを固めるから、安心して魔王に挑んで!」

「「「えーーー?」」」


・・・・
・・・・

「ここで振ってくるのかラウール・・・・。俺たちは一応勇者だが、いいのか? ファンフート様どうする?」

「急なことだが、今までの展開で我々に判断を任せるとは。適当なのか気まぐれなのか・・・。だが、私たちは歴史でも魔王には苦しめられている。だからダイチ! ヒミカ! グンジョウ! 頼む、魔王を倒してくれ!」

ファンフートのその言葉に魔王も反応し攻撃を始めた。

魔王の部下とアンクルートの戦いも始まった。
アンクルートは一度負けているようだが大丈夫か?

激しくなりそうな戦いをラウールは補助をしながら眺めていた。
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