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24.ラシーア帝国の貴族

ダイヤ伯爵パーティー

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オーノー商会の依頼を受けた後は平和な時間を過ごしていた。
ここでは日常から騎士団と冒険者の役割も上手く分担していて、魔物の被害も少なかった。

時々荷物運び情報ギルドに顔を出しながら穏やかな生活を満喫し、サクラも珍しく料理を振る舞ってくれていた。

昼食後に僕たちは荷物運び情報ギルドに顔を出した。
商人の身分で旅をしているが、商人ギルドには顔を出していない。

今日も荷物運び情報ギルドで依頼票を見て冷やかして帰ろうかと思ったが、気になる依頼があった。

【後方支援をお願いしたい。ランクは問わないが身を守ることが出来る戦闘力も伴った者。】

そういったものだった。

他のみんなに確認しても、依頼を受けても受けなくてもどっちでもいいと言われ、僕は受付さんに詳しい内容を確認した。

受付さんの話では、ダイヤ伯爵が稀にギルドに依頼をするようで、冒険者と合同の依頼になる。ダイヤ伯爵も参加しギルド員の力量を上げるものらしい。

「サクラ? サクラはダイヤ伯爵と会ってみたい? 僕はちょっと興味があるけど。」

「私も興味はあるんだけどね~。まるで物語の主人公みたいな活躍だしね。ただ、私の見た目で色々ばれちゃうかと思ってね~。」

「そこなんだよね~。普段はそんなに顔ばれしないようにしてるけど、おそらくチートっぽいからばれると思うんだよね。」

「そこよね。素性を隠していても主人公補正で正体が暴かれる、なんて。悪い人ではないと思うけど。私が転移者ってわかるかな?」

「我は見てみたいよ! ラウールとサクラ以外の元日本人を!」

「俺もそう言われると興味が出てきたぜ! ラウールやサクラよりすごいのか? 勇者じゃないんだろ!」

「私も興味がわきました。主人公補正とは聞いたことも見たこともありませんから。」

そんな返事をされ僕たちは更に迷った。

ま~ばれてもどうにでもなるだろうけど、面倒な展開は嫌だ。

興味か面倒か・・・。

そう迷っていると、サクラが「やってみたあとで考えようか。」
と言い出し、やる前に迷ってもしょうがないと依頼を受けてみることにした。

依頼を受けたいことを受付さんに伝えると、特に質問もなく、集合時間を教えてくれた。
準備するものは自分で考えて持っていくこととだけ説明があった。

依頼票は昨日と今日だけ掲示されていて、出発が二日後。集合は門を出てすぐの所と言われた。

~~~~~

準備を終えて二日後、僕たちは偽装ゴーレム馬車に乗り、集合場所に到着した。
集合場所には看板を持った騎士が待っており、依頼を受けたギルド員の証明をした。

それから少し時間が立つと冒険者や荷物運び情報ギルド員、最後に騎士が到着した。

騎士が守る馬車は質素だがしっかりとした作りで、紋章は八咫烏を中心に右下に稲が描かれていた・・・。

確認しなかった僕のミスだが、クロウ・・・。

・・・・
・・・・

その馬車から一人の男と四人の女が降りてきた。
男はダイヤ伯爵だろう。黒髪長髪、細マッチョな超イケメンだった。高ランクの魔物素材の服を着ている。

回りにいる女も豪華だった。
人族、エルフ、獣人、ドワーフ。
見た目も美しく、獣人は白い兎だ。
ダイヤ伯爵と一緒で、高ランクの魔物素材の服を着ている。

まだいると言う話だが、ハーレム状態だ。

このハーレム状態のままダイヤ伯爵は口を開いた。

「今日はよろしく頼むね。僕がつかんだ情報で、ある程度強い魔物がいるみたいだから。俺も戦うけど、君たちも戦って強くなってね。きちんと危なくなったら助けるよ!」

「「「「おー!!」」」」

僕たち以外の人が盛り上がっている。
人気もあるね。

「倒した魔物は全て自分達の物にしてもいいからね! 今日集まってくれた冒険者十人、荷物運び情報ギルド員十人、僕たちと僕の騎士十人で頑張ろう!」

「「「うおー!!」」」

ん~、この人数は多いのか少ないのか?

ダイヤ伯爵は馬車に乗り込んだ。
後の説明は騎士が引き継いだ。

先頭に伯爵、中央に荷物運び情報ギルド員、後方に騎士が付き、左右に冒険者の並びで進む。
目的地は整備された街道をそれ、南に二時間程度進んだ所になる。
その周辺にボアなど動物型の魔物が増え、上位種がまとめている集団が確認されている。

この集団を討伐することが目的になる。

その説明を受け、ダイヤ伯爵を先頭に進み始めた。

~~~~~

行進は順調で、途中に少しだけ現れた魔物もダイヤ伯爵の魔法で倒されている。

「ダイヤ伯爵はやるね。僕たちと違って、魔法主体かな? それとも今は魔法だけ使ってるのかな?」

「ダイヤ伯爵はそのような雰囲気ですね。そしてエルフはただのエルフですね。魔法と弓を使っていますね。」

「俺はあの兎の獣人が大剣を使っているのが見えたぜ!」

「我も見えたよ! ドワーフが盾で攻撃を防いでいるのが!」

「私も! 私はあの人が短剣の二刀流と推理したわよ!」

みんな張り合ってるけど、サクラは違う!

「パーティーのバランスはとれているね。だけど、ここも伯爵以外の冒険者とかが戦ったら経験になるんじゃあないのかな? 何か深い考えでもあるのかな?」

「私はただ暇なだけと推理するわ!」

「「我も(俺も!)!」」

暇なだけって・・・。

意外にそうかな?

そんな会話をしながら、僕たちの集団は目的地周辺に到着した。
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