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15.誕生日と予定外
港と船
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港までの2日間、ラウールとサクラはたわいもない話をしながら過ごしていた。
2人は外の景色を見ながら話している。
「ラウールは初め帝国に行こうかって言ってたから、てっきり帝国に行くのかと思ってた。」
「僕もそう思ってたんだけど、やっぱり従魔について色々とわかってくると、どうにか手に入らなかと考えちゃって。」
「そんなに従魔が欲しいの?」
「そんなに欲しいんだよ! もともと猫が好きだったから、猫が飼いたかったんだけど、この世界の猫は一緒に冒険できないでしょ。」
「そうだね、さすがに一緒に行動しても、どこかに行っちゃうしね。」
小声で
「異世界って言うと、スライムとか狼とか、従魔を持つのって普通でしょ。僕も欲しかったし。だけど今までいなかったでしょ? それで今回詳しい情報を集めると、サザに行けば何とかなりそうな感じじゃないか。」
普通の声に戻してラウールは
「だから僕は従魔として傍にいてほしいんだ。一緒に旅をしたいんだ。・・・・そうか!やっぱり僕は、早い移動でなくて、一緒に旅する魔物が欲しいだけだ!」
「なんとなくそう思ってたよ。ラウールはもともと旅の移動を急ごうともしていなかったし。私もそんなに急ぐ気がないしね。」
「そうそう。移動を早くしたいなら、走ればいいだけだしね!」
「それは嫌よ・・・。」
何事もなく、港との中間の町に到着し、宿に宿泊した。
そして次の日、移動を再開した。
馬車に揺られながらサクラが話し出した。
「ラウール? やっぱりロマンはやめられないよね?」
「いきなりだねサクラ・・・。」
「私は今のところロマンは大鎌だけ。だから、今の大鎌よりもロマンに近い大鎌があったら買ってもいい?」
「もちろんだよサクラ。僕もサクラの大鎌探しをしてもいいんじゃないかって思ってたから。なんなら、一から作ってもいいんじゃない!?」
「そ~う?そしたら、まずは探すけど、いい物がないなら、作ってもいい?」
「うん! 一緒に探そう!」
~~~~~~~
2日かけて、港に着いた。
今は夕方、ラウール達は船の乗船券を買うために、乗船券売り場に来ていた。
乗船券売り場では、ちょうど明日の昼出発の乗船券を購入することが出来た。
無事に乗船券を購入したラウール達は、宿をとり、休んだ。
次の日は朝食をとり、すぐに港に向かった。
港には交易都市サザの情報を教えてくれるところがあった。
さっそく情報を聞き、まとめてみた。
今まで知った情報以外では、治安は普通のようで、街は危険が少ないようだ。外は魔物はいる。時々高ランクの魔物も出現するようだ。ダンジョンも存在している。今まで知らなかったが、ダンジョンは主にテザン皇国、ラシーア帝国、交易都市サザにあるようだ。サーシン王国とフイエウ共和国には、ほとんどないようだが、発見されていない可能性もある。
ジパンと言う島国の間にも航路を持っているという事だ。聞いた印象では、日本みたいな感じか?
従魔についての情報も聞けた。やはり孵化させることも難しく、孵化させようとするものの魔力が関係するようだ。そして、不思議なことに、同じところで手に入れた卵でも、誕生した魔物は違う種類になるようだ。
その卵は高価で、一般ではなかなか手に入らない。従魔とする以外にも、貴重な薬の材料になるようだ。だからこそ他の国には流れにくく、従魔がほとんどいない理由だそうだ。
~~~~~~~
説明を受け、お昼になるころに、船に乗り込んだ。
船の中は個室から多人数部屋、雑魚寝スペースと値段によって違い、ラウールとサクラはそれぞれ個室をとっている。食事は各自で用意してもいいし、お金を払うと準備もしてくれるようだ。ただし、載せることのできる荷物が限られており、贅沢なものはない。
ラウールとサクラは甲板にいた。
この世界での初めての船旅である。
サクラに限っては、前世も含めて初めてだった。
「ラウール! すごいね! 海の上を進んでるよ!
そう言ってサクラは髪の乱れを直している。
「そうだねサクラ。風と魔道具でこんなに早く進むんだね! 前世と同じくらい速いよ!」
なんだかんだとラウールも感動していた。
「ほとんど揺れないし、船酔いするかと思ってたけど、これだと大丈夫そうよ!」
「僕も船酔いは覚悟してたんだけど、揺れはこっちの世界の方がないよ。何かが違うんだろうね!?」
そう言っているラウールとサクラに、マッチョな男が近づいてきた。
「おい! いい女を連れてるじゃね~か!」
そう近づいてきた男にラウールは警戒した。
「おい! 俺たちと一緒に飲まねーか!?」
さらに近づいてきた男は、ラウールにも声をかけた。
「???」
ラウールはちょっとよくわからなかった。
「おい! 男の方! 警戒しなくていいぞ! ただ飲まないか誘っただけだ。船の上でトラブルなんて起こせば、海に落とされるぜ! 船長に!」
ラウールはびっくりしたが、警戒を解き聞いてみた。
「そうなの? 海に落とされる? 」
「海に落とすは言いすぎたが、何かあった時には、この船に乗っているやつらで協力しなきゃならね~! それなのにトラブルなんておこしゃ~、自分の命を危険にしてるも一緒よ! 稀に大型の魔物が出るからな! はっは~!」
「そうなんだね。初めて船に乗ったからわからなかったよ。ありがとう。だけど僕とサクラはまだお酒を飲まないから遠慮しとくよ。」
「そうか! 残念だな! 俺は船で知らないやつの話を聞きながら飲むのが好きなんだがな! 悪かったな邪魔をして!」
そう言ってマッチョな男は戻っていった。
いい人だった。
つい警戒してしまったが、さっぱりしたいい男だった。
そして船の上でのルール、トラブルを起こせば自分の身が危険になる。
今後も船に乗ることがあるから覚えておく。
そうサクラとも話をして、部屋に戻るのだった。
2人は外の景色を見ながら話している。
「ラウールは初め帝国に行こうかって言ってたから、てっきり帝国に行くのかと思ってた。」
「僕もそう思ってたんだけど、やっぱり従魔について色々とわかってくると、どうにか手に入らなかと考えちゃって。」
「そんなに従魔が欲しいの?」
「そんなに欲しいんだよ! もともと猫が好きだったから、猫が飼いたかったんだけど、この世界の猫は一緒に冒険できないでしょ。」
「そうだね、さすがに一緒に行動しても、どこかに行っちゃうしね。」
小声で
「異世界って言うと、スライムとか狼とか、従魔を持つのって普通でしょ。僕も欲しかったし。だけど今までいなかったでしょ? それで今回詳しい情報を集めると、サザに行けば何とかなりそうな感じじゃないか。」
普通の声に戻してラウールは
「だから僕は従魔として傍にいてほしいんだ。一緒に旅をしたいんだ。・・・・そうか!やっぱり僕は、早い移動でなくて、一緒に旅する魔物が欲しいだけだ!」
「なんとなくそう思ってたよ。ラウールはもともと旅の移動を急ごうともしていなかったし。私もそんなに急ぐ気がないしね。」
「そうそう。移動を早くしたいなら、走ればいいだけだしね!」
「それは嫌よ・・・。」
何事もなく、港との中間の町に到着し、宿に宿泊した。
そして次の日、移動を再開した。
馬車に揺られながらサクラが話し出した。
「ラウール? やっぱりロマンはやめられないよね?」
「いきなりだねサクラ・・・。」
「私は今のところロマンは大鎌だけ。だから、今の大鎌よりもロマンに近い大鎌があったら買ってもいい?」
「もちろんだよサクラ。僕もサクラの大鎌探しをしてもいいんじゃないかって思ってたから。なんなら、一から作ってもいいんじゃない!?」
「そ~う?そしたら、まずは探すけど、いい物がないなら、作ってもいい?」
「うん! 一緒に探そう!」
~~~~~~~
2日かけて、港に着いた。
今は夕方、ラウール達は船の乗船券を買うために、乗船券売り場に来ていた。
乗船券売り場では、ちょうど明日の昼出発の乗船券を購入することが出来た。
無事に乗船券を購入したラウール達は、宿をとり、休んだ。
次の日は朝食をとり、すぐに港に向かった。
港には交易都市サザの情報を教えてくれるところがあった。
さっそく情報を聞き、まとめてみた。
今まで知った情報以外では、治安は普通のようで、街は危険が少ないようだ。外は魔物はいる。時々高ランクの魔物も出現するようだ。ダンジョンも存在している。今まで知らなかったが、ダンジョンは主にテザン皇国、ラシーア帝国、交易都市サザにあるようだ。サーシン王国とフイエウ共和国には、ほとんどないようだが、発見されていない可能性もある。
ジパンと言う島国の間にも航路を持っているという事だ。聞いた印象では、日本みたいな感じか?
従魔についての情報も聞けた。やはり孵化させることも難しく、孵化させようとするものの魔力が関係するようだ。そして、不思議なことに、同じところで手に入れた卵でも、誕生した魔物は違う種類になるようだ。
その卵は高価で、一般ではなかなか手に入らない。従魔とする以外にも、貴重な薬の材料になるようだ。だからこそ他の国には流れにくく、従魔がほとんどいない理由だそうだ。
~~~~~~~
説明を受け、お昼になるころに、船に乗り込んだ。
船の中は個室から多人数部屋、雑魚寝スペースと値段によって違い、ラウールとサクラはそれぞれ個室をとっている。食事は各自で用意してもいいし、お金を払うと準備もしてくれるようだ。ただし、載せることのできる荷物が限られており、贅沢なものはない。
ラウールとサクラは甲板にいた。
この世界での初めての船旅である。
サクラに限っては、前世も含めて初めてだった。
「ラウール! すごいね! 海の上を進んでるよ!
そう言ってサクラは髪の乱れを直している。
「そうだねサクラ。風と魔道具でこんなに早く進むんだね! 前世と同じくらい速いよ!」
なんだかんだとラウールも感動していた。
「ほとんど揺れないし、船酔いするかと思ってたけど、これだと大丈夫そうよ!」
「僕も船酔いは覚悟してたんだけど、揺れはこっちの世界の方がないよ。何かが違うんだろうね!?」
そう言っているラウールとサクラに、マッチョな男が近づいてきた。
「おい! いい女を連れてるじゃね~か!」
そう近づいてきた男にラウールは警戒した。
「おい! 俺たちと一緒に飲まねーか!?」
さらに近づいてきた男は、ラウールにも声をかけた。
「???」
ラウールはちょっとよくわからなかった。
「おい! 男の方! 警戒しなくていいぞ! ただ飲まないか誘っただけだ。船の上でトラブルなんて起こせば、海に落とされるぜ! 船長に!」
ラウールはびっくりしたが、警戒を解き聞いてみた。
「そうなの? 海に落とされる? 」
「海に落とすは言いすぎたが、何かあった時には、この船に乗っているやつらで協力しなきゃならね~! それなのにトラブルなんておこしゃ~、自分の命を危険にしてるも一緒よ! 稀に大型の魔物が出るからな! はっは~!」
「そうなんだね。初めて船に乗ったからわからなかったよ。ありがとう。だけど僕とサクラはまだお酒を飲まないから遠慮しとくよ。」
「そうか! 残念だな! 俺は船で知らないやつの話を聞きながら飲むのが好きなんだがな! 悪かったな邪魔をして!」
そう言ってマッチョな男は戻っていった。
いい人だった。
つい警戒してしまったが、さっぱりしたいい男だった。
そして船の上でのルール、トラブルを起こせば自分の身が危険になる。
今後も船に乗ることがあるから覚えておく。
そうサクラとも話をして、部屋に戻るのだった。
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