7 / 238
3.成長した
あれからとんで
しおりを挟む
僕は8歳になった。8歳は冒険者として登録できる年だ。
転生したと思えてから親に捨てられ、なんだかんだとあっという間にこの年まで成長していた。
あれから僕たち家族は北に移動した。ここまで移動する間に僕が得た知識によると、この世界はいくつか国があり、現在の僕たちはサーシン王国に滞在している。
そのサーシン王国の街の中でも重要な都市、王都と呼ぶのが適切なのだろうが、首都サーシンに拠点を移し生活していた。
首都なのに国の中心地にあるわけではなく、北の海に近い位置にできた街。
予想だが、敵国に攻め込まれた時に一気に攻め込まれないようにしたと勝手に思っている。
僕をここまで育ててくれた両親の職業は冒険者だ。
安定して収入を得る職業ではないが、旅をしたり拠点を移しても稼ぐ方法がある。
冒険者にもランクがあるが、Cランクの冒険者夫婦の収入は十分で、僕の生活もまったく困窮した記憶もなく、すくすくと成長できたと感じている。
~~~~~~~~~~~~
僕は考えたり感じたり、動くことが出来るようになったりする節目節目で鍛えていた。
初めは自主トレだけだったが、ある程度自由自在に動けるようになってからは両親にも鍛えてもらっている。
もちろん体が動かない時に魔力を動かす練習もしたし、魔力が増えることを祈りながら一日で多くの魔力を消費した。
自分で魔力を消費しながら周囲の魔素に干渉する技術も得て、省エネで魔法を唱えることが出来ている。
詠唱だって初めは恥ずかしながらも口にした。
『我が魔力よ集まりてこの世界の魔素を操れ 僕の魔力はこの世界のため この世界の魔素は僕が掌握する 熱よ放出しろ 火の玉』
なんて一度口にして二度と口にしなくてもいいように無詠唱を覚えた。
魔法名は口にするが、詠唱は出来る限りしないことに決めている。
そんな決意を心に秘めながら今日も母様と特訓をしていた。
「ラウール!今日こそは負けないわよ!」
母であるララがメイスを構えながら向かってくる。
その勢いは流石のCランク冒険者で、いつまでも若々しい女神のような母様が笑顔で攻撃してくる。
メイスを振るその姿は微笑みの女神と言って良いだろう。
小さな子供にメイスを振るっていることを除けば...。
その攻撃に僕は魔法で対抗する。
まだ力に力で向かって勝っても不自然だからだ。
「母様! 僕も負けないよ! 炎の槍!」
走っている母ララに勢いよく炎の槍が迫るが、母様も負けてはいない。
母ララは走っている勢いを殺さずに目の前に防御結界を展開する。
『私を守って魔法の盾 結界!』
そして僕との距離を一気に埋めて来る。
しかし今の僕はそれでも攻撃の手を緩めない。
ただ、母様にけがをさせる気もない。
「負けませんよ! 聖なる槍...。岩の盾! 氷の雨! 最後に母様大丈夫? 傷よ治れ 回復!!!」
締めの魔法は母様についた傷を治すものだ。
流石の母様も攻撃を止めた。
「はあ、はあ、ふう~。」
服が汚れることも気にせず、地面に母様が横たわる。
~~~~~~~~~~~~
「今日も負けたわ・・。もう私が教えることはないようね、成長したわねラウール。」
体を起こし母様が遠い目をして話しかけてくる。
その隣から父様も声をかけて来る。
「もう俺たちではラウールに勝てなくなったな。流石は自慢の息子だよお前は。だがもうしばらくは俺たちと一緒に冒険者としてやってこう。しかし信頼できる人が出来たら、その人と一緒に冒険者活動をすることは俺たちは止めないから遠慮なく話してくれ。冒険者だけではない。他にもやりたいことがある場合は遠慮なく言ってくるんだぞ。」
父様はそう言って笑いかけ、母様も隣で微笑んでいる。
「わかってるよ父様! これからもしばらくはよろしく! 今は家族で冒険者でも楽しいですよ! 僕は父様と母様に憧れているから、今は冒険者にあることしか考えていないよ!」
僕も両親に笑顔を向ける。
「そう言ってもらえると父としてもありがたいよ。あっという間に強さは俺達を超えてしまったんだから。あとは経験を重ねたら、俺たち以上の冒険者になれるぞ。」
父様は遠い目をして話をしてくる。これまでいろいろなことがあったけど、僕たち家族は本当の家族になっている。父様、母様と呼び方は他人のようだが、僕達はこの呼び方が家族のあかしと思っている。本当の自分を出したときに自然に出た言葉だったから・・・・。いずれ語ることもあるかもしれないから、この話はいずれ・・・・。
僕たちはこれからもしばらく一緒に過ごしていく。
やるべきことが出来るまで・・・・・・。
そんなことを考えながら僕の今のステータスを確認した。
ステータス
名前:ラウール
職業:子供
LV:22
HP:68
MP:231
体:66
心:311
運:90
ユニークスキル:すくすく育つ・看る
スキル:解析・武の心・魔の心・アイテムボックスX・全魔法適性・魔素操作・詠唱破棄・鈍器適性
加護:???神の加護
称号:地球人・心は中年・???神が見てる人・両親への信頼・両親からの信愛
魔力を上手く使っているから、体の強さも増すことが出来ている。
数値以上に体の強さも並みの大人ではかなわない状態だ。
魔力が強いのは予想以上にチートだった。
転生したと思えてから親に捨てられ、なんだかんだとあっという間にこの年まで成長していた。
あれから僕たち家族は北に移動した。ここまで移動する間に僕が得た知識によると、この世界はいくつか国があり、現在の僕たちはサーシン王国に滞在している。
そのサーシン王国の街の中でも重要な都市、王都と呼ぶのが適切なのだろうが、首都サーシンに拠点を移し生活していた。
首都なのに国の中心地にあるわけではなく、北の海に近い位置にできた街。
予想だが、敵国に攻め込まれた時に一気に攻め込まれないようにしたと勝手に思っている。
僕をここまで育ててくれた両親の職業は冒険者だ。
安定して収入を得る職業ではないが、旅をしたり拠点を移しても稼ぐ方法がある。
冒険者にもランクがあるが、Cランクの冒険者夫婦の収入は十分で、僕の生活もまったく困窮した記憶もなく、すくすくと成長できたと感じている。
~~~~~~~~~~~~
僕は考えたり感じたり、動くことが出来るようになったりする節目節目で鍛えていた。
初めは自主トレだけだったが、ある程度自由自在に動けるようになってからは両親にも鍛えてもらっている。
もちろん体が動かない時に魔力を動かす練習もしたし、魔力が増えることを祈りながら一日で多くの魔力を消費した。
自分で魔力を消費しながら周囲の魔素に干渉する技術も得て、省エネで魔法を唱えることが出来ている。
詠唱だって初めは恥ずかしながらも口にした。
『我が魔力よ集まりてこの世界の魔素を操れ 僕の魔力はこの世界のため この世界の魔素は僕が掌握する 熱よ放出しろ 火の玉』
なんて一度口にして二度と口にしなくてもいいように無詠唱を覚えた。
魔法名は口にするが、詠唱は出来る限りしないことに決めている。
そんな決意を心に秘めながら今日も母様と特訓をしていた。
「ラウール!今日こそは負けないわよ!」
母であるララがメイスを構えながら向かってくる。
その勢いは流石のCランク冒険者で、いつまでも若々しい女神のような母様が笑顔で攻撃してくる。
メイスを振るその姿は微笑みの女神と言って良いだろう。
小さな子供にメイスを振るっていることを除けば...。
その攻撃に僕は魔法で対抗する。
まだ力に力で向かって勝っても不自然だからだ。
「母様! 僕も負けないよ! 炎の槍!」
走っている母ララに勢いよく炎の槍が迫るが、母様も負けてはいない。
母ララは走っている勢いを殺さずに目の前に防御結界を展開する。
『私を守って魔法の盾 結界!』
そして僕との距離を一気に埋めて来る。
しかし今の僕はそれでも攻撃の手を緩めない。
ただ、母様にけがをさせる気もない。
「負けませんよ! 聖なる槍...。岩の盾! 氷の雨! 最後に母様大丈夫? 傷よ治れ 回復!!!」
締めの魔法は母様についた傷を治すものだ。
流石の母様も攻撃を止めた。
「はあ、はあ、ふう~。」
服が汚れることも気にせず、地面に母様が横たわる。
~~~~~~~~~~~~
「今日も負けたわ・・。もう私が教えることはないようね、成長したわねラウール。」
体を起こし母様が遠い目をして話しかけてくる。
その隣から父様も声をかけて来る。
「もう俺たちではラウールに勝てなくなったな。流石は自慢の息子だよお前は。だがもうしばらくは俺たちと一緒に冒険者としてやってこう。しかし信頼できる人が出来たら、その人と一緒に冒険者活動をすることは俺たちは止めないから遠慮なく話してくれ。冒険者だけではない。他にもやりたいことがある場合は遠慮なく言ってくるんだぞ。」
父様はそう言って笑いかけ、母様も隣で微笑んでいる。
「わかってるよ父様! これからもしばらくはよろしく! 今は家族で冒険者でも楽しいですよ! 僕は父様と母様に憧れているから、今は冒険者にあることしか考えていないよ!」
僕も両親に笑顔を向ける。
「そう言ってもらえると父としてもありがたいよ。あっという間に強さは俺達を超えてしまったんだから。あとは経験を重ねたら、俺たち以上の冒険者になれるぞ。」
父様は遠い目をして話をしてくる。これまでいろいろなことがあったけど、僕たち家族は本当の家族になっている。父様、母様と呼び方は他人のようだが、僕達はこの呼び方が家族のあかしと思っている。本当の自分を出したときに自然に出た言葉だったから・・・・。いずれ語ることもあるかもしれないから、この話はいずれ・・・・。
僕たちはこれからもしばらく一緒に過ごしていく。
やるべきことが出来るまで・・・・・・。
そんなことを考えながら僕の今のステータスを確認した。
ステータス
名前:ラウール
職業:子供
LV:22
HP:68
MP:231
体:66
心:311
運:90
ユニークスキル:すくすく育つ・看る
スキル:解析・武の心・魔の心・アイテムボックスX・全魔法適性・魔素操作・詠唱破棄・鈍器適性
加護:???神の加護
称号:地球人・心は中年・???神が見てる人・両親への信頼・両親からの信愛
魔力を上手く使っているから、体の強さも増すことが出来ている。
数値以上に体の強さも並みの大人ではかなわない状態だ。
魔力が強いのは予想以上にチートだった。
20
お気に入りに追加
2,751
あなたにおすすめの小説
灯る透明の染色方法
ナナシマイ
ファンタジー
時波の世界にまだ聖人が存在していた時代。世界がやわらかで、理はよく揺らぎ、不安定だった時代。
穏やかな魔女と苛烈な聖人は出会い、そして突然に婚姻を結ぶ。
――ちょうどよかったんだ。俺はどこかの国に肩入れする気はまったくないからな。
――あなたの事情に巻き込まないでください。わたしは静謐の魔女。騒がしいのは好みません。戦なんて、もってのほかです。
静謐と戦火。正反対ともいえる性質を持つふたり。
しかし魔女と聖人が一度結んだ繋ぎは解くことができない。好まない戦の要素を削ろうにも、婚姻によって紐づいてしまった自身の要素を崩すわけにもいかない。
静謐と戦火の繋ぎは成されたのだ。
しかたなく伴侶としての役目を果たすことにした静謐の魔女は、肌に合わぬ要素を最小限に抑えるため、友である明星黒竜たちに協力を仰ぎ魔法具を作ることにした――。
迷子が趣味な魔女と、国落としに精を出す聖人。
世話焼きお父さんな冬の竜と、貢物でレストランを営む秋の竜。
これは、最後の聖人を育んだ人ならざる者たちが紡ぐ、対話と幸福についての物語である。
元女神様と現世でreSweetライフ!!
美味しい肉まん
ファンタジー
人として添い遂げる! そう願った二人の女神。『呪い』から全てを救った男(オッサン)の元へ駆け込んで一緒に暮らす! その生活は甘いのか苦いのか……そんな物語
それは市霊シリーズのその後を救った男へのご褒美か罰か!?
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。
ファンタスティック小説家
ファンタジー
科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。
実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。
無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。
辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。
冴えないおっさんが没落貴族に異世界転生~売れ残りの悪役令嬢を妻にめとって世界征服目指します~
masa
ファンタジー
冴えないおっさんが没落真っ最中の田舎貴族に転生して、売れ残っていたかわいそうな悪役令嬢を妻にめとり、愛と魔法の力で異世界征服を企てる成り上がりストーリー。
小説家になろう様でも掲載してます。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります
桜井正宗
ファンタジー
無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。
突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。
銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。
聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。
大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる