今世は夫婦で冒険者パーティー黒猫 ~前前世は冴えなかったが前世は最強! で、今世も最強で旅をする。気ままに弟子を育てながら気まぐれに生きてい

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第四章 不思議な世界

第百四十話 オークション開催

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  ――とうとうオークション当日となり、僕たちは朝からオークション会場にいた。

  参加証を入場口で見せると、番号札が渡され「番号の書いてある椅子にお座りください」と言われた。

  僕たちは参加証を購入したときに、二人と小さな従魔が三匹と登録していた。この従魔の入場の保証もあり、他の人よりも参加証は高かったのだ。
  入れないよりは良いが、何かあったときの弁償は高額になると言われている。

  ――普通の人よりも大人しいのに。


  ――僕たちの席はすぐに見つかった。後ろに行くほど席が高くなり、扇状で、ステージが皆から見える会場。
  ――その一番後列の一番端。
  僕たちの見た目でなめられた? それとも従魔も一緒に入ると登録したから? ま~わざとだろうな。


  それに文句を言う気もないが、皆で雑談し自分たちの席で開幕を待つ。


  ――続々と人が入ってくる。

  ――護衛を連れた貴族や商人、その辺を歩いている一般人など様々な立ち位置の人。
  ――様々な人種。
  ――幅広い年齢層……大人と一緒に入ってくる子もいる。


  奴隷となる人のオークションもあるようだけど大丈夫か?


  ――僕たちも見た目が良いから自分の身を守らなければいけないな。
  ここに入ってきて、僕たちを見る目が危ない奴もいたし……


……
……


  ステージの幕が開く……開幕だ!


「――それでは第――回目のオークションを開催します。私は本日の司会の――です。よろしくお願いしますね。――私の進行を邪魔した場合は、あっちから厳ついオッサンが出てきますから――」


  軽快なトークがやや続き、オークション品が司会の人の合図で運ばれてくる。


……
……


「さあここまでお買い上げありがとうございます! 続きましては目玉となってはいない商品――ですが、良い品ですよ。それではこちらに……」



  ――運ばれてきた物――貴重な物――

  ――ミスリルの片手剣だ――


  ……貴重?

  ……貴重なんだな。

  ……貴重なんでしょう。


  ミスリルがその位置にあるか……だったらもし僕が創った武器なら、これ以上は価値があるか……。ま~、価値を証明してからだけど……


……


「百万!」
「百二十万!」

――――

「六百万!」
「六百五万!」
「――六百二十万!」

「――はい、次はありませんか! なんと今のところはゴブリンの魔石込みの売却額が五銅貨ですが、それだけの数を倒してもおそらく刃こぼれもしない剣が……はい、五百E――今は五百万E越え!  何匹ゴブリンが出てくるんだって言いたい!  さあ、まだいませんか!」



「ふっ!  七百万……」と言った冒険者風の青年がいた。

  ――煽られたな――若い――だが――


「――はい、後はおりませんか! ――――ん――――はい、七十七番! あなたが落札です! ――」



  ――その額を稼ぐには……ゴブリンを何匹タオサナケレバイケナインダ……。ゴブリンだって三つの能力を平均すると百……ほとんど魔力がないゴブリンは、魔力以外の数字が高い……そんなゴブリンを何匹倒さなければいけないんだ。

  ――あいつらはすぐ増えるし、意外に厄介だし…………あの冒険者はここまでお金を出せるのに、ゴブリンと比べると途端に勿体なくなる武器――ミスリルの片手剣……


「――んん、やったな」
「おう、やっと次のランクに挑めるぞ」
「――ようやくBランクイン冒険者に挑戦ですか……」
「何言ってるのよ! 私たちはSランク冒険者になるのよ! ――やっと貯めたお金なんだからね! 頑張ってよ――」


  ――方針、なかなかリア充だ。
  ――ほほう、彼女は……やるな。



……
……


  ここまでの出来事はおいておいて、オークションは進んでいった。

  時々目玉商品を混ぜながら、運営の思惑通りに高く売りつけている印象だ。


「では一旦昼食としましょう。皆さんはご自由に、しかし時間いには間に合うように……あなたたちが思う貴賤は関係なく、オークションは進みますよ!」


……
……
……


  昼食タイムの宣言があり、僕たちは栄養分を摂った。 ――ある程度僕たちの行動は、目的に合わせた準備をしている。


  だから今は移動をしなくて良いように、ブロック型の栄養が計算された食べ物を口にした。


  ……しかしこの時僕たちは油断していたのだろう。 ――僕たちの後方にあった気配が話しかけてきた。


「おう、やっぱり君たちか。――俺がいたのはわかってたと思うから、ハナシカケてくれていいだろ」




  ――――ああ、まあ時間は合ったからな。


「ラーバンスト王子…あのお久しぶりです……」と僕は仕方がなく返事をした。

  僕は初めから気がついていたが、出来るなら相手に気づいてほしくなかった。

  ラーバンスト王子は今までは何にも入札せずにいる。――何を狙って……いや、偶然なのか何故このオークションに参加をしているのか……


「――――なあラウール……率直に言うと……俺は……妖精を競り落とすぞ」


  ――競り落とす――妖精――
  ――何か最悪な展開だな。

「だが君たちが競り落とすと言うなら――――俺は手を引くぞ……

  そうラーバンストが話した。

  だから一応僕たちは妖精を競り落としたいと言ったら、ラーバンストはあっさりと引き下がった。


  ――だが――


  「――これは頼みだ……。俺は国家予算を使っても妖精を手に入れるために動く。――それが例え君たちがいくらお金を積んでも……。だが今は協力をしたい……。アルグリアン王国……俺の国が病気に支配され始めている……サポイタンヒュージュン病が我が国でも流行り始めたのだ――」


  ――ここでサポイタンヒュージュン病がまた……


  これはソフィアたちに頼みっぱなしは――――無理だな。


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