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第三章 上を目指して
第百三話 ドラゴン退治に出発
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僕達は自己紹介した後にすぐドラゴン退治に出発した。クロウ達が言葉を話したことに驚いていたラーバンストとヒューズだが、流石Sランク冒険者だ。すぐに動揺した心を平静に保ったようだ。
そこからの行動は早く、僕達はドラゴンが現れたと言う山の麓に向かった。
モイスさんが一番移動速度が遅かったから、皆でモイスさんに合わせて移動したが、二日も走るとドラゴンがいると言われた山に到着した。
流石に高ランク冒険者の集団で移動速度がすさまじかったが、途中で出会った魔物には時々苦戦している姿もあった。
ドラゴンが出現した弊害か、ドラゴンから逃げるかのように山から遠いところに普段では出現しない魔物が集団で現れた。
「ウウェイ! 俺の出番かこれは! 行くぞクロウ!」
「わかったよ我! 待ってよヤマト!」そう言いながらヤマトとクロウが魔物の集団を片付けて行く。
初めに言葉を話したのはこのためかと言いたいほど縦横無尽に駆け巡る。
もちろんラーバンストやヒューズも魔物を倒していたが、ドラゴンから逃げてきたのであろうオークキングやゴブリンキング、コボルトクイーンには苦戦していた。
オークやゴブリン、コボルトは何処にでもいると言われるくらい繁殖力が強い魔物だ。それがドラゴンから集落単位で逃げている……あーーこれがドラゴン討伐依頼での別の苦労か……
パッショギルマスが複数パーティーでと言っていた別の理由もわかった気がした。
……
そんな魔物の集団を抜けてようやくドラゴンがいると言う山の麓に到着したが、すぐに戦闘は出来なかった。
「ラウール……お願い、休ませて……。サクラは余裕そうだけど、私は無理……」
「すまん、俺も少し休みたい……覚悟はしていたがあの魔物の数は……」
「そうですよ……私達がヒーヒー言いながらも倒していたあの集団を相手に…………何を涼しい顔で……一発の魔法で数十匹を一気に倒しているんですか! これでも私はSランクの……魔法が得意の冒険者ですよ!」
何故だ?
僕達はただ魔物を倒しながら進んでいるだけなのに……解せぬ……
単体の戦闘力が高い魔物は倒せても、集団で襲ってくる中位ほどの魔物は恐ろしいものなのかな?
だったら人間族も……って繁殖力、突然の発生……数で魔物に抵抗するのは無理か……
……
そんな感じで他の冒険者が休んでいるときに色々と魔物への抵抗を考えていたが、ようやく体力が回復したようだ。
今回の依頼のドラゴンはクロウが感じるにはもう一キロ先にいるようだ。僕達の移動速度ではすぐだが、どうしたら良いかな。
「もうすぐ先にドラゴンがいるってクロウが言ってるけど、どうする? 今日戦っちゃう?」
「……クロウが言ったって……俺はここまでの動きで信じているが、どうする?」
「私は休みたい! それにすぐ先にいるなら、もう少しは下がって起きたいんだけど、サクラはどう? ここは女の意見を!」
「女の意見をって……ここは男が三人と女が二人でしょ? そこまで性別を強調しなくても良いわよ! ……で、みんなはどう?」
このサクラの言葉で一キロ先にドラゴンがいると話すと、それくらいの距離だと安心して休めないと言う意見で少し下がった。
ドラゴンから三キロ離れ、僕達は明日の朝まで休むことにした。
……
僕達は見張りを交代でしながら夜営をしていた。僕は運が悪いことに夜中、中途半端な時間に起きていることになった。
……
……
時間は過ぎていく……だが眠い。
だがそんな眠りそうな時に僕は考えてしまった……もしかしてSランク冒険者って凄いのか? サーマンが初めて会ったSランク冒険者だったから麻痺していたけど……クロウ評価で最低でもオーガ並みの戦闘力……そこから幅広いが、なかなかAからSランクには上がれない……。冒険者ギルドへの凄まじい貢献か、凄まじい戦闘力がないと上がれないランク……
だとすると、ラーバンストやヒューズは凄いのかな……鑑定がしたいけどーー、うん、やっぱり負けた気がするからしない。一応これは僕が決めたハンデだ。相手より有利な事が多いんだから、これくらいは……
でもSランクの凄さに気がついたら、Aランクの冒険者も凄いんだな……少しは冒険者ギルドで優しくしよう。……どうして今まで気がつかなかったか、低ランク冒険者にはもっと優しくしないとな……。この事がわかったから、さっさと低ランク冒険者の危険性は排除してあげないとね。
僕はこのうん百年生きてきて、ようやくこの事に気づいた……強い者の義務を……
あーーだからSランク冒険者は権限が多いのか。対魔物戦の時は指揮権がある。初めに指揮していた人物が倒れたときは代理ができる。それは都市、町や村の防衛戦も一緒で、一番高い位置にいる冒険者代理で指揮や任命権がある。
冒険者ギルドの権利が及ぶ範囲内だが……って冒険者ギルドが本当に本気を出したら一都市の防衛も担うのだろうけど……法衣貴族でも伯爵くらいは対魔物集団戦だと権力があるか。
眠れない時間でそんな事を考えていた。
そこからの行動は早く、僕達はドラゴンが現れたと言う山の麓に向かった。
モイスさんが一番移動速度が遅かったから、皆でモイスさんに合わせて移動したが、二日も走るとドラゴンがいると言われた山に到着した。
流石に高ランク冒険者の集団で移動速度がすさまじかったが、途中で出会った魔物には時々苦戦している姿もあった。
ドラゴンが出現した弊害か、ドラゴンから逃げるかのように山から遠いところに普段では出現しない魔物が集団で現れた。
「ウウェイ! 俺の出番かこれは! 行くぞクロウ!」
「わかったよ我! 待ってよヤマト!」そう言いながらヤマトとクロウが魔物の集団を片付けて行く。
初めに言葉を話したのはこのためかと言いたいほど縦横無尽に駆け巡る。
もちろんラーバンストやヒューズも魔物を倒していたが、ドラゴンから逃げてきたのであろうオークキングやゴブリンキング、コボルトクイーンには苦戦していた。
オークやゴブリン、コボルトは何処にでもいると言われるくらい繁殖力が強い魔物だ。それがドラゴンから集落単位で逃げている……あーーこれがドラゴン討伐依頼での別の苦労か……
パッショギルマスが複数パーティーでと言っていた別の理由もわかった気がした。
……
そんな魔物の集団を抜けてようやくドラゴンがいると言う山の麓に到着したが、すぐに戦闘は出来なかった。
「ラウール……お願い、休ませて……。サクラは余裕そうだけど、私は無理……」
「すまん、俺も少し休みたい……覚悟はしていたがあの魔物の数は……」
「そうですよ……私達がヒーヒー言いながらも倒していたあの集団を相手に…………何を涼しい顔で……一発の魔法で数十匹を一気に倒しているんですか! これでも私はSランクの……魔法が得意の冒険者ですよ!」
何故だ?
僕達はただ魔物を倒しながら進んでいるだけなのに……解せぬ……
単体の戦闘力が高い魔物は倒せても、集団で襲ってくる中位ほどの魔物は恐ろしいものなのかな?
だったら人間族も……って繁殖力、突然の発生……数で魔物に抵抗するのは無理か……
……
そんな感じで他の冒険者が休んでいるときに色々と魔物への抵抗を考えていたが、ようやく体力が回復したようだ。
今回の依頼のドラゴンはクロウが感じるにはもう一キロ先にいるようだ。僕達の移動速度ではすぐだが、どうしたら良いかな。
「もうすぐ先にドラゴンがいるってクロウが言ってるけど、どうする? 今日戦っちゃう?」
「……クロウが言ったって……俺はここまでの動きで信じているが、どうする?」
「私は休みたい! それにすぐ先にいるなら、もう少しは下がって起きたいんだけど、サクラはどう? ここは女の意見を!」
「女の意見をって……ここは男が三人と女が二人でしょ? そこまで性別を強調しなくても良いわよ! ……で、みんなはどう?」
このサクラの言葉で一キロ先にドラゴンがいると話すと、それくらいの距離だと安心して休めないと言う意見で少し下がった。
ドラゴンから三キロ離れ、僕達は明日の朝まで休むことにした。
……
僕達は見張りを交代でしながら夜営をしていた。僕は運が悪いことに夜中、中途半端な時間に起きていることになった。
……
……
時間は過ぎていく……だが眠い。
だがそんな眠りそうな時に僕は考えてしまった……もしかしてSランク冒険者って凄いのか? サーマンが初めて会ったSランク冒険者だったから麻痺していたけど……クロウ評価で最低でもオーガ並みの戦闘力……そこから幅広いが、なかなかAからSランクには上がれない……。冒険者ギルドへの凄まじい貢献か、凄まじい戦闘力がないと上がれないランク……
だとすると、ラーバンストやヒューズは凄いのかな……鑑定がしたいけどーー、うん、やっぱり負けた気がするからしない。一応これは僕が決めたハンデだ。相手より有利な事が多いんだから、これくらいは……
でもSランクの凄さに気がついたら、Aランクの冒険者も凄いんだな……少しは冒険者ギルドで優しくしよう。……どうして今まで気がつかなかったか、低ランク冒険者にはもっと優しくしないとな……。この事がわかったから、さっさと低ランク冒険者の危険性は排除してあげないとね。
僕はこのうん百年生きてきて、ようやくこの事に気づいた……強い者の義務を……
あーーだからSランク冒険者は権限が多いのか。対魔物戦の時は指揮権がある。初めに指揮していた人物が倒れたときは代理ができる。それは都市、町や村の防衛戦も一緒で、一番高い位置にいる冒険者代理で指揮や任命権がある。
冒険者ギルドの権利が及ぶ範囲内だが……って冒険者ギルドが本当に本気を出したら一都市の防衛も担うのだろうけど……法衣貴族でも伯爵くらいは対魔物集団戦だと権力があるか。
眠れない時間でそんな事を考えていた。
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