102 / 168
第三章 上を目指して
第百一話 ここでこんなに……どんな状況……
しおりを挟む
この状況は……
僕は貴族の子と魔物人間との間に挟まれていた。
そしてここに学園の教師も合流した。
「ジューブン! 君は何を言っているのかな? 我々教師が試験の前に言ったことは覚えているのか?」
教師が普通の事を言っている。
「おい! 俺にまとわり付いているこの魔法をとれよ!」
魔物も普通に要求してくる。
「くっ! おいただの平民の教師の分際でそんなことを言ってもいいのか?」
「ああ、アルグリアン学園の校風は耳が痛くなるほど説明しただろうが! 何年同じ事を言わせるんだよ!」
ジューブンと言う生徒は卒業試験まで到達しても、入学の時から言うことが変わっていないのか?
それはそれで何かが優秀だったのか?
僕達はあまり鑑定をしないから相手の力量は予測になっているが、ジューブンの能力を見てみた方が良いのかなーーと僕が考えていると、
「んん、じゃあまた何時か会ったときに誘うとしよう。じゃあな。」とあっさりと立ち去って行った……
何だよこの状況は……
……
そんな何かおかしい雰囲気の中でも僕達が捕まえた魔物人間のボアはマイペースだった。
「おい! 話が終わったなら俺をキャッチアンドリリース! 何てギャック……ジャックーー俺を逃がしてよ!」
あーーここに来てジャックも入ってくるか……情報量過多だよ。
だからこそ僕達はこの魔物人間は自分達で話を聞き出そうと思った。
既に学園の教師は生徒に帰還を命じるようで、森の中では忙しく人が動き回っている気配がするから。
……
「……でジャックって?」と逃がせと騒いでいた魔物人間に聞いてみた。
周りでは騎士や冒険者、教師が慌ただしく動いているが、僕達が魔法で捕らえていると思われてるから魔物人間の側にいる。
「ジャックなんて言ったかなーー、そんなことは言っていないなーー。俺はこんな状況だから何も話せないなーー。誰か(チラ)俺を逃がしてくれないかなーー」
僕達の事をチラ見して魔物人間がそう言った。
だがここまで騒ぎになっているが状況じゃあ無理だね。
折角良い情報が得られるかと思ったけど、この後は仲間だけで今後の行動について話していた。
そこからは魔物人間も無視され始めたからか静かになった。
僕達を勧誘? してきた生徒もだが、生徒は一部の騎士や冒険者と王都に引き返した。
既にここに残っているのは学園の代表者と、王都から応援が来るまで魔物人間を抑える要員の人だけだ。
……
しばらくは僕達の周りは騒がしかったが、僕達は暇だった。
僕達がいくらここで頑張っても、王都に戻ってからも魔物人間の尋問には加われない。
……
で、ようやく騎士団が到着して魔道具化されている檻を持ってきていた。一応弱い部類のドラゴンの攻撃は防ぐことが出来るそうだ。作るには恐ろしい値段になるようだけど……
で、僕達は冒険者ギルドの何時ものギルドマスターの部屋にいる。
「えーとですね、状況を教えていただけたら……」そうパッショギルマスが聞いてきた。
その言葉に僕達はそのまま正直に全てを話した。ジャックの名前が出てきたことも伝えると「ん、ジャック……」とパッショギルマスが呟いたが、それ以上突っ込んで話を聞き出そうとはしなかった。
「あーーギルマス! 私達を勧誘? スタンデンス伯爵の長男って言う子供が魔物人間を寄越せって言ってきたわよ! 後は私を妾! ラウールを下男にしてやるなんて! ……我慢した……我慢したんだから何とかしなさいよ!」
サクラはジョーブン・スタンデンスの時は、確かに我慢していたな。普段ならその場でキレるのに……
「スタンデンス伯爵のところのですか……スタンデンス伯爵は良い人なんですが、子育ては失敗したようですね。」
そんなことを言いながらも、学園には冒険者ギルドから抗議はしてくれるそうだ。
「徹底的にね……でないと私達が……」とサクラが言うとパッショギルマスの顔色が青くなっていた。
……それからはしばらくパッショギルマスから依頼を紹介されながら、Aランク依頼をこなしていた。
まだ受付では依頼を受けられていない……パッショギルマスがいる日でなければ依頼が受けられない状況になっているので、おおよそのスケジュールは教えてもらっているが……
何か危機管理が足りない様な気もするが、この方が冒険者ギルドが平和になるのだろう。
まーーこんな感じで大きな変化もなく、学園の卒業試験ももう一度行われ、学園生が卒業する時期になったようだ。
……
更に日が過ぎていき、学園の入学試験が近づいてきたようだ。
何となく僕達が学園に入学するにはどうしたら良いか聞いてみたが「必要がないと思いますが……」と返されてしまった。
つくづく僕達には学園に縁がないようだ。
……
僕達はいつも通り依頼がないか確認するために、冒険者ギルドに来ていた。
ギルドマスターの部屋に行く前には当然冒険者ギルド内を通ることになる。
何時もよりも初々しい冒険者が多いなーーと思いながら冒険者ギルドの受付を通りすぎ、ギルドマスターの部屋に行こうとすると、珍しくここで話しかけて来る人がいた。
「ねえ! そこの女の子! 俺達と一緒に依頼を受けないか!」
なんと初々しい冒険者が僕達に話しかけて来たのだった。
この時、冒険者ギルドの一部の時間が止まったかのように静かになったのであった。
僕は貴族の子と魔物人間との間に挟まれていた。
そしてここに学園の教師も合流した。
「ジューブン! 君は何を言っているのかな? 我々教師が試験の前に言ったことは覚えているのか?」
教師が普通の事を言っている。
「おい! 俺にまとわり付いているこの魔法をとれよ!」
魔物も普通に要求してくる。
「くっ! おいただの平民の教師の分際でそんなことを言ってもいいのか?」
「ああ、アルグリアン学園の校風は耳が痛くなるほど説明しただろうが! 何年同じ事を言わせるんだよ!」
ジューブンと言う生徒は卒業試験まで到達しても、入学の時から言うことが変わっていないのか?
それはそれで何かが優秀だったのか?
僕達はあまり鑑定をしないから相手の力量は予測になっているが、ジューブンの能力を見てみた方が良いのかなーーと僕が考えていると、
「んん、じゃあまた何時か会ったときに誘うとしよう。じゃあな。」とあっさりと立ち去って行った……
何だよこの状況は……
……
そんな何かおかしい雰囲気の中でも僕達が捕まえた魔物人間のボアはマイペースだった。
「おい! 話が終わったなら俺をキャッチアンドリリース! 何てギャック……ジャックーー俺を逃がしてよ!」
あーーここに来てジャックも入ってくるか……情報量過多だよ。
だからこそ僕達はこの魔物人間は自分達で話を聞き出そうと思った。
既に学園の教師は生徒に帰還を命じるようで、森の中では忙しく人が動き回っている気配がするから。
……
「……でジャックって?」と逃がせと騒いでいた魔物人間に聞いてみた。
周りでは騎士や冒険者、教師が慌ただしく動いているが、僕達が魔法で捕らえていると思われてるから魔物人間の側にいる。
「ジャックなんて言ったかなーー、そんなことは言っていないなーー。俺はこんな状況だから何も話せないなーー。誰か(チラ)俺を逃がしてくれないかなーー」
僕達の事をチラ見して魔物人間がそう言った。
だがここまで騒ぎになっているが状況じゃあ無理だね。
折角良い情報が得られるかと思ったけど、この後は仲間だけで今後の行動について話していた。
そこからは魔物人間も無視され始めたからか静かになった。
僕達を勧誘? してきた生徒もだが、生徒は一部の騎士や冒険者と王都に引き返した。
既にここに残っているのは学園の代表者と、王都から応援が来るまで魔物人間を抑える要員の人だけだ。
……
しばらくは僕達の周りは騒がしかったが、僕達は暇だった。
僕達がいくらここで頑張っても、王都に戻ってからも魔物人間の尋問には加われない。
……
で、ようやく騎士団が到着して魔道具化されている檻を持ってきていた。一応弱い部類のドラゴンの攻撃は防ぐことが出来るそうだ。作るには恐ろしい値段になるようだけど……
で、僕達は冒険者ギルドの何時ものギルドマスターの部屋にいる。
「えーとですね、状況を教えていただけたら……」そうパッショギルマスが聞いてきた。
その言葉に僕達はそのまま正直に全てを話した。ジャックの名前が出てきたことも伝えると「ん、ジャック……」とパッショギルマスが呟いたが、それ以上突っ込んで話を聞き出そうとはしなかった。
「あーーギルマス! 私達を勧誘? スタンデンス伯爵の長男って言う子供が魔物人間を寄越せって言ってきたわよ! 後は私を妾! ラウールを下男にしてやるなんて! ……我慢した……我慢したんだから何とかしなさいよ!」
サクラはジョーブン・スタンデンスの時は、確かに我慢していたな。普段ならその場でキレるのに……
「スタンデンス伯爵のところのですか……スタンデンス伯爵は良い人なんですが、子育ては失敗したようですね。」
そんなことを言いながらも、学園には冒険者ギルドから抗議はしてくれるそうだ。
「徹底的にね……でないと私達が……」とサクラが言うとパッショギルマスの顔色が青くなっていた。
……それからはしばらくパッショギルマスから依頼を紹介されながら、Aランク依頼をこなしていた。
まだ受付では依頼を受けられていない……パッショギルマスがいる日でなければ依頼が受けられない状況になっているので、おおよそのスケジュールは教えてもらっているが……
何か危機管理が足りない様な気もするが、この方が冒険者ギルドが平和になるのだろう。
まーーこんな感じで大きな変化もなく、学園の卒業試験ももう一度行われ、学園生が卒業する時期になったようだ。
……
更に日が過ぎていき、学園の入学試験が近づいてきたようだ。
何となく僕達が学園に入学するにはどうしたら良いか聞いてみたが「必要がないと思いますが……」と返されてしまった。
つくづく僕達には学園に縁がないようだ。
……
僕達はいつも通り依頼がないか確認するために、冒険者ギルドに来ていた。
ギルドマスターの部屋に行く前には当然冒険者ギルド内を通ることになる。
何時もよりも初々しい冒険者が多いなーーと思いながら冒険者ギルドの受付を通りすぎ、ギルドマスターの部屋に行こうとすると、珍しくここで話しかけて来る人がいた。
「ねえ! そこの女の子! 俺達と一緒に依頼を受けないか!」
なんと初々しい冒険者が僕達に話しかけて来たのだった。
この時、冒険者ギルドの一部の時間が止まったかのように静かになったのであった。
0
お気に入りに追加
262
あなたにおすすめの小説
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
陛下から一年以内に世継ぎが生まれなければ王子と離縁するように言い渡されました
夢見 歩
恋愛
「そなたが1年以内に懐妊しない場合、
そなたとサミュエルは離縁をし
サミュエルは新しい妃を迎えて
世継ぎを作ることとする。」
陛下が夫に出すという条件を
事前に聞かされた事により
わたくしの心は粉々に砕けました。
わたくしを愛していないあなたに対して
わたくしが出来ることは〇〇だけです…
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
もういらないと言われたので隣国で聖女やります。
ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。
しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。
しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
形だけの妻ですので
hana
恋愛
結婚半年で夫のワルツは堂々と不倫をした。
相手は伯爵令嬢のアリアナ。
栗色の長い髪が印象的な、しかし狡猾そうな女性だった。
形だけの妻である私は黙認を強制されるが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる