今世は夫婦で冒険者パーティー黒猫 ~前前世は冴えなかったが前世は最強! で、今世も最強で旅をする。気ままに弟子を育てながら気まぐれに生きてい

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第三章 上を目指して

第九十五話 漆黒の翼……黒い死神……

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ぐあーーーー!!


僕の魔力が抑えられない……何か周囲から無尽蔵に魔素をかき集めている……

んっ!
サクラ! クロウ! ソフィア! ヤマト!
オイオイオイオイオイオイ!
僕も抑えられないけど……これはーー


「ーーーーくっ!」
「ぎゃーー!」
「イヤーー!」
「何なの……何…………」
「お……い……」
「ギ……ル……マ……ス……」
「黒い……あーー、黒い……」
「あれ……は……あの……子……翼……」
「……お……俺……首に……鎌……」
「鳥?……魔……」
「龍……」
「おーーーーか…………み……ひか……り……」


僕達の魔力が充満する……
気絶したら楽だろうが……
僕達の気持ちが……
気絶することも許さない……
……くっ……抑えが……


「ん……ん……漆黒の翼!?」
「黒い……黒……んーー、死神……」

……

僕達の目の前の冒険者はバタバタと床に崩れ落ちる……だが僕達の魔力で…抑えが強制的に覚醒される……

……


そこに……冒険者ギルド、ギルドマスターがガクガクと震えながら、一階までたどり着いたようだ……階段の所に姿が見える。


「……く……何事だ……この凄まじい……威圧……魔力……殺気……強制……覚醒……お……い……黒……猫……か……止め……て……くれ……みな……が……か狂う…………くっ!……漆黒の……翼?……死神!…………たの……む……じ……じょうを……聞かせて……くれ!!」


はっ!
命は無くならないけど、人として死ぬな!
オイオイオイ、僕達がオイオイオイだよ!

「サクラ! 僕が抑えられなくてゴメン! 僕と一緒にこんなんじゃなく、社会的に殺そう!」


「ーーラウール! こいつらは改心できないわよ! ……魔物より質が悪いわよ!! こんな奴らはーーーー死ねばいいのよ!」


「ーーだけど僕に免じて今だけは止めて!」と僕は叫びながらサクラを抱き締めた……更に皆が抱き合うように身を寄せた……


……
……
……
……


状況はいつかのどこかで起きた出来事が全て合わさったような被害だった。
だが僕達が怒った状況を伝え、相手の冒険者が持っていた道具を精査すると、非合法な薬物や魔道具が沢山あった。
後日判明することだが、冒険者ランクを上げたのまでは才能があったが、性根が悪い冒険者だった。非合法な事ばかりやっていて、今回の事で初めて公になり、愛国心で溢れている何処かの冒険者ギルドギルドマスターが切れてしまった。まーー後日だが……


だが今の段階でも僕達に対するあの冒険者達のやり方が問題であり、僕達は何も罪に問われなかった。
まーー罪になったのならまた切れそうだが……


そんなこんなで騒ぎは中途半端?……巻き込まれた冒険者には可哀想だが、騒ぎは終わった。


……
……


そこからしばらく僕達は冒険者ギルドには入れなかった。これが罰と言えば罰なのだが、僕達が冒険者ギルドに入ると混乱が予測され、ランクアップ試験も後にされた。


とばっちりでモイスさんもランクアップ試験が後に回された。
モイスさんは僕達には恨みがましい事は言わないが、内心はどうだかわからない。
だけどあの後に僕達には「絶対に秘密は守ります!」と涙ながらに言ってきたので、ちょっと刺激が強すぎたのだろう。


……
……


そして依頼を受けられずに二週間……ようやく時間が経ち、僕達は今日……冒険者ギルドに行く。
冒険者ギルドには行けなかったが、僕達はアルグリアン市の周りで魔物を討伐したり、天然の素材を採取していた。
この中で僕達が不要な物をようやく売ることが出来る……


……


僕達は冒険者ギルドに入る。


「ーーくっ! 黒ーー」
「おい! 言われてるよな! 皆知ってるよな! 誰も絡むなよ!」
「あの者の背には漆黒の翼が……翼が見えてからでは遅い……」
「あの美少女を見ると首がヒヤッとするけどだ「おい黙れよお前が! 巻き込むなよ!」れ……」
「まだ知らない奴がいるのかよーー! おい! 早く自分が知ってる奴に教えて回れ!」
「何かさわが「余裕こくな! 走れ!」……はい!」
「漆黒の翼……黒い死神……か。」


おい、「か」じゃないよ!

……

まーー気を取り直して……
今日はランクアップ試験の申し込みなんだから!


僕達は何か依頼が達成できないか探してからランクアップ試験を申し込もうとしたが……ギルドマスターから呼び出しをくらった。くらったと言うか、行かなければ誰も僕達の対応が出来なかったようだ……恐怖で……


……


仕方がないので僕達は目の前のパッショギルマスにAランク冒険者へのランクアップ試験の申し込みをした。


「そうですよね……一応、まだ……Bランク冒険者ですよね……。何でしょうねあのSSランクの冒険者の私が威圧で動けないって……その相手が……まだBランクって何ですか。ハイハイ承りますけど……」


「ちょっと! あれは私達が悪いわけでないでしょ! 何よギルマスのその態度は!」


……
……


「ごめんなさい……ちょっとギルマスの愚痴ですよ……でも半分は本気ですからね。試験で他の冒険者を再起不能にしないでくださいよ……」


そう言ったパッショギルマスからランクアップ試験について説明があった。


Aランク冒険者以上は強制依頼で集団での対魔物戦が出来ないといけない。
冒険者同士や国の兵士とも共同の作戦となる。だから臨時パーティーや国の戦力との合同作戦を無事に完了できるかを見定められる。

そこで試験だが、幾人かの冒険者パーティーで(普段からパーティーを組んでいるメンバーは一緒の班になる。ただし寄生は許されず、パーティーメンバーで合格と不合格者が出る場合もある)合同依頼とし、国の兵士や騎士も含めたメンバーで魔物討伐依頼をこなすが事になる。

こっそりと冒険者ギルドと国から試験官が見ている。

それで冒険者ギルドと国から認められると、Aランク冒険者にランクアップ出来る。


そんな説明を受け、試験は一週間後から開始となった。



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