80 / 168
第二章 冒険者活動
第七十九話 ファンフート王国での後始末と旅立ち
しおりを挟む
僕達は数日してプッチモ王子と共に王都に帰還した。
ホワイティアはしばらくハルーシア領の冒険者ギルドの立て直しのため、今まで居たところへの帰還は後回しにし、自分が満足するまで活動してから戻ると言うことだった。だから帰りは自分で帰るそうだ。
……
……
今回の僕達の働きは大きく、冒険者ランクはBまで上がった。これは依頼達成の種類が規定数に達し、試験はハルーシア侯爵の軍勢をみんなの目の前で無力化したことによる。
ファンフート王国からは爵位を準男爵まで上げられた事と、褒賞金が得られた。これで手持ちの資金は十分すぎるほど確保した。
他にはアルスとデルタについてだが、クロウが王都に帰ってから仕上げとして訓練した。
僕達もサーマンに頼んで仲間になってくれる人がいないか探してもらった。
すると僕達がファンフート王国から褒賞金を貰ったあたりで一つのパーティーに加入することが出来た。
そこのパーティーはハルーシア領で真面目に冒険者活動をして、不利益を被ってきたパーティーだった。だから王都にようやく拠点を移し、前衛を募集していたようだ。サーマンが丁度良いタイミングで声をかけてくれた。ありがとうサーマン! あとでお礼に何かをあげよう。
拠点も折角改造したが、戻ってきても定住はしないと思うので、プッチモ王子に返却した。
プッチモ王子はそのまま僕達の物として良いと言ったが、「じゃあプッチモ王子が使ってよ。」と返事をしておいた。
プッチモ王子の別宅としてでも活用してもらおう。
……
……
短い期間だが長く感じたファンフート王国だったがまーー楽しかったかな……だけどガイブンでケチがついたな……。
今まで体験したことのなかった事も体験は出来たけど……
僕はサクラと相談してファンフート王国で知り合いになった人に別れを告げて歩いた。
プッチモ王子だけには、「ファンフート王国が本当にピンチの時だけ使ってよ」と遠距離通話の魔道具を作成し渡しておいた。
サーマンやアルス、デルタには一ランク上の武器を選別とした。
でも……本当はもっといたかったし、もっと色んな会話をして立ち去りたかった。だけど口を開くと後悔、迷いなどの感情を出しそうだったから、サクラにだけ慰めてもらった。
それから……ファンフートと言う名の王国が今後も続いていくことを願う。
……
……
こうしてなるべく簡単に別れを告げて僕達は国境を目指した。
ハルーシア侯爵と共謀しようとした国に今はいきたくない。
だから北西にあるアルグリアン王国を目指している。
ムカデ型馬車は快適だが目立つため、ミスリルゴーレム馬に乗り移動している。
僕達は移動だけなら荷物の問題もないし、サクラとイチャイチャ出来るからこれで良かった。
夜も快適なテントがあるし、順調な旅だ。
時々珍しい素材を回収しながら進む。
……
……
時々すれ違う商人や冒険者が僕達のミスリルゴーレム馬に驚き、その数が増えてきた頃……ようやくファンフート王国とアルグリアン王国の国境が見えてきた。
そして国境を超えようとする人達の列に並び、周りから聞こえてくる話に耳を傾けた。
「おいおいあの馬はなんだ? あれは……ミスリル? 何だあれ?」
あーーこれは僕達の事だろうな、こんな事でなくアルグリアン王国の情報が知りたいな。
「あなたは何を売るんですか? 私は回復薬を中心に仕入れて来ましたよ。」
「あーーいつもお世話になってます。我が商会では質の良い武具ですね。何でもダンジョンの最高到達階層が更新されて、情報が売りに出ましたからね。低ランク冒険者相手へ薄利多売するよりも稼げそうですからね。」
「はははっはーー、お互い考えている客層は同じですな!」
「まったくですな!」
と笑っている商人がいる。
「お前らパーティーは拠点を変えるのか?」
「ああお前らかーー。あーー俺達の拠点だったハルーシア領がな……」
「おうそうだったな……だがアルグリアン王国で何をするんだ?」
「何かダンジョンもあるみたいだが、国内の魔物が全体的に増えてるらしいからな。だから魔物相手に頑張るかとな……」
「あーーお前らパーティーは戦闘力が高いからな! まーー頑張れよ!」
「ありがとよ! それでお前らは何をするんだ?」
「俺達はダンジョンだぜ! こいつがパーティーに加入したから、斥候役が出来てな! ダンジョンも経験者だって言うしな!」
へーーアルグリアン王国はダンジョンが有るのか。それに魔物が増えている……これは何かの兆候か?
「おい、アルグリアン王国の国王がバイアント王国との国境付近に兵を集めているって?」
「ああ……バイアント王国はファンフート王国にも何かをしようとしたらしいからな。この前解決されたが……」
「オークションの噂を聞きましたか?」
「ええ、何でもあの……」
あーーあのの後が聞こえなかった!
だけど何か面白そうな情報はいくつかあったな。
ダンジョン……この世界にもダンジョンがあるか。だけどどれくらいの数なんだろう。攻略方法とか、コアはどうだろう?
魔物が全体的に増えてる。これも要確認だな。
オークションか……この世界の珍しい物でも確認しておくか。
サクラとクロウも何か聞き耳を立てているが、国境を過ぎたら行動計画かな?
まーー最後は適当になるんだろうけど!
ホワイティアはしばらくハルーシア領の冒険者ギルドの立て直しのため、今まで居たところへの帰還は後回しにし、自分が満足するまで活動してから戻ると言うことだった。だから帰りは自分で帰るそうだ。
……
……
今回の僕達の働きは大きく、冒険者ランクはBまで上がった。これは依頼達成の種類が規定数に達し、試験はハルーシア侯爵の軍勢をみんなの目の前で無力化したことによる。
ファンフート王国からは爵位を準男爵まで上げられた事と、褒賞金が得られた。これで手持ちの資金は十分すぎるほど確保した。
他にはアルスとデルタについてだが、クロウが王都に帰ってから仕上げとして訓練した。
僕達もサーマンに頼んで仲間になってくれる人がいないか探してもらった。
すると僕達がファンフート王国から褒賞金を貰ったあたりで一つのパーティーに加入することが出来た。
そこのパーティーはハルーシア領で真面目に冒険者活動をして、不利益を被ってきたパーティーだった。だから王都にようやく拠点を移し、前衛を募集していたようだ。サーマンが丁度良いタイミングで声をかけてくれた。ありがとうサーマン! あとでお礼に何かをあげよう。
拠点も折角改造したが、戻ってきても定住はしないと思うので、プッチモ王子に返却した。
プッチモ王子はそのまま僕達の物として良いと言ったが、「じゃあプッチモ王子が使ってよ。」と返事をしておいた。
プッチモ王子の別宅としてでも活用してもらおう。
……
……
短い期間だが長く感じたファンフート王国だったがまーー楽しかったかな……だけどガイブンでケチがついたな……。
今まで体験したことのなかった事も体験は出来たけど……
僕はサクラと相談してファンフート王国で知り合いになった人に別れを告げて歩いた。
プッチモ王子だけには、「ファンフート王国が本当にピンチの時だけ使ってよ」と遠距離通話の魔道具を作成し渡しておいた。
サーマンやアルス、デルタには一ランク上の武器を選別とした。
でも……本当はもっといたかったし、もっと色んな会話をして立ち去りたかった。だけど口を開くと後悔、迷いなどの感情を出しそうだったから、サクラにだけ慰めてもらった。
それから……ファンフートと言う名の王国が今後も続いていくことを願う。
……
……
こうしてなるべく簡単に別れを告げて僕達は国境を目指した。
ハルーシア侯爵と共謀しようとした国に今はいきたくない。
だから北西にあるアルグリアン王国を目指している。
ムカデ型馬車は快適だが目立つため、ミスリルゴーレム馬に乗り移動している。
僕達は移動だけなら荷物の問題もないし、サクラとイチャイチャ出来るからこれで良かった。
夜も快適なテントがあるし、順調な旅だ。
時々珍しい素材を回収しながら進む。
……
……
時々すれ違う商人や冒険者が僕達のミスリルゴーレム馬に驚き、その数が増えてきた頃……ようやくファンフート王国とアルグリアン王国の国境が見えてきた。
そして国境を超えようとする人達の列に並び、周りから聞こえてくる話に耳を傾けた。
「おいおいあの馬はなんだ? あれは……ミスリル? 何だあれ?」
あーーこれは僕達の事だろうな、こんな事でなくアルグリアン王国の情報が知りたいな。
「あなたは何を売るんですか? 私は回復薬を中心に仕入れて来ましたよ。」
「あーーいつもお世話になってます。我が商会では質の良い武具ですね。何でもダンジョンの最高到達階層が更新されて、情報が売りに出ましたからね。低ランク冒険者相手へ薄利多売するよりも稼げそうですからね。」
「はははっはーー、お互い考えている客層は同じですな!」
「まったくですな!」
と笑っている商人がいる。
「お前らパーティーは拠点を変えるのか?」
「ああお前らかーー。あーー俺達の拠点だったハルーシア領がな……」
「おうそうだったな……だがアルグリアン王国で何をするんだ?」
「何かダンジョンもあるみたいだが、国内の魔物が全体的に増えてるらしいからな。だから魔物相手に頑張るかとな……」
「あーーお前らパーティーは戦闘力が高いからな! まーー頑張れよ!」
「ありがとよ! それでお前らは何をするんだ?」
「俺達はダンジョンだぜ! こいつがパーティーに加入したから、斥候役が出来てな! ダンジョンも経験者だって言うしな!」
へーーアルグリアン王国はダンジョンが有るのか。それに魔物が増えている……これは何かの兆候か?
「おい、アルグリアン王国の国王がバイアント王国との国境付近に兵を集めているって?」
「ああ……バイアント王国はファンフート王国にも何かをしようとしたらしいからな。この前解決されたが……」
「オークションの噂を聞きましたか?」
「ええ、何でもあの……」
あーーあのの後が聞こえなかった!
だけど何か面白そうな情報はいくつかあったな。
ダンジョン……この世界にもダンジョンがあるか。だけどどれくらいの数なんだろう。攻略方法とか、コアはどうだろう?
魔物が全体的に増えてる。これも要確認だな。
オークションか……この世界の珍しい物でも確認しておくか。
サクラとクロウも何か聞き耳を立てているが、国境を過ぎたら行動計画かな?
まーー最後は適当になるんだろうけど!
0
お気に入りに追加
262
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

生まれ変わっても一緒にはならない
小鳥遊郁
恋愛
カイルとは幼なじみで夫婦になるのだと言われて育った。
十六歳の誕生日にカイルのアパートに訪ねると、カイルは別の女性といた。
カイルにとって私は婚約者ではなく、学費や生活費を援助してもらっている家の娘に過ぎなかった。カイルに無一文でアパートから追い出された私は、家に帰ることもできず寒いアパートの廊下に座り続けた結果、高熱で死んでしまった。
輪廻転生。
私は生まれ変わった。そして十歳の誕生日に、前の人生を思い出す。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
八十神天従は魔法学園の異端児~神社の息子は異世界に行ったら特待生で特異だった
根上真気
ファンタジー
高校生活初日。神社の息子の八十神は異世界に転移してしまい危機的状況に陥るが、神使の白兎と凄腕美人魔術師に救われ、あれよあれよという間にリュケイオン魔法学園へ入学することに。期待に胸を膨らますも、彼を待ち受ける「特異クラス」は厄介な問題児だらけだった...!?日本の神様の力を魔法として行使する主人公、八十神。彼はその異質な能力で様々な苦難を乗り越えながら、新たに出会う仲間とともに成長していく。学園×魔法の青春バトルファンタジーここに開幕!
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる