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第二章 冒険者活動
第七十話 アシデマトイ集団は……
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僕達が捕らえた集団は、二百人と大人数だった。
まー本来は組織と言ったら良いんだろうが、集団の方が語呂が良い。アシデマトイ集団が増えた。
これは僕達の成果になるが、手間も増えていく。
流石にこのメンバーでは、僕達が色々と頑張るざるを得ない。
クロウが動きを止め、僕が檻を創造し、ソフィアが精神魔法で情報を聞き出す。
もう他のパーティーは何も……いや盗賊を檻に入れる手伝いだけをしている。
僕達は、そのままの役割分担で行動を続けて情報も得た。
……僕の役割の檻作りは創造で一瞬だった。
完成したゴーレムは、巨大な移動型ーー目立ちすぎる二百人が収監出来る檻つき・ムカデ型ゴーレムが出来上がったのだった。
……
……
「俺は……流石にそれは無いぞラウール! 何だその規格外な能力は! 今準備したなら、ラウールが作ったんだろ! ……王家にも欲しいぞそれ!」
ん、流石にこれは大きすぎたか……
でも引っ張って歩くと時間もかかるし、証人になる人は多い方が良いでしょ?
「それ……そのゴーレムだけで……この人数を乗せて移動できる物なんて、物流改革が出来るぞ! いやーー今はないが、戦争にも使われるぞ! 俺はこれ以上はあまり言わないが……一応人に見られていることだけは覚えておけよ。」
「あーー確かに大量に物が運べるね。人も運べるだろうし、檻は僕たちが攻撃しないと壊せないくらい頑丈だね!」
そんな忠告をされたが、今回はもう見られているし、手間を省くために続ける。
……
僕達が役割分担をして聞き出したことを、プッチモ王子とも情報共有した。
ハルーシア侯爵の名は出てこなかった。だが今回の集団にはハルーシア市の兵士が紛れていた。
盗賊や冒険者くずれだけではなく、貴族に雇われている身分の者がいた。
あまり地位は高くないがさっきの話とは別の兵士だ。
普段から何かあると、貴族らしき人物から依頼を受ける裏の仕事をしていた。
普段はその事を隠しハルーシア市で働いている。
この男達が率いる集団も怪しい男から持ちかけられた話だが、襲ってくれと言われた以外の情報は得られなかった。
更に相手の正体がばれないように対策が徹底されているようで、報酬さえ受け取れるなら相手の身分の確認まではしないそうだ。自分達の誰かが捕らえられても秘密を漏らさない工夫だそうだ。
んーー余計な工夫を!
この程度の情報だと誰が関与しているかはわからないな。だが普段はハルーシア市で働いているらしいから、このまま連れていこう。
他の人からも特にめぼしい情報が得られず、僕達は一人一人から話を聞き出さなくてもよかったな……と無駄な行動をしてしまったと思い、疲れた。
……
これだけの人数になってしまったから、村にもよらずまっすぐにハルーシア市に向かうことにした。
スピードは僕が作ったゴーレムだから速い。だが人数が多いことで、休憩時なども気を使う。
眠らせたり動きを止め続けるのも効率的ではないため、時々喚き散らす集団と一緒に行動している。
食事を全く与えないでいるのも、人道的な面や何日かの行程を考えると出来ない。
水分補給や排泄もだ。何気にほったらかしには出来ない。
だから……細かな世話をするゴーレムを作成した……
何をするにも僕達の中の誰かが世話をするには人数が多い。
結局はまた内緒にして! とお願いすることが増えてしまった。
今後僕にゴーレム作成の依頼が来ないようにするためだ!
……
……
……
そんな感じでゴーレムの種類が増えながらも、無事ハルーシア市が目前に見える所まで移動した。
ハルーシア市に近づいて来ると、市外の巡回騎士が驚きながらも近づいてきた。
色々と聞きたそうだったがセバスチャンに説明を任せた。
流石にプッチモ王子が率いているから丁重に扱われ、騎士が歩調を合わせて移動した。
ハルーシア市内への通行門は貴族用門ですぐに入れた。
僕達が二百人を捕らえているが、遠くから様子を窺がう行動があっただけで、誰からも襲撃はなかった。
ハルーシア市に入る時も特にはおかしい部分もなく、一旦は安心出来そうだ。
ハルーシア市に入ると騎士に連れられて、治安維持担当の者がいる、通行門近くの建物に案内された。
僕達冒険者グループと護衛騎士だけで話をする予定だったが、プッチモ王子は「何かが起こるかもしれない」と結局は皆で案内された建物に入った。
案内された建物に捕らえた二百一人を預け、僕とサーマン、セバスチャンとプッチモ王子が代表して事情聴取されることになった。
ここまでで僕達のゴーレムは目立ちまくっていた。ミスリルゴーレム馬はもちろんのこと、騎士がいなければムカデ型ゴーレムはヤバかった。
何がヤバイって、ムカデ型ゴーレムを見た冒険者は武器を抜くし……
収納すると一瞬で消えるからどうやったか騒がれたし……
プッチモ王子が途中から村などに入らずにハルーシア市まで来たし、盗賊も引き連れて来たから皆が混乱しているし……
そのプッチモ王子がムカデ型ゴーレムから出てきたことにも驚かれるし……
まーーそんな騒ぎがあったけど、事情聴取後にプッチモ王子はハルーシア邸に案内された。
僕達冒険者グループは高級な宿に案内され、今日のところは休むことになった。
まー本来は組織と言ったら良いんだろうが、集団の方が語呂が良い。アシデマトイ集団が増えた。
これは僕達の成果になるが、手間も増えていく。
流石にこのメンバーでは、僕達が色々と頑張るざるを得ない。
クロウが動きを止め、僕が檻を創造し、ソフィアが精神魔法で情報を聞き出す。
もう他のパーティーは何も……いや盗賊を檻に入れる手伝いだけをしている。
僕達は、そのままの役割分担で行動を続けて情報も得た。
……僕の役割の檻作りは創造で一瞬だった。
完成したゴーレムは、巨大な移動型ーー目立ちすぎる二百人が収監出来る檻つき・ムカデ型ゴーレムが出来上がったのだった。
……
……
「俺は……流石にそれは無いぞラウール! 何だその規格外な能力は! 今準備したなら、ラウールが作ったんだろ! ……王家にも欲しいぞそれ!」
ん、流石にこれは大きすぎたか……
でも引っ張って歩くと時間もかかるし、証人になる人は多い方が良いでしょ?
「それ……そのゴーレムだけで……この人数を乗せて移動できる物なんて、物流改革が出来るぞ! いやーー今はないが、戦争にも使われるぞ! 俺はこれ以上はあまり言わないが……一応人に見られていることだけは覚えておけよ。」
「あーー確かに大量に物が運べるね。人も運べるだろうし、檻は僕たちが攻撃しないと壊せないくらい頑丈だね!」
そんな忠告をされたが、今回はもう見られているし、手間を省くために続ける。
……
僕達が役割分担をして聞き出したことを、プッチモ王子とも情報共有した。
ハルーシア侯爵の名は出てこなかった。だが今回の集団にはハルーシア市の兵士が紛れていた。
盗賊や冒険者くずれだけではなく、貴族に雇われている身分の者がいた。
あまり地位は高くないがさっきの話とは別の兵士だ。
普段から何かあると、貴族らしき人物から依頼を受ける裏の仕事をしていた。
普段はその事を隠しハルーシア市で働いている。
この男達が率いる集団も怪しい男から持ちかけられた話だが、襲ってくれと言われた以外の情報は得られなかった。
更に相手の正体がばれないように対策が徹底されているようで、報酬さえ受け取れるなら相手の身分の確認まではしないそうだ。自分達の誰かが捕らえられても秘密を漏らさない工夫だそうだ。
んーー余計な工夫を!
この程度の情報だと誰が関与しているかはわからないな。だが普段はハルーシア市で働いているらしいから、このまま連れていこう。
他の人からも特にめぼしい情報が得られず、僕達は一人一人から話を聞き出さなくてもよかったな……と無駄な行動をしてしまったと思い、疲れた。
……
これだけの人数になってしまったから、村にもよらずまっすぐにハルーシア市に向かうことにした。
スピードは僕が作ったゴーレムだから速い。だが人数が多いことで、休憩時なども気を使う。
眠らせたり動きを止め続けるのも効率的ではないため、時々喚き散らす集団と一緒に行動している。
食事を全く与えないでいるのも、人道的な面や何日かの行程を考えると出来ない。
水分補給や排泄もだ。何気にほったらかしには出来ない。
だから……細かな世話をするゴーレムを作成した……
何をするにも僕達の中の誰かが世話をするには人数が多い。
結局はまた内緒にして! とお願いすることが増えてしまった。
今後僕にゴーレム作成の依頼が来ないようにするためだ!
……
……
……
そんな感じでゴーレムの種類が増えながらも、無事ハルーシア市が目前に見える所まで移動した。
ハルーシア市に近づいて来ると、市外の巡回騎士が驚きながらも近づいてきた。
色々と聞きたそうだったがセバスチャンに説明を任せた。
流石にプッチモ王子が率いているから丁重に扱われ、騎士が歩調を合わせて移動した。
ハルーシア市内への通行門は貴族用門ですぐに入れた。
僕達が二百人を捕らえているが、遠くから様子を窺がう行動があっただけで、誰からも襲撃はなかった。
ハルーシア市に入る時も特にはおかしい部分もなく、一旦は安心出来そうだ。
ハルーシア市に入ると騎士に連れられて、治安維持担当の者がいる、通行門近くの建物に案内された。
僕達冒険者グループと護衛騎士だけで話をする予定だったが、プッチモ王子は「何かが起こるかもしれない」と結局は皆で案内された建物に入った。
案内された建物に捕らえた二百一人を預け、僕とサーマン、セバスチャンとプッチモ王子が代表して事情聴取されることになった。
ここまでで僕達のゴーレムは目立ちまくっていた。ミスリルゴーレム馬はもちろんのこと、騎士がいなければムカデ型ゴーレムはヤバかった。
何がヤバイって、ムカデ型ゴーレムを見た冒険者は武器を抜くし……
収納すると一瞬で消えるからどうやったか騒がれたし……
プッチモ王子が途中から村などに入らずにハルーシア市まで来たし、盗賊も引き連れて来たから皆が混乱しているし……
そのプッチモ王子がムカデ型ゴーレムから出てきたことにも驚かれるし……
まーーそんな騒ぎがあったけど、事情聴取後にプッチモ王子はハルーシア邸に案内された。
僕達冒険者グループは高級な宿に案内され、今日のところは休むことになった。
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