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第二章 冒険者活動
第六十九話 ハルーシア市に到着しない
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僕達は盗賊に襲われた後は、事情を知る男一人を引き連れて先に進んだ。
ここからの道中は驚きが強すぎて、頭の中を整理出来ないサーマン達が無心で頑張っていた。
時々出現したオーク程度までの魔物を無傷で倒していた。
「プッチモ王子? しばらく自分の馬車に戻っていないけど、一回は戻ったら? 御付きの人達が何もすることがなさそうで、可愛そうだよ!」
「何を言っているラウール! ……あれは俺の世話を世話をしなくてもよくて、清々している顔だぞ! ……俺はこんなんだからな! ははははははーーーー」
つっ……そんなにも……どちらも不憫な。
だけど憎めない王子だと感じてしまうね。
何だかんだとまだ短い付き合いだけど、こんな王子だったら仕えても良いかと思えてしまう。
僕も歳をとったな!
「ーー私も一度は戻って欲しかったけど……。五日も一緒に移動していて、私達の時間がなかったんだけどーープッチモ王子? クロウやソフィアは気を使える子だけどね……」
ややサクラが不機嫌だ。
僕と二人っきりの時間がなかったから不満なようだ。
「……すまん……そんなに怒らないでくれ……。サクラの殺気は……俺は耐えられないだろう……」
何か『ふっ』と髪を掻き分けてキメ顔をしそうだったプッチモ王子だが、そこはサクラの殺気が封じ込めた。
「冗談は顔だけにしてくださいねプッチモ王子……私は不満なんですよ?」
サクラが怖い!
そしてクロウが声をかけてきた。
「我は空気を読まない! 敵襲! ラウール! 気づいてるだろうけど、先にあの男が率いていた盗賊以上の人数!」
じゃれていた僕達の時間が終わった。
クロウに言われる前から僕達の仲間は皆が気づいていたが、二百人程度の統率のとれた集団がこの先にいた。
……
……
「……? ラウール、何だ?」
そんな反応が普通なのだろうな……
「プッチモ王子! 他の人達にも伝令を! この先にはこの前よりも多くの人が待ち構えているとーー早く!」
僕の声を聞いたセバスチャンがプッチモ王子より先に動き、馬車から飛び降り他の馬車に飛び乗った!
ーー忍者か!
そんな感想を抱いたが、僕達の集団は移動の速度を落とし、前方を警戒しながら進んだ。
馬車に乗っていた戦闘メンバーはすべて下車し、この後の戦闘に備える。
この時点で僕達の発言を疑う者はいないようだ。
さあ宴の始まりだ……んーー?
さあ命を大事に!
ん?
何か自分の方向性がわからないと考えていると、敵らしき組織の先頭が見えた。
殺気がーー二百人だろう。
こいつらの後ろにいる人数は、盗賊より多い。
何か重装備な騎士らしき人物や、ある程度装備が整っている冒険者らしき人の姿がある。
「おい! 俺達一行が、国王の血筋の者がいると知っての行動なのか? 一応名乗るが俺はプッチモ・フォン・ファンフート! ……ファンフート王国の第二王子なのだがな!」
プッチモ王子が毅然と名乗るが、相手は薄ら笑いを浮かべている。
「はん! 我らはまー盗賊だ! ……赤の旅団とでも名乗っておこうか。……お前らが王子一行なら、金目の物は置いていけってな! 我らの糧になれ!」
そう言うとすぐに相手が弓を放ち、魔法で火や水、風の矢や玉が飛来した!
「くっ! 油断した! ……頼む、防御陣を敷けーー!」とプッチモ王子が叫んだ。
おそらくプッチモ王子はいきなり攻撃などしてこないと思ったのだろうが、僕達には油断はない。
多くの人の気配がするから前方にクロウが結界を張り、物理と魔法の両方の攻撃を防いだ。
「ん! ……流石黒猫! ーーこのまま頼む!」
プッチモ王子が普段はあまり呼ばないパーティー名を読んだ。
何か僕達の名前を呼ばない理由でも?
……
……
敵対している人物達が混乱している……
「黒猫? ーーあーー若いから本物か?」
「……あのオークロードを倒した奴らか!」
「ーーあの黒い鳥は……」
何かざわざわし、僕達の特徴を上げている。
大体は今まで僕達がやったことを知っている奴らと言うことは……あのわざとらしい盗賊を装った組織は……
僕達は相手からの攻撃で傷もおっていないが、どうするべきか考えた。
……
……
……
念話で皆とも相談した。
皆はまた一人を残して殲滅と答えたが、僕はこの前の戦闘の結果に満足はしていない。
後ろにいる人物はハッキリしていないし、もう少し話を聞き出せる人物が欲しい。
だからこそ自重をなくし行動すると決めたこともあり、全員を捕らえられないか相談した……
「良いよ! 我がやるよ!」そうクロウが僕に答えて、必要がないだろうに詠唱を始めた。
「我が決めた世界の理 『停止!』」
…………
クロウが唱えた魔法で、敵対している敵方の気配が……前方にいる人が止まった。
実際は少しずつは時間が進んでいるのだが、長い時間観察しないとわからないだろう。
「我の魔法はこれくらいで良いでしょ? 後はまた檻にでも閉じ込めたら?」
そうクロウに言われて僕はまた檻を創り、敵方の全員を捕縛した。
……
……流石にこの人数を移動させるためにはまた移動出来るゴーレムが必要だ……
はーーまた創造かーー
もうすぐハルーシア市にはつくが、道中の仕事量が他の人より多く感じる……
ここからの道中は驚きが強すぎて、頭の中を整理出来ないサーマン達が無心で頑張っていた。
時々出現したオーク程度までの魔物を無傷で倒していた。
「プッチモ王子? しばらく自分の馬車に戻っていないけど、一回は戻ったら? 御付きの人達が何もすることがなさそうで、可愛そうだよ!」
「何を言っているラウール! ……あれは俺の世話を世話をしなくてもよくて、清々している顔だぞ! ……俺はこんなんだからな! ははははははーーーー」
つっ……そんなにも……どちらも不憫な。
だけど憎めない王子だと感じてしまうね。
何だかんだとまだ短い付き合いだけど、こんな王子だったら仕えても良いかと思えてしまう。
僕も歳をとったな!
「ーー私も一度は戻って欲しかったけど……。五日も一緒に移動していて、私達の時間がなかったんだけどーープッチモ王子? クロウやソフィアは気を使える子だけどね……」
ややサクラが不機嫌だ。
僕と二人っきりの時間がなかったから不満なようだ。
「……すまん……そんなに怒らないでくれ……。サクラの殺気は……俺は耐えられないだろう……」
何か『ふっ』と髪を掻き分けてキメ顔をしそうだったプッチモ王子だが、そこはサクラの殺気が封じ込めた。
「冗談は顔だけにしてくださいねプッチモ王子……私は不満なんですよ?」
サクラが怖い!
そしてクロウが声をかけてきた。
「我は空気を読まない! 敵襲! ラウール! 気づいてるだろうけど、先にあの男が率いていた盗賊以上の人数!」
じゃれていた僕達の時間が終わった。
クロウに言われる前から僕達の仲間は皆が気づいていたが、二百人程度の統率のとれた集団がこの先にいた。
……
……
「……? ラウール、何だ?」
そんな反応が普通なのだろうな……
「プッチモ王子! 他の人達にも伝令を! この先にはこの前よりも多くの人が待ち構えているとーー早く!」
僕の声を聞いたセバスチャンがプッチモ王子より先に動き、馬車から飛び降り他の馬車に飛び乗った!
ーー忍者か!
そんな感想を抱いたが、僕達の集団は移動の速度を落とし、前方を警戒しながら進んだ。
馬車に乗っていた戦闘メンバーはすべて下車し、この後の戦闘に備える。
この時点で僕達の発言を疑う者はいないようだ。
さあ宴の始まりだ……んーー?
さあ命を大事に!
ん?
何か自分の方向性がわからないと考えていると、敵らしき組織の先頭が見えた。
殺気がーー二百人だろう。
こいつらの後ろにいる人数は、盗賊より多い。
何か重装備な騎士らしき人物や、ある程度装備が整っている冒険者らしき人の姿がある。
「おい! 俺達一行が、国王の血筋の者がいると知っての行動なのか? 一応名乗るが俺はプッチモ・フォン・ファンフート! ……ファンフート王国の第二王子なのだがな!」
プッチモ王子が毅然と名乗るが、相手は薄ら笑いを浮かべている。
「はん! 我らはまー盗賊だ! ……赤の旅団とでも名乗っておこうか。……お前らが王子一行なら、金目の物は置いていけってな! 我らの糧になれ!」
そう言うとすぐに相手が弓を放ち、魔法で火や水、風の矢や玉が飛来した!
「くっ! 油断した! ……頼む、防御陣を敷けーー!」とプッチモ王子が叫んだ。
おそらくプッチモ王子はいきなり攻撃などしてこないと思ったのだろうが、僕達には油断はない。
多くの人の気配がするから前方にクロウが結界を張り、物理と魔法の両方の攻撃を防いだ。
「ん! ……流石黒猫! ーーこのまま頼む!」
プッチモ王子が普段はあまり呼ばないパーティー名を読んだ。
何か僕達の名前を呼ばない理由でも?
……
……
敵対している人物達が混乱している……
「黒猫? ーーあーー若いから本物か?」
「……あのオークロードを倒した奴らか!」
「ーーあの黒い鳥は……」
何かざわざわし、僕達の特徴を上げている。
大体は今まで僕達がやったことを知っている奴らと言うことは……あのわざとらしい盗賊を装った組織は……
僕達は相手からの攻撃で傷もおっていないが、どうするべきか考えた。
……
……
……
念話で皆とも相談した。
皆はまた一人を残して殲滅と答えたが、僕はこの前の戦闘の結果に満足はしていない。
後ろにいる人物はハッキリしていないし、もう少し話を聞き出せる人物が欲しい。
だからこそ自重をなくし行動すると決めたこともあり、全員を捕らえられないか相談した……
「良いよ! 我がやるよ!」そうクロウが僕に答えて、必要がないだろうに詠唱を始めた。
「我が決めた世界の理 『停止!』」
…………
クロウが唱えた魔法で、敵対している敵方の気配が……前方にいる人が止まった。
実際は少しずつは時間が進んでいるのだが、長い時間観察しないとわからないだろう。
「我の魔法はこれくらいで良いでしょ? 後はまた檻にでも閉じ込めたら?」
そうクロウに言われて僕はまた檻を創り、敵方の全員を捕縛した。
……
……流石にこの人数を移動させるためにはまた移動出来るゴーレムが必要だ……
はーーまた創造かーー
もうすぐハルーシア市にはつくが、道中の仕事量が他の人より多く感じる……
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