今世は夫婦で冒険者パーティー黒猫 ～前前世は冴えなかったが前世は最強！ で、今世も最強で旅をする。気ままに弟子を育てながら気まぐれに生きてい

第二章 冒険者活動

第六十八話 盗賊？退治の後始末

僕達は流石に説明しなければいけないんだろうな……
戦いは一瞬で終わったが、僕達がやったことは理解できないだろう。


「プッチモ王子ーー先に僕達の説明が良い？ それともあそこで腰を抜かしている臭い男でも尋問してしまう？」
そう僕は失禁している盗賊？を指差した。


あまりにも不自然すぎて盗賊とは思ってないんだけどね。


「んーーラウールがそう選択させるなら……んーー一応俺は王家を代表しているからな。尋問してしまうか。」


プッチモ王子はそう言って自分についてきた王家の関係者、文官を呼んだ。

だが僕はそんなことは時間がかかり無駄だと思い、ソフィアにお願いするかと思っている。

ソフィアには念話で了承は得られている。


「プッチモ王子ーーソフィアに任せようよ！ 何か聞いてみたらソフィアは精神に作用させる魔法が得意らしいから。」

そう……ソフィアは前世の時から僕達の中で一番だったことが、精神に作用させる魔法だった。
あの闇落ち勇者の時もこれで活躍できていた。
（懐かしいな）


「ほーー妖精さんは精神魔法が出来るのか。さっきのラウール達の魔法も凄かったが、得意な部分か……」


「そうだよ！ だから僕の言葉を信じて一回は試してよ！ 駄目でも精神は壊れないだろうから。」


僕のその後の説得もあり、無駄な時間は使わなくても良さそうだった。

プッチモ王子は「俺にかけるなよ！」と言いながらソフィアに任せてくれた。

……
……

目の前にはリーダー？ 隊長？らしき人物が陰部周囲を汚くして座り込んでいる。

僕達の前に連れられてくる前にもさらっと尋問されたようだが、何も言わなかったそうだ。


そこでソフィアは何かを呟くと、目の前の男の目がトロンした。

……
……


そこで話されたことが、何時もの何処にでもある話だった。

男が言った……

黒いフードを目深に被り、武器は今より良い物を提供するからやってほしいことがある。
それは、ある貴族がハルーシア市に向けて移動している。
その貴族とは我々は敵対関係にある。
だから全滅させられなくとも被害を与えて欲しい。
その後は我々の組織が追撃するから、決して無理をして攻撃をしないように言われた。
その男からは依頼されたことがわからないように、誰も生きたまま捕まらないように念を押された。

自分達は普段はこの道を通る盗賊を生業にしている。
そんな自分達にいきなりそんな依頼をされたから戸惑ったが、報酬が良く受けてしまった。
ーー報酬が良くなくとも有無を言わさぬような雰囲気を醸し出され、おそらく依頼してきた相手は人を使い慣れていると思われた。

だから全力で受けたが、今はこんな状況だ。
出来ることなら自分一人でも見逃して欲しいが、まーー無理だろうな……と諦めている。

ただガイブンーー

そう話していた……

と精神魔法を受けた男が話した。

……

ガイブンと言う名前が出てきたか。
この男は魔法で話し出したからやや時系列が怪しい説明だが、名前を聞いたのなら後で証言してもらうことも出来る。


この男はハルーシア市か王都まで無事に移送する必要があると、プッチモ王子と意見が一致した。


だからムカデ型ゴーレムをもう一体こっそり創造し、プッチモ王子に見せた。

ムカデ型ゴーレムの上には、箱形だが格子で囲まれた牢屋のような物を設置した。

周りからの攻撃もほぼ無効化出来る優れものだ。

……

これを見たプッチモ王子は驚いたと同時に「ふむ。これは俺自ら一緒に行動しなければいけない。目を離す事は出来ないからな！」と他の人の説得も聞き入れず、ボクたちの馬車に無理やり同乗する方向へ話を持っていった。


……
……


事後処理を終え、僕達のムカデ型馬車にはプッチモ王子が乗っている……

後ろに繋がれた……形だけ紐で連結された盗賊の男が乗っている馬車も後ろについて来ている。


「セバスチャンさん……これは良いのですか？ ただの護衛の冒険者の馬車に王家の人が乗っているのは？」
プッチモ王子だけでなく、ちゃっかりと？ 必然的に執事のセバスチャンさんも僕達の馬車に乗っていた。


「はい。このような快適な空間に王子様と共に同乗出来たことは喜ばしい限りです。……私が見るからには……空間魔法まで使われていますね？ ……現在ファンフート王国では、空間魔法の使い手、付与魔法師はおりませんが……どなたの作品なのでしょうね。」


う……んーー流石セバスチャンの名を持つものだ……。暗にホホホホホホーーと言っているのか？
……もとい、あなた方の不思議な行動はつかんでいますよ！ とでも言いたいのか？


「ははは……は、プッチモ王子！ 僕達の馬車に乗って先に進みますか！ もし盗賊の話が……盗賊にこの話をした人物の言うことが本当なら、まだハルーシア市につくまでに襲われそうですから！」


「おう！ 良いのかラウール、サクラ。俺はありがたいが……と言うか、俺の馬車よりも居心地が良すぎるぞ！ と……何だよこの広さは……風呂までついてるって……お前らは王族か！ 王族以上か！」


そんなプッチモ王子の感想を聞きながら先に進んだ。