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第二章 冒険者活動
第五十三話 アルスとデルタの冒険者登録
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僕達はアルスとデルタを連れ出し色々な商店を見て歩いた。
獣耳や身体などは特徴があるから、ローブやフードで隠す。
まるで子供が自分より大きな人型を連れていて怪しげな集団である……
だが目的の創っていない家具や調理器具などと小物を買い込み、生活必需品は揃えることが出来た。
次はいよいよ冒険者ギルドに向かう。
冒険者ギルドには極少数だが獣人がいるので、登録は問題ないだろう。
僕達が連れて歩いていることもあり、絡まれることも考えにくい。
……
特に何事もなく冒険者ギルドに到着し、僕達は中に入った。
「おいおい黒猫が自分より大きい奴らを連れているぞ!」
「何だーー弟子か? 自分達よりデカイ奴を弟子にしたのかーー」
「あいつらは騎士爵になったんだよな? 俺達みたいな平民が絡んだら駄目だぞ!」
「副ギルドマスターを呼んでこい!」
……最後の奴……僕達が来ても副ギルに声をかけなくても良いんだよ。
冒険者登録が出来るのなら、受付にいる人で十分なんだけど…
そう僕が思っていても上手くいくわけがない。
副ギルが僕達の前に現れて、結局ギルドマスターの部屋に行くことになった……
自然と僕達が座ると目の前にはお茶が運ばれてきた。
アルスとデルタも座ると、同じく飲み物が運ばれてきた。
「それで今日は何のようだ。言っておく俺のこんな対応でも不敬罪にはならないからな……俺も貴族だからな。それに冒険者ギルドは貴族でもそこまで特別視しないぞ。俺達にも依頼を断る拒否権くらいはあるからな。」
……
「……そんなに大きな話ではないよ……。今日は冒険者登録をするために来たんだから……。」
「お前らはもう冒険者だろ? ……そのフードを被った二人か登録するのは?」
「そうなんですよ。今日はただ冒険者登録をするために来たのに……僕達へのこの対応はなんなの!」
……
「ふむ、ちょっとは我慢しろ。お前らは今王都で一番有名な冒険者だ。いくらか時間が経つと落ち着くだろう。……それで、そいつらの冒険者登録は俺がここでしてやろうか?」
「良いの? 副ギル自ら登録なんて何か悪いね、よっ副ギル男だね!」
副ギルは頭を抱えている。
「……まあ良いだろう。それでは身分証明が出来るものはあるか?」
代表してなのか、アルスが話し出した。
「無い……昨日まで奴隷だった……」
ハッキリ言っちゃったよ……口止めしていなかった。
「おいラウール、これはどういうことだ? 昨日まで奴隷? お前らが買って解放したのか?」
はーーめんどくさい。だけど誤魔化した方が良いのかな?
「だとしても奴隷を何故手にいれたんだ? 今はプッチモ王子の依頼を受けていて、そんな時間はないだろ?」
んーー副ギルには話しても良いのかな……
悩んだ末僕は副ギルにはある程度話すことにした。都市に入る時にいくらか事情を話しているから、どこからか話が聞こえてくると不味い気がする。
だから僕はこの二人が獣人だということ。
オークの小さな集落に捕らえられていたこと。
その前は奴隷だが、違法奴隷になり持ち主がオークに殺られて所有者が曖昧になっていたこと。
助けた僕が仮の主になり、めんどくさくなり奴隷からは解放した。だけど生きていける状況になるまでは世話をすることを説明した……
「なるほどな……だが一つ聞きたいんだが……どうやって奴隷から解放した? 奴隷商には頼んでないんだよな?」
「んーーー内緒!」
……
「言われると思ったぜ……まーー今奴隷でないのなら聞かないでおこう……。何となく聞いた方がヤバイ気がするからな。」
「よっ流石副ギル! 小さなことは気にしない男だね!」
「……はははは」
乾いた声で笑っているが、真剣な表情となり副ギルは話し出した。
「まあ丁度良かったな。奴隷は個人の持ち物として見られるから、各種ギルドには登録なんて出来ないからな。」
おー良かった……終わりよければすべてよしではないが、良かった。
そこからは副ギルが手続きを滞りなく進めた。流石に副ギルの肩書きがあり、受付にも時々いる人。仕事は出来るんだな。
最後にアルスとデルタのステータスが確認できるようになった。
計算は苦手で、平均値は? と聞いてもピンときていない。
だから教えても良いと思える情報を、僕達に教えてと伝えた。
アルスは元々いた村ではそこまで強い男ではなかった。
だが身体は高い数値で、精神と魔力が低い。スキルも体術と短剣術がある程度だった。おそらくはゴブリンのある程度の集団と、オークが単体であれば倒せるくらいだ。
一方のデルタはおとなしい性格のようだが、魔物の討伐は積極的にしていたようで、アルスより全体的に高い数値だった。そしてスキルは体術と短剣術に気配察知もある。
んーー思ったよりも冒険者として早く独り立ち出来る気がする。
冒険者ランクも二十歳を越えていることと、獣人という種族特性もあり、Eランクから開始となった。
無事に目的の冒険者登録を終え、副ギルにお礼をいって、もう一つお願いをした。
今後王子の依頼にアルスとデルタも一緒に行っても良いか確認してほしいと伝えた。
副ギルはため息をつきながらも「やってやるよ」と返事をしてくれた。
今度こそ僕達は副ギルへ丁寧にお礼を言って冒険者ギルドを出るのであった。
獣耳や身体などは特徴があるから、ローブやフードで隠す。
まるで子供が自分より大きな人型を連れていて怪しげな集団である……
だが目的の創っていない家具や調理器具などと小物を買い込み、生活必需品は揃えることが出来た。
次はいよいよ冒険者ギルドに向かう。
冒険者ギルドには極少数だが獣人がいるので、登録は問題ないだろう。
僕達が連れて歩いていることもあり、絡まれることも考えにくい。
……
特に何事もなく冒険者ギルドに到着し、僕達は中に入った。
「おいおい黒猫が自分より大きい奴らを連れているぞ!」
「何だーー弟子か? 自分達よりデカイ奴を弟子にしたのかーー」
「あいつらは騎士爵になったんだよな? 俺達みたいな平民が絡んだら駄目だぞ!」
「副ギルドマスターを呼んでこい!」
……最後の奴……僕達が来ても副ギルに声をかけなくても良いんだよ。
冒険者登録が出来るのなら、受付にいる人で十分なんだけど…
そう僕が思っていても上手くいくわけがない。
副ギルが僕達の前に現れて、結局ギルドマスターの部屋に行くことになった……
自然と僕達が座ると目の前にはお茶が運ばれてきた。
アルスとデルタも座ると、同じく飲み物が運ばれてきた。
「それで今日は何のようだ。言っておく俺のこんな対応でも不敬罪にはならないからな……俺も貴族だからな。それに冒険者ギルドは貴族でもそこまで特別視しないぞ。俺達にも依頼を断る拒否権くらいはあるからな。」
……
「……そんなに大きな話ではないよ……。今日は冒険者登録をするために来たんだから……。」
「お前らはもう冒険者だろ? ……そのフードを被った二人か登録するのは?」
「そうなんですよ。今日はただ冒険者登録をするために来たのに……僕達へのこの対応はなんなの!」
……
「ふむ、ちょっとは我慢しろ。お前らは今王都で一番有名な冒険者だ。いくらか時間が経つと落ち着くだろう。……それで、そいつらの冒険者登録は俺がここでしてやろうか?」
「良いの? 副ギル自ら登録なんて何か悪いね、よっ副ギル男だね!」
副ギルは頭を抱えている。
「……まあ良いだろう。それでは身分証明が出来るものはあるか?」
代表してなのか、アルスが話し出した。
「無い……昨日まで奴隷だった……」
ハッキリ言っちゃったよ……口止めしていなかった。
「おいラウール、これはどういうことだ? 昨日まで奴隷? お前らが買って解放したのか?」
はーーめんどくさい。だけど誤魔化した方が良いのかな?
「だとしても奴隷を何故手にいれたんだ? 今はプッチモ王子の依頼を受けていて、そんな時間はないだろ?」
んーー副ギルには話しても良いのかな……
悩んだ末僕は副ギルにはある程度話すことにした。都市に入る時にいくらか事情を話しているから、どこからか話が聞こえてくると不味い気がする。
だから僕はこの二人が獣人だということ。
オークの小さな集落に捕らえられていたこと。
その前は奴隷だが、違法奴隷になり持ち主がオークに殺られて所有者が曖昧になっていたこと。
助けた僕が仮の主になり、めんどくさくなり奴隷からは解放した。だけど生きていける状況になるまでは世話をすることを説明した……
「なるほどな……だが一つ聞きたいんだが……どうやって奴隷から解放した? 奴隷商には頼んでないんだよな?」
「んーーー内緒!」
……
「言われると思ったぜ……まーー今奴隷でないのなら聞かないでおこう……。何となく聞いた方がヤバイ気がするからな。」
「よっ流石副ギル! 小さなことは気にしない男だね!」
「……はははは」
乾いた声で笑っているが、真剣な表情となり副ギルは話し出した。
「まあ丁度良かったな。奴隷は個人の持ち物として見られるから、各種ギルドには登録なんて出来ないからな。」
おー良かった……終わりよければすべてよしではないが、良かった。
そこからは副ギルが手続きを滞りなく進めた。流石に副ギルの肩書きがあり、受付にも時々いる人。仕事は出来るんだな。
最後にアルスとデルタのステータスが確認できるようになった。
計算は苦手で、平均値は? と聞いてもピンときていない。
だから教えても良いと思える情報を、僕達に教えてと伝えた。
アルスは元々いた村ではそこまで強い男ではなかった。
だが身体は高い数値で、精神と魔力が低い。スキルも体術と短剣術がある程度だった。おそらくはゴブリンのある程度の集団と、オークが単体であれば倒せるくらいだ。
一方のデルタはおとなしい性格のようだが、魔物の討伐は積極的にしていたようで、アルスより全体的に高い数値だった。そしてスキルは体術と短剣術に気配察知もある。
んーー思ったよりも冒険者として早く独り立ち出来る気がする。
冒険者ランクも二十歳を越えていることと、獣人という種族特性もあり、Eランクから開始となった。
無事に目的の冒険者登録を終え、副ギルにお礼をいって、もう一つお願いをした。
今後王子の依頼にアルスとデルタも一緒に行っても良いか確認してほしいと伝えた。
副ギルはため息をつきながらも「やってやるよ」と返事をしてくれた。
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