今世は夫婦で冒険者パーティー黒猫 ~前前世は冴えなかったが前世は最強! で、今世も最強で旅をする。気ままに弟子を育てながら気まぐれに生きてい

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第一章 新しい生活

第二十四話 オークの探索

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王都から出る前に、騎士達は金属鎧から動きやすい革鎧になった。武器もビルルは片手剣で、フィフトはナイフを二振り装備している。

森など外を探索する時はこの装備で動いていると話しており、体に馴染んでいる印象を受けた。

この二人は命令するのではなく、自分達で動いて確認する人達だと感じ安心した。



そしてビルルは自分達の割り当ては王都の北、森の中になると説明した。
『森』『森』と言っているがそれは王都の回りだけではなく、自然の力には敵わず地球のように開発は出来ていないため広大だ。

外には森、平野、山、砂漠等が自然に存在する。人の手で改良が加えられるのは、町や畑、道程度で、魔物が隠れることが出来る場所が多く存在する。


だから僕達がまだ依頼で出向いたことのない、王都の北に向かった。


森の中の探索になり、ビルルよりもフィフトが先に進み始めた。何でも細かな気配を探るのは、フィフトの方が得意らしい。そしてビルルは戦闘で力を発揮するため、周囲を警戒し前に進んでいる。


その後ろを守るのが僕達だ。騎士の二人は僕達を馬鹿にしているわけでもなく、きちんと話し合った結果がこの布陣になった。

クロウも、フィフトと一緒で魔物の探索をする。おそらくフィフトよりも遠くまで探れるが、比べたわけでもないので正確にはわからない。

僕とサクラは後ろからの不意打ちを防ぐ事と、前で戦闘が始まった時に遊撃の役割になる。
元々所属が違う者同士では、連携が取りにくい。だからこそ僕達も文句はなかった。



周囲を警戒し先へと進んで行く。
クロウは魔物の気配を察知しているが、フィフトから発見したと言う言葉はない。


その魔物の気配がする近くまで到達し、初めてフィフトが「この先に魔物がいるぞ。」と言った。


ん~、得意って言う人でもこれくらいなんだね……。これだと僕達が前に出た方がいいかな?


魔物は十メートル程度前方で、僕達の進行方向とは違う方へ歩いていた。

その魔物にビルルが素早く駆け寄り、切りつける。一撃で仕止め、他の二匹の魔物も直ぐに倒した。
ゴブリンなら一撃で倒せるくらいは強いようだ。


このゴブリンに関しては、今回は依頼を受けていないため、穴に埋めることになった。

騎士達は何処からか、小さなスコップのような道具を取り出た。そして人力で穴を掘る体勢になったので、僕達はそれを止めた。


「体力の無駄使いだよ。僕が魔法を使うから、そこから離れてて。」


僕はそう言いながら、ゴブリンの側に穴を開けた。
その後でゴブリンの下の土も魔力で操作して、ゴブリンを穴に落とし埋めた。


「はい終わり。じゃあ次は僕達が先頭で進みたいんだけど?」

目の前でおきた光景が信じられないのか、なかなか返事がない。


「もしもーし、聞こえていますか~。」


もしもしは通じないな。


「ちょっと聞こえていますか~! ただの魔法ですよ~! 先に進みますよ~!」


と何度か声をかけると、ようやく反応してくれた。


「今の出来事はなんじゃ?こんな魔法は知らないぞ? ワシの目と耳が悪くなったのか?」


ん~、この世界の魔法では、自由自在に土を動かせるものじゃあないんだね。


「魔法ですよ。他にも出来る人がいるのかはわからないけど。ビルルさんかフィフトさんは魔法を使えるの?」


「ワシは攻撃の魔法は無理じゃ。ただ魔力はあるぞ。スキルで気配も察知できるぞ。ビルルは近接戦闘のスキルはいくつかあるが、魔法は使えないはずじゃ。詳しくは内緒だじゃぞ。」


「じゃあ、騎士が見ることが出来る、最高の魔法使いは出来るんじゃない? 分類は……土魔法?」


「何故疑問なのじゃ……。ステータスに載っているなら自信をもって言うのじゃ。」


「それは内緒。魔法はどんな種類があるの?」


「魔法が使えないワシに聞くのか? まあ知っている範囲じゃと火、水、風、土と特殊属性があると学んだのじゃ。特殊属性は様々な種類があるぞ。召喚や空間、時空、回復……え~、光に分類されるかも知れないのじゃが、回復魔法もあるのじゃ。」


へ~、大体どこでも同じだけど、特殊属性に分類されるものが多いな。


「ありがとう! これくらいでビルルさんも復活しているかな?」

僕がそう言うと声は出ていないが、首を縦に振り意思表示が出来た。


「じゃあ、さっき僕が言ったように、役割を交代しよう。今回の目的はオークの探索でしょ? だったら遠くまで魔物がいないか探れる、クロウが先頭になった方がいいよ。」


「遠くまでじゃと?」


「うん。僕たち二人もある程度は探れるけどね。でもクロウが一番探索が上手いよ。」


「我はオークが多く集まっている場所は見つけたよ! ちょっと遠いし、あの地形は見つけにくいよ!」


フィフトさんとビルルさんはまた驚いている。
クロウがここまで流暢に話が出来ているから?それとも能力が信用出来ないか?


「試しに進んでみようよ。僕とサクラが怪我をしても何も言わないから。」


「私は言うわよ! 怪我をしたら駄目よ! ラウールの血なんて見たくないわよ……。」


「ありがとうサクラ。じゃあ無傷で進むから、前に出ていいでしょ! もし僕達が道に迷ったり、魔物に苦戦していたら代わってもいいから!」


そんな感じで僕達は押し通した。このまま進んでも、オークを見つけるのが何時になるかわからない。
さくさく行こう!


こうしてまた先に進むのだった。
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