異邦の13人ーThe 13 of Etranzeー

ロン・インディー

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1章3部アラビア海航海編ーインド・ヴァルダナ王朝ー

第三十話 語部優の過去#3ー苦痛と痛みー

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 すると黙橋切也は「はあ。」と溜息をつき「いままでなにをしていきてきた?」と聞いた。黙橋切也は質問をした。
「お前ゲームはした事あるか?」
「無いです。そんな購入するお金が…」
「……そうか。雑誌は?漫画や月刊は?」
「興味はありません。」
「…………趣味は?」
「昔話や民話が好きです。」
「……どんな民話が好きだ…?桃太郎か…?浦島太郎か……?もしくは金太郎か…?」
「子ヤギとか…神父を殺した少年とか…愚かな猿とか…鬼の国…とか…」
「どこの話だよ…?!」
「海外の民話です。」
「……………お前さ世間のこと知らなさすぎだろ…」
 黙橋切也は呆れた口調と態度で言った。
「すみません。やっぱり僕帰ります。」
 僕はそう言い夕方六時過ぎに家に帰った。
 
 僕はボロボロで廃墟に近いほどの木造平屋建ての家の玄関のドアを開けた。そして僕は「ただいま…」と暗い玄関に向かって声を掛けた。
 僕はいつもの様にカバンを自室に置きそして僕はいつもの場所に向かう。
 広い畳の部屋、いつもの如く線香をたき仏壇の前に腰を下ろし正座して合掌しながら言った。
「お父さんお母さんただいま。天国ではどんな事をしていましたか?」
 語部優の両親は既に事故で亡くしていた。語部優は仏壇に向かって今日あったことを語る。
「今日は優しいお兄さんが僕を助けてくれました。そのおかげで痛みや苦痛が忘れられた一日でした。」
 その後語部優は仏壇に向かって次の話をした。それはこの家主の祖母のことである。
「昨日病院へ行き祖母のことを聞きました。もう余命は数週間か二ヶ月ぐらいだろうと…。」
 語部優は涙が目から溢れ出しその場で丸まって静かな家に自分の嗚咽だけが響いた。
 
 翌日ー。語部優はいつもの様に学校へ登校しているといじめっ子らがいた。
「………」
 いじめっ子のガキ大将と僕は沈黙の睨み合いが二~三秒続いた後、何とあのいじめっ子が何もせず歩いていった。語部優は大きく深呼吸をして安堵した。そして今日はいじめなどはなく放課後になった時、僕は昇降口から出た瞬間どこからともなく声が聞こえてきた。
「語部!!」
「?!」
 語部優はビクッと体が跳ね周りをウロウロして見渡していると正面、校門前に黙橋切也がバイクに乗って待っていた?
「えぇ!黙橋先輩?!」
 語部優は大声で叫んだ。するとその声に周りの高学年男子や女子が騒ぎ始めた。
「黙橋って!最強の不良少年で有名な中学生だよね!」
「こ、こえぇ…!圧が違う…。」
 語部優は黙橋切也の近くまで来た時、黙橋先輩は僕の腕を引っ張りバイクの後ろに乗せた。
「黙橋先輩…、このバイクって未成年者で乗るなんて違法ですよ…!」
「うるせぇ!この年頃なると、い方を犯したくなるだよっ!」
 黙橋切也はブゥオォォォン!!とエンジンをかけて走り出した。
 黙橋先輩は徐々にとスピードを上げ最終的には六十キロを超えていた。ヘルメットを被っていない語部優は片手で頭を守りもう片方は黙橋先輩の中学の制服を握った。
 そして僕はバイクで風を斬る音で自分の声も聞こえない中、黙橋先輩に叫ぶ勢いで聞いた。
 「黙橋先輩!ヘルメットはあるのですか?!」
「はあ?!なんだって?!」
「ヘルメットはあるのですか?!」
「そんな物はねぇーよっ!あ、そうだ!これを付けろ!」
「これは?」
 黙橋先輩が語部優に渡したのはゴーグルだった。
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