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1章2部 ペルシャ湾航海編
第十五話 船乗りのシンドバッド
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するとアリババは語部優とモルジアナに言った。
「今のうちに逃げましょう!」
語部優とモルジアナはアリババの言葉に頷きアリババら三人は外へ駆けだす。
「待ちやがれ異邦人めッ!」
一人の兵士が語部優の後ろ襟をカジっと掴み行く手を阻む。するとアウロラは語部優の顔を操り兵士の方を向く、語部優の顔は鬼の形相のような別人の顔つきに変わり叫んだ。
「その手を離せッ!!」
語部優の眼球は綺麗な青色へと変化し、それを見ていた衿元を掴む兵士の目が血飛沫を上げた。兵士の両目が破裂した。
兵士は両目を手で覆い「ギャァァァ!目がァッ!」と声を上げその場に倒れた。
そして語部優ら三人はカシムの豪邸から逃げ出す事ができた。
「今の力は…」
語部優の普段の目の色に変わり自分の目に手を当て呟いた。
「今少年の顔を借りた。感さろよ。」
アウロラは大きな態度語部優に感謝するように言った。
その後三人はひたすら走り続け兵士の多い兵舎や町は避けて慎重の末辿り着いたのは巨大な港が広がる港湾都市。
「でかい港ですね。」
「ここはこの国一番デカい港湾都市。ここなら少年らを兵士から庇ってくれる船乗りがいるかもしれん。」
そうアウロラが語り終わったすぐ、語部優らの目先に停泊するあまり大きくない船があった。そして船の近くにはクーフィーヤを風でなびかせ紫のトーブと白のスボンを履き中東のつま先の尖った黒靴を履いた男が船に乗り込もうとしていた。
「あの人に言ったら船に乗せてくれるかもしれません!」
アリババが語部優とモルジアナに言った。すると街の方から人混みに紛れて男の声が聞こえてきた。
「いたぞッ!」
ペルシヤ軍近衛兵団長が語部優らを見つけ大声で伝えた。
「皆さん早く行きましょう!」
語部優らは一斉に船の方に走り出した。
「逃がすな、捕まえろッ!」
ペルシヤ兵は周りの国民を押しのけ語部優らを追いかける。
語部優は男に大声で「ちょっと待ってください!」と呼び止めた。
男は足を止めて、語部優らの方を向いた。
「君たちは?僕になんの用?」
男は爽やかな声で聞く。語部優は男に今の事態を語った。
「今僕たちは国の兵士に追われてます!少しの間、船内で庇ってくれませんか?」
「ほお、この国の兵士に?」
男はこちらに迫って来るペルシヤ兵を見て語部優らに言った。
「いいぞ、船に乗れ。」
語部優、アリババ、モルジアナと船へ乗船。最後、男が乗ると大越で言った。
「船出だ!錨を上げで帆を上げろ!」
すると船内から六人の大男が出てきて、錨を上げて帆を上げた。そして船はゆっくりと離岸した。
そしてペルシヤ兵が岸に到達した時には既に十メートル以上も海岸から離れていて届く距離ではなかった。
語部優らは船の上から諦めて去っていくペルシヤ兵を眺めた後、船に乗せてくれた男に礼を言った。
「ありがとうございます。おかげで命拾いしました。」
「礼なんていいさ。ゆっくりとしていってくれ。」
男はそう言ったあと続けて自己紹介をはじめた。
「さて僕らに会ったからには自己紹介をしなくてはね。僕はこの船の船長、商人をしながら旅をしている船乗りのシンドバッドだ。よろしく!」
船乗りのシンドバッドは満面な笑顔で語部優に言った。
「今のうちに逃げましょう!」
語部優とモルジアナはアリババの言葉に頷きアリババら三人は外へ駆けだす。
「待ちやがれ異邦人めッ!」
一人の兵士が語部優の後ろ襟をカジっと掴み行く手を阻む。するとアウロラは語部優の顔を操り兵士の方を向く、語部優の顔は鬼の形相のような別人の顔つきに変わり叫んだ。
「その手を離せッ!!」
語部優の眼球は綺麗な青色へと変化し、それを見ていた衿元を掴む兵士の目が血飛沫を上げた。兵士の両目が破裂した。
兵士は両目を手で覆い「ギャァァァ!目がァッ!」と声を上げその場に倒れた。
そして語部優ら三人はカシムの豪邸から逃げ出す事ができた。
「今の力は…」
語部優の普段の目の色に変わり自分の目に手を当て呟いた。
「今少年の顔を借りた。感さろよ。」
アウロラは大きな態度語部優に感謝するように言った。
その後三人はひたすら走り続け兵士の多い兵舎や町は避けて慎重の末辿り着いたのは巨大な港が広がる港湾都市。
「でかい港ですね。」
「ここはこの国一番デカい港湾都市。ここなら少年らを兵士から庇ってくれる船乗りがいるかもしれん。」
そうアウロラが語り終わったすぐ、語部優らの目先に停泊するあまり大きくない船があった。そして船の近くにはクーフィーヤを風でなびかせ紫のトーブと白のスボンを履き中東のつま先の尖った黒靴を履いた男が船に乗り込もうとしていた。
「あの人に言ったら船に乗せてくれるかもしれません!」
アリババが語部優とモルジアナに言った。すると街の方から人混みに紛れて男の声が聞こえてきた。
「いたぞッ!」
ペルシヤ軍近衛兵団長が語部優らを見つけ大声で伝えた。
「皆さん早く行きましょう!」
語部優らは一斉に船の方に走り出した。
「逃がすな、捕まえろッ!」
ペルシヤ兵は周りの国民を押しのけ語部優らを追いかける。
語部優は男に大声で「ちょっと待ってください!」と呼び止めた。
男は足を止めて、語部優らの方を向いた。
「君たちは?僕になんの用?」
男は爽やかな声で聞く。語部優は男に今の事態を語った。
「今僕たちは国の兵士に追われてます!少しの間、船内で庇ってくれませんか?」
「ほお、この国の兵士に?」
男はこちらに迫って来るペルシヤ兵を見て語部優らに言った。
「いいぞ、船に乗れ。」
語部優、アリババ、モルジアナと船へ乗船。最後、男が乗ると大越で言った。
「船出だ!錨を上げで帆を上げろ!」
すると船内から六人の大男が出てきて、錨を上げて帆を上げた。そして船はゆっくりと離岸した。
そしてペルシヤ兵が岸に到達した時には既に十メートル以上も海岸から離れていて届く距離ではなかった。
語部優らは船の上から諦めて去っていくペルシヤ兵を眺めた後、船に乗せてくれた男に礼を言った。
「ありがとうございます。おかげで命拾いしました。」
「礼なんていいさ。ゆっくりとしていってくれ。」
男はそう言ったあと続けて自己紹介をはじめた。
「さて僕らに会ったからには自己紹介をしなくてはね。僕はこの船の船長、商人をしながら旅をしている船乗りのシンドバッドだ。よろしく!」
船乗りのシンドバッドは満面な笑顔で語部優に言った。
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