異邦の13人ーThe 13 of Etranzeー

ロン・インディー

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1章1部 プロローグ編

第八話 偽りを語る者

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「あのモルジアナさんに少し聞きたいことが…。」
 語りにくそうな語部優を見てモルジアナは「どうしましたか?」と心配気に聞いてきた。
 語部優はもう勢い任せでカシムの話していた過去話をモルジアナに話した。
「モルジアナさんの過去は奴隷として扱われていて暴力とか受けていたのですか?」
 するとモルジアナが口を開いた。
「誰から聞いたの?」
「カシムさんからです。」
「……。」
 モルジアナは少し沈黙を挟んだ後再びこう口を開いた。
「私は奴隷として扱われていたけど、暴力は受けては無かったですよ。」
「え?」
 語部優は驚きに声が漏れる。
「カシムさんから買われた以降、外からは出たことはないという話は…」
「なんですか?そのデタラメな話は、私は今外でも靴磨きの仕事をしています。もしその話をカシムさまがしていただとしていたらおかしなお話です。カシムさまは私が靴磨きの仕事をしている事や外へ買い出ししている事も知っていますし、そんな嘘をつく方ではありませんよ。」
 モルジアナは全てを話した。するとアウロラは「やっぱり」と納得した口調で反応したあと語部優にこう話す。
「カシムはあの時忘れ物してきたと言って洞窟への戻って、そこで何かあったんだろ。」
「何があって…もしかして。」
 語部優は嫌な予感的中電撃のように駆けた。そしてアウロラの言葉で一気に血の気が引いた。
「カシムはすでに死んでいる」
「……」
 すると語部優の顔を見て気にかけたアリババが言った。
「大丈夫?顔が真っ青だよ。」
「どこか調子が悪いのですか?」
 心配してくれるアリババとモルジアナの二人に素直にカシムについて話した。
「カシムさんはすでに死んでいる…」
 二人は微妙な反応をし「そんなはずはないでしょ。兄さんはさっきまで一緒にいたんですよ。到底信じられないよ。」とアリババはそう話す。しかし亡くなっているのは真実。
 真実を受けてもらなくてはこれ以上物語には進めない…。語部優は涙を流し「カシムさんは亡くなっている!」と強い言葉て言った。
「じゃ亡くなってると言う証拠を見せてもらえますか?」
 アリババはさらに語部優に証拠出すよう要求してきた。するとアウロラが語部優にある提案する。
「なんて話のわからぬ人間よ。少年、朕の言葉をよく聞き行動しなさい。アリババとモルジアナを先程居た洞窟へ足を運ばせよ。そこで物語が進展するかもしれぬ。」
 語部優はその提案に直ぐに乗りアリババとモルジアナの二人を洞窟へ連れてくと説得した。
「アリババさん証拠ならカシムさんの二人しか知らない洞窟近くに行けばあります。」
 語部優は断定的発言にアリババとモルジアナはあんまり信用してないようだったが、「わかりました。そうハッキリ言うなら洞窟付近へ足を運びましょう。」とアリババはアウロラの提案に乗り語部優はアリババとモルジアナを連れて語部優とアリババの出会った財宝のある洞窟の方へ足を進めた。
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