異邦の13人ーThe 13 of Etranzeー

ロン・インディー

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1章1部 プロローグ編

第七話 デーツのお茶会にて

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 その豪邸は白くきらびやかで、玄関に足を踏み入れば長い廊下が語部優を出迎えた。
「すごい…」
「語部さんこちらへ。アリババさんも。」
 モルジアナはお茶会のお部屋へ誘導してくれた。足を進めて数十歩、二部屋分の扉を越して三部屋の部屋がお茶会の部屋らしい。
「こちらです。」
 そこには既にデーツチャイの準備がされており長テーブルに添えられいた。
 鉄でできたカップからは湯気か立ち、できてまだ時間は経っていないのが分かる。そして語部優らは長テーブルに並べてある椅子に着席をした。
 長テーブルは六つの椅子があり、左端にカシム、真正面の左右にアリババと語部優が顔を見合わせるように座っていると、小さな皿に黒っぽいような茶色の乾燥したドライフルーツがモルジアナによってテーブルに運ばれてきた。
「あのこれはなんですか?」
 モルジアナに謎のドライフルーツに指をさして聞いた。
「こちらはデーツの実の天然ドライフルーツです。」
 語部優は謎のドライフルーツはデーツチャイのデーツの実と聞いて不思議そうに眺めた。
「デーツの実の天然ドライフルーツ。」
「デーツの実はなぜ天然ドライフルーツて言われているか知っていますか?」
 アリババは語部優に聞いた。語部優は「何故ですか?」と聞くとデーツの実には変わった特性がある事を初めて耳に知る。
「デーツの実は太陽の光で自然乾燥してドライフルーツになる、このドライフルーツのまま木になっているんだ。」
「このまま木に?」
 語部優はデーツの実に手を伸ばし一粒つまんだ。そしてデーツの実を全ての角度から見てデーツの実よりブルーベリーのドライフルーツにとても似ていた。
 そして語部優は実をそのまま口に運び込み一粒丸ごとゆっくり噛み砕いた。するとデーツのドライフルーツは予想以上に甘味がありまるでグミのような食感のフルーツについ「美味しい!」と心の言葉が口から出てしまうほどだった。
 アリババは「でしょ!」と言い、続けててモルジアナも「この実はけっこ熟しているけどもっと熟せば甘さがさらに強くなるんですよ。」と言った。
 するとカシムは語部優らに突然、「ちょっと出かけてきます。」と用事があることを言った。
 アリババは「用事って何かあったけ?」と問うが「直ぐに戻ります」とアリババの言葉をスルーしてお茶会の部屋から出て行ってしまった。
「珍しい、大好きなデーツチャイと実を一口も手をつけてないんなんて。」
 カシムが好きなデーツチャイやデーツの実を食べず飲ますで出て行ったのにアリババとモルジアナは少し驚いた様子だった。
 するとアウロラが語部優に口を叩いた。
「何かおかしいなか?カシムは。」
「確かに、話を聞く限りまるで別人の様ですね。」
 するとアウロラは語部優にある提案を投げかけた。
「少年。モルジアナに先程カシムが言っていた過去の話を聞いてみるか?」
「え?しかしその過去話をしたらモルジアナさんが傷付くかもしれないし…、それに話すのに勇気がいります。」
 語部優が少し躊躇する姿を見てアウロラは「それでは周りのモルジアナやアリババを守ることも出来ないし現世に戻ることは出来ないぞ!。」と少し腹立てながら怒りの口調で言葉を投げかけられ、語部優はアウロラの言葉に応じてモルジアナに話を切り出すことにした。
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