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超能力者の集う場

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そうして月日は経ち、僕達は魔術学校を卒業した。

その後、僕達は超能力者だと認められ、超能力学校に進学することとなった。学校はちょうど今年からの始動で、僕達の年齢は十五の為、一年生としての入学だ。因みに、その学校はとある孤島にあるらしい。






「ここが能力者の学校か…」

眩しい太陽に照らされた学校の門を見上げ、僕はそう呟いた。正直もっと荘厳な雰囲気の醸し出ている所だと思っていたが…実際に見てみると他の学校と大して変わらない造りだ。まぁ、ここは廃校となった学校を使っているため、当たり前かもしれないが。

「ここで三年間暮らすのね。」

僕の隣で茜はそう呟いた。どうやらこの学校は寮制の様で、ここに三年間暮らすことになるそうだ。しかし、今や判明している範囲でも能力者は四百人以上、そんな人数を収容出来るのか些か疑問に思う。

「そういえば昨日さ~」

耳を澄ませば楽しげな声が聞こえてくる。周りを見回すと予め学校から支給されていた黒い制服に身を包み、僕達と同年代ぐらいの生徒がこの門を通っていってる。和気藹々と会話する者もいれば一人寂しく登校している者もいた。

「それじゃ、行こ!」

そう言って彼女は僕の腕を掴み、学校へと引っ張った。今日は快晴で、僕をリードする茜を太陽が照らしているかのように見える。僕の腕を引っ張り走っている彼女が、ふとこちらを振り向き、笑顔を向けてきた。その美しさに僕は思わず赤面し、目を背ける。その一連の流れを見て、僕は小学校の入学式の事を思い出した。

「ありがとう。」

気づけばそんな言葉が出ていた。
思い返せば僕はいつも茜に助けられてきた、それは今も昔も変わらない。茜は僕を守り、幸せを与えてくれる。僕は幸せ者だな…と、改めて痛感した。

「早く行くよ。」

彼女は僕が言った感謝の意味が分かってないかのように更に足を早める。

こんな日々がこれからも続けば良い


「君達には、卒業を掛けて殺し合いをしてもらう。」

………………………………………………………………は?

体育館のステージ中央に立つ初老の男は突然そう言い放った。












僕達はあの後教職員と思われる男に促され、この体育館に座らされた。周りの生徒は和気藹々と話している。イケメンで、如何にも陽気そうな奴なんかは既に何人かのグループを作っていた。そうして例に漏れず僕と茜も雑談をしていた。

「そういえば、お前の能力はなんて言うんだ?」

能力の診断を受けた後、僕は能力名をつけられた。だからこそ茜も同じ様に能力名を付けられたのではないか?と、僕は思い、聞いてみた。

「私の超能力は「修復」誠也君は?」

「僕の能力は「二重人格」だ。」

どうやら彼女も能力名がつけられているらしい。そして茜が能力名をつけられている、ということは恐らく他の生徒も能力名がつけられているのだろう。
それにしても修復か…確かに一度割った皿を元に戻したと言っていたし、納得か。

「二重人格…確かに何も知らない人から見たらそう見えるかも…」

「僕としては不本意だけどな。」

あんな殺人鬼がもう一人の僕と思われるのは気に食わない。

そんな時、ふとステージの方を見ると初老の男が立っていることに気づいた。その男からは魔術を使っている訳でも無いのに、何故かやけに威圧感を感じる。

僕と同様気付いたやつもいたが、殆どが気づかずに左右前後の奴と雑談を続けていた。

「黙れ!」

この体育館に、その男の力強い声が響き渡る。
その瞬間、辺りは静寂に包まれた。そう、物音一つしない不自然な程の静寂に。突然の暴言に戸惑い、周りを見回すと、他の生徒も目を見開き戸惑っているように見えた。中には突然の事態に腰が抜け、体勢を崩している奴もいる。それ程までに全員が驚愕したのだ…目の前の大人しそうな糸目の男が突然声を張って暴言を吐いたことに。

そうして男は言い放ったのだ。その衝撃的過ぎる一言を。

「君達には、卒業を掛けて殺し合いをしてもらう。」

と。




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