8 / 12
超能力者の集う場
しおりを挟む
そうして月日は経ち、僕達は魔術学校を卒業した。
その後、僕達は超能力者だと認められ、超能力学校に進学することとなった。学校はちょうど今年からの始動で、僕達の年齢は十五の為、一年生としての入学だ。因みに、その学校はとある孤島にあるらしい。
「ここが能力者の学校か…」
眩しい太陽に照らされた学校の門を見上げ、僕はそう呟いた。正直もっと荘厳な雰囲気の醸し出ている所だと思っていたが…実際に見てみると他の学校と大して変わらない造りだ。まぁ、ここは廃校となった学校を使っているため、当たり前かもしれないが。
「ここで三年間暮らすのね。」
僕の隣で茜はそう呟いた。どうやらこの学校は寮制の様で、ここに三年間暮らすことになるそうだ。しかし、今や判明している範囲でも能力者は四百人以上、そんな人数を収容出来るのか些か疑問に思う。
「そういえば昨日さ~」
耳を澄ませば楽しげな声が聞こえてくる。周りを見回すと予め学校から支給されていた黒い制服に身を包み、僕達と同年代ぐらいの生徒がこの門を通っていってる。和気藹々と会話する者もいれば一人寂しく登校している者もいた。
「それじゃ、行こ!」
そう言って彼女は僕の腕を掴み、学校へと引っ張った。今日は快晴で、僕をリードする茜を太陽が照らしているかのように見える。僕の腕を引っ張り走っている彼女が、ふとこちらを振り向き、笑顔を向けてきた。その美しさに僕は思わず赤面し、目を背ける。その一連の流れを見て、僕は小学校の入学式の事を思い出した。
「ありがとう。」
気づけばそんな言葉が出ていた。
思い返せば僕はいつも茜に助けられてきた、それは今も昔も変わらない。茜は僕を守り、幸せを与えてくれる。僕は幸せ者だな…と、改めて痛感した。
「早く行くよ。」
彼女は僕が言った感謝の意味が分かってないかのように更に足を早める。
こんな日々がこれからも続けば良い
「君達には、卒業を掛けて殺し合いをしてもらう。」
………………………………………………………………は?
体育館のステージ中央に立つ初老の男は突然そう言い放った。
僕達はあの後教職員と思われる男に促され、この体育館に座らされた。周りの生徒は和気藹々と話している。イケメンで、如何にも陽気そうな奴なんかは既に何人かのグループを作っていた。そうして例に漏れず僕と茜も雑談をしていた。
「そういえば、お前の能力はなんて言うんだ?」
能力の診断を受けた後、僕は能力名をつけられた。だからこそ茜も同じ様に能力名を付けられたのではないか?と、僕は思い、聞いてみた。
「私の超能力は「修復」誠也君は?」
「僕の能力は「二重人格」だ。」
どうやら彼女も能力名がつけられているらしい。そして茜が能力名をつけられている、ということは恐らく他の生徒も能力名がつけられているのだろう。
それにしても修復か…確かに一度割った皿を元に戻したと言っていたし、納得か。
「二重人格…確かに何も知らない人から見たらそう見えるかも…」
「僕としては不本意だけどな。」
あんな殺人鬼がもう一人の僕と思われるのは気に食わない。
そんな時、ふとステージの方を見ると初老の男が立っていることに気づいた。その男からは魔術を使っている訳でも無いのに、何故かやけに威圧感を感じる。
僕と同様気付いたやつもいたが、殆どが気づかずに左右前後の奴と雑談を続けていた。
「黙れ!」
この体育館に、その男の力強い声が響き渡る。
その瞬間、辺りは静寂に包まれた。そう、物音一つしない不自然な程の静寂に。突然の暴言に戸惑い、周りを見回すと、他の生徒も目を見開き戸惑っているように見えた。中には突然の事態に腰が抜け、体勢を崩している奴もいる。それ程までに全員が驚愕したのだ…目の前の大人しそうな糸目の男が突然声を張って暴言を吐いたことに。
そうして男は言い放ったのだ。その衝撃的過ぎる一言を。
「君達には、卒業を掛けて殺し合いをしてもらう。」
と。
その後、僕達は超能力者だと認められ、超能力学校に進学することとなった。学校はちょうど今年からの始動で、僕達の年齢は十五の為、一年生としての入学だ。因みに、その学校はとある孤島にあるらしい。
「ここが能力者の学校か…」
眩しい太陽に照らされた学校の門を見上げ、僕はそう呟いた。正直もっと荘厳な雰囲気の醸し出ている所だと思っていたが…実際に見てみると他の学校と大して変わらない造りだ。まぁ、ここは廃校となった学校を使っているため、当たり前かもしれないが。
「ここで三年間暮らすのね。」
僕の隣で茜はそう呟いた。どうやらこの学校は寮制の様で、ここに三年間暮らすことになるそうだ。しかし、今や判明している範囲でも能力者は四百人以上、そんな人数を収容出来るのか些か疑問に思う。
「そういえば昨日さ~」
耳を澄ませば楽しげな声が聞こえてくる。周りを見回すと予め学校から支給されていた黒い制服に身を包み、僕達と同年代ぐらいの生徒がこの門を通っていってる。和気藹々と会話する者もいれば一人寂しく登校している者もいた。
「それじゃ、行こ!」
そう言って彼女は僕の腕を掴み、学校へと引っ張った。今日は快晴で、僕をリードする茜を太陽が照らしているかのように見える。僕の腕を引っ張り走っている彼女が、ふとこちらを振り向き、笑顔を向けてきた。その美しさに僕は思わず赤面し、目を背ける。その一連の流れを見て、僕は小学校の入学式の事を思い出した。
「ありがとう。」
気づけばそんな言葉が出ていた。
思い返せば僕はいつも茜に助けられてきた、それは今も昔も変わらない。茜は僕を守り、幸せを与えてくれる。僕は幸せ者だな…と、改めて痛感した。
「早く行くよ。」
彼女は僕が言った感謝の意味が分かってないかのように更に足を早める。
こんな日々がこれからも続けば良い
「君達には、卒業を掛けて殺し合いをしてもらう。」
………………………………………………………………は?
体育館のステージ中央に立つ初老の男は突然そう言い放った。
僕達はあの後教職員と思われる男に促され、この体育館に座らされた。周りの生徒は和気藹々と話している。イケメンで、如何にも陽気そうな奴なんかは既に何人かのグループを作っていた。そうして例に漏れず僕と茜も雑談をしていた。
「そういえば、お前の能力はなんて言うんだ?」
能力の診断を受けた後、僕は能力名をつけられた。だからこそ茜も同じ様に能力名を付けられたのではないか?と、僕は思い、聞いてみた。
「私の超能力は「修復」誠也君は?」
「僕の能力は「二重人格」だ。」
どうやら彼女も能力名がつけられているらしい。そして茜が能力名をつけられている、ということは恐らく他の生徒も能力名がつけられているのだろう。
それにしても修復か…確かに一度割った皿を元に戻したと言っていたし、納得か。
「二重人格…確かに何も知らない人から見たらそう見えるかも…」
「僕としては不本意だけどな。」
あんな殺人鬼がもう一人の僕と思われるのは気に食わない。
そんな時、ふとステージの方を見ると初老の男が立っていることに気づいた。その男からは魔術を使っている訳でも無いのに、何故かやけに威圧感を感じる。
僕と同様気付いたやつもいたが、殆どが気づかずに左右前後の奴と雑談を続けていた。
「黙れ!」
この体育館に、その男の力強い声が響き渡る。
その瞬間、辺りは静寂に包まれた。そう、物音一つしない不自然な程の静寂に。突然の暴言に戸惑い、周りを見回すと、他の生徒も目を見開き戸惑っているように見えた。中には突然の事態に腰が抜け、体勢を崩している奴もいる。それ程までに全員が驚愕したのだ…目の前の大人しそうな糸目の男が突然声を張って暴言を吐いたことに。
そうして男は言い放ったのだ。その衝撃的過ぎる一言を。
「君達には、卒業を掛けて殺し合いをしてもらう。」
と。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる