11 / 22
11☆ちょっとだけ接触あり
しおりを挟む「ずるい!
何なんだよ!こいつ!
何、後出ししてんだよ!
上宮のくせに!
忌み子でお情けで生きてきたくせに!」
突然、木村が烈火のごとく吠えた。
拘束され、隠す必要がなくなったのか、醜悪なまでに顔を歪めて罵倒し始めた。
地元に長く住んでる者なら誰でも知っていた。
廻の出生時の話や、施設や大人からの虐待など周知の事実で、町ぐるみでの事だった。
小越や諏訪は高校からで地元では無かったために知らなかった。
「聡、なんだよそれ」
小越が聞き返す。
木村は、ほぼジェラストが聞いていたことを声高々に、面白おかしく話したが、周りは醜悪な魔物を見るような視線を向け、ロウナーはその剣の柄に手をかけていた。
「もう、止めなよ、聡。
聞いてて不愉快だよ。
今までだって、上宮君、何もしてないじゃん。
不幸な事故で、両親を亡くして生まれた子の、何が悪いの?
大人の勝手な事情で、彼だけが責任を負わされて、
その結果、聡がいじめていいの?
違うだろ?
そんなことも、教えてもらえないほど
聡も犠牲者だったんだね。」
諏訪が誰も言えなかった事を直球で言った。
とても諏訪らしく。
木村は諏訪の言葉に下を向いて、握りしめた手が自分の爪で傷を作っていた。
「僕は、悪くない・・・
僕は、悪くない!」
そう叫ぶと、外へ飛び出した。
倒けつ転びつ森の奥へと走っていった。
団員が急いで後を追ったとき、森の中を疾走してくる大型の獣の姿があった。
その背には要塞都市を抱えた隣国の騎兵隊が見えた。
地の利は四つ足の獣の方がある。
森の木々の間を疾走されては、ドラゴン騎士には難しい。
隣国の騎兵隊に向かって、木村は叫んだ。
「助けて!
僕の力を利用しようとして、拘束されたんです!
お願い、助けて!」
俄かには信じられない表情をしたが、思いがけない木村からの言葉で、騎兵隊は木村を連れ去った。
「僕がメグライアだ!」と。
ドラゴン騎士団は、それ以上追うことは叶わず、戻るしかなかった。
ジェラストとロウナーはその報告を聞いて、唖然としたのは言うまでもないが、悪い方向へと動いてると認識するしかなかった。
よもや、メグライア様を騙るとは・・・。
小越も諏訪も、木村の今までのらしからぬ言動に、自分たちのこの先を考えて恐ろしくなった。
騒がしい中で、廻の意識が戻った。
「ここ、どこ・・・?」
素早くジェラストとロウナーが駆け寄り、熱を出したことを伝えた。
「ごめんなさい!
ご迷惑おかけしました。
これからは気を付けます。」
勢いよく起き上がり、二人とそして治療してくれたであろう周りの見知らぬ人たちに、深々と頭を下げた。
「すぐ、起きますから、大丈夫です。」
今までの廻の環境がたやすく想像できた。
誰も熱を出したことを咎めたりしていないのに、廻は慌てて謝っていた。
まだ、熱が下がってきたばかりで少しおぼつかない手足に、必死で言うことを聞かせながらベッドを下りようとするのを、二人は止めた。
「ダメです、まだしっかり回復していません。」
ロウナーが優しく静止をさせ、ベッドへ戻るように言われたときに初めて、自分の服が着替えさせられていることを知った。
「!」
自分の体を掻き抱くように廻は体を丸め、顔を上げて微笑みながら見られたであろう傷の説明をした。
「あ、あの、
け、ケガは昔の、子供の頃のなんです。
僕、ちっちゃい頃はすごくやんちゃで、階段から落ちちゃったり、
山で転んで滑ったりした時に盛大にやらかしたんで、
その時の傷が少し残ってしまったんですよ。
だから、大丈夫なんです。
見たらびっくりさせちゃったかもしれないですけど、
全然、痛くもないし大丈夫なんですよ。」
必死に説明をする廻に、一同は笑いながら、これからはやんちゃしてはいけませんよ、とだけ告げた。
誰もが虐待を知っていたが、内緒にしたがった廻のために、分からないふりをしたのだった。
「さて、もう一度ちゃんと話を聞きながら診よう。
私はここで治癒師長をしている、ラトヤだ。
お前の名は?」
廻のベッドの端に腰かけて、手を取りながら訪ねてきた人が治療をしてくれたのだとわかり、素早く頭を下げた。
「ありがとうございます。
僕は、上宮 廻です。
もうすぐ18歳です。
熱なんて、めったに出さないんですけど、ちょっと疲れてたのかも。
ご迷惑をおかけしました。
もう、なんともないですよ。」
少しだけ口角を上げて、ラトヤに向かって話した。
実は先ほどジェラストが前髪をかき分けたままで、顔がしっかり見えてる事に気づく余裕もなく動揺が見て取れた。
誰もが見たいと思っていた廻の顔は、やはりきれいな瞳で彩られていた。
「ほぅ、君は瞳に少し金が入ってるのだね。
縁が金を混在させて、不思議な色合いだね。
こちらの世界では無い色合いだ。
よく見せてくれるかい?」
両頬をしっかりと掴まれて、ラトヤに顔を寄せられると、あっという間にくちづけられた。
「おい!」
「はぁ?!」
ジェラストとロウナーが一斉に声を上げた。
廻は何が起こったのかわからず、硬直しされるがままだった。
ラトヤは舌で廻の唇を割って、歯列に滑り込ませた。
一瞬、廻は舌を捉えられぢゅっと音を立てて吸われた。
二人は廻をラトヤから引きはがし、二人に抱きしめられながら、汚い汚いとラトヤを罵倒した。
「汚くないな。
愛しい者に手を出して何が悪い。
この子の美しさも、笑顔も全て私がこの手で開発、もとい、開花させて見せる。」
「ちょっと、この人開発って言っちゃったよ・・・・。」
ロウナーがため息をついて、ここにも残念なイケメンがいたわ、と零した。
-.-.-..-..-...-...-..-.-.-.-.-....-..-.-.-.-.
わたしからしたら、ちゅうなんざ、子供だってするわ、と思うけどさ
一応、チュウ性的発言かな、と。
もし世の中のおじさんが、いきなりやったら痴漢行為だしね。
いかにエロ場へ行きたいか察してください。
エロ場へ突っ走るためには、サクサク進めていきますよ。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
偽物の僕。
れん
BL
偽物の僕。
この物語には性虐待などの虐待表現が多く使われております。
ご注意下さい。
優希(ゆうき)
ある事きっかけで他人から嫌われるのが怖い
高校2年生
恋愛対象的に奏多が好き。
高校2年生
奏多(かなた)
優希の親友
いつも優希を心配している
高校2年生
柊叶(ひいらぎ かなえ)
優希の父親が登録している売春斡旋会社の社長
リアコ太客
ストーカー
登場人物は増えていく予定です。
増えたらまた紹介します。
かなり雑な書き方なので読みにくいと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる