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しおりを挟む廻の存在など無いかの様に、木村と小越は畳み掛け、美丈夫に自分達の存在こそが正であるかのように同意を求めた。
諏訪は、控え目ながらもやはり木村を持ち上げていた。
それも全ては、廻の容姿がメグライアの話と合わないと思わざるを得なかったからだ。
「貴様らにメグライア様を見出す力があったとは驚きだ。」
美丈夫は木村が握っている手を振り解きながら、後ろの一団をいささか睨めつける様に、見渡した。
「なぁ、教えてもらえないか?
貴様らの隊長である俺より、お前らに力が有ったかどうか。」
それまで、廻に甘い微笑みを見せていた美丈夫が、纏う空気を変えた。
廻はその時初めて、真面に美丈夫の顔を見た。
アッシュグレーの髪、同じアッシュグレーの瞳。
廻に微笑んでいた時の甘さは全くない、むしろ凍る様な冷えた笑みを湛えていた。
笑んでいた瞳が、アイスブルーへと色を変えた。
体から立ち上がる空気の圧力の様な威圧が、一気に塊となるのが、廻と一団、そして木村がそれを見た。
「ジェラスト隊長!
申し訳ありません!
ですがこの方が、異世界から来られたという事と、メグライア様が持つ力の一つと言われている、創造の力を見せられたので、聡様がメグライア様だと思わざるを得ないかと!
それに、メグライア様が女性か男性かは伝承にも残っておりませんし、もし隣国に知られ保護されてしまうよりは、事情を話した方が得策と考えました。」
一団の1人で木村を乗せてきた、金髪に近い薄茶の髪の隊員が告げた。
「何だと?」
ジェラストと美丈夫は呼ばれ、また、この一団の隊長である事を、廻は初めて知った。
ジェラストは木村を一瞥し、隊員の1人が告げた言葉に困惑した。
-------創造の力がある、と。-------
それはジェラスト達が生きるこの世界は、神オライアが創造し、人々の安寧の為にその力の一部で愛し子メグライアを遣わしたと言われていたからだ。
語り継がれた伝承は、年月を経て信仰へと形を変えていった。
-.-. -.-. -.-. -.-. -.-. -.-. -.-. -.-. -.-. -.-.
初めまして。
読んでいただけてありがとうございます。
この話はここで切ります。
というのも、まあ、過去バナを入れないといけないのです。
なので、続けて次のを入れますので、良かったら噛みついてみてください。
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