【武士道ソウル】～弥助の子孫である仁と坂本龍馬の最強コンビ！『土佐勤王党』＆『新選組』と手を組み政府軍に戦いを挑む！～【完】

８． 町で大暴れ

　龍馬の同伴を断られた仁は、町の様子を探るために外出していた。
　商店が並ぶ通りを歩いていると、不意に人々の怒声と悲鳴が聞こえてきた。

　仁は声の方に向かって急ぎ足で進んだ。
　すると、そこには銃を掲げ、不遜な態度で振る舞う軍人が一人の侍を侮辱している光景が広がっていた。
　軍人は侍に銃を突き付け、無理矢理跪かせ、その髷まげを切り落とそうとしていた。

「なんたる侮辱……」

　仁は怒りを胸に抱えながら、その場に駆け寄った。

「貴様ら！何をしている！」

　仁の声に、軍人と周囲の人々が振り向いた。
　軍人は冷笑を浮かべながら、仁に銃を向けた。

「なんだ、お前も同じ運命を辿りたいのか？」

　仁は方天戟を素早く取り出し、その刃を軍人に向けた。
　町の通行人たちはその緊迫した雰囲気に驚き、距離を取った。

「この侍に手を出すな。貴様らのような者が、この日ノ本を汚しているというのが分からんのか！」

　軍人は仁の言葉に笑い声を上げた。

「馬鹿な奴め。今や武士の生きる道などない！これからは銃の時代だ。刀なんぞ何の役にも立たん！」

　軍人はそう言うと、引き金に手をかけた。
　だが、仁はその動きを見逃さなかった。
　方天戟を振るい、軍人の手から銃を弾き飛ばした。

「痛……っ！」

　軍人は驚きの表情を浮かべ、後ずさりした。
　その瞬間、町の角から数人の男たちが現れ、仁に向かって襲いかかってきた。
　マッカーサーが差し向けた刺客たちだった。

「やはり付けておったか……」

　仁は冷静に方天戟を構え、迫り来る刺客たちに立ち向かった。

　最初の一人が銃の引き金を引こうとした瞬間、仁は素早く方天戟の一撃で刺客の腹を突いた。
　刺客はその場に崩れ落ちたが、他の刺客たちは怯むことなく攻撃を仕掛けてきた。

「くそ……っ！一人で相手するには数が多すぎる……」

　仁はその場で素早く回転し、方天戟を大きく振り回した。
　その刃は複数の刺客を一度に薙ぎ払うことができ、その勢いに刺客たちは次々と倒れていった。

　しかし、刺客たちは訓練された兵士であり、すぐに体勢を立て直して再び襲いかかってきた。

　仁は一瞬の隙を突かれて背後から攻撃を受けそうになったが、素早く振り返り、方天戟で弾丸を弾いた。
　そして、反撃の一撃を加え、刺客の一人を倒した。

「危なかった……。落ち着け、伊作 仁。……よし！引き金を引かせなければよいだけだ……！」

　仁はそう自分に言い聞かせ、気を引き締めた。
　町の通行人たちは激しい戦いに恐怖を感じつつも、仁の勇敢な姿に見入っていた。

　その時、背後から駆け寄る足音が聞こえた。
　仁が振り返ると、そこには龍馬の姿があった。
　龍馬は鋭い目つきで状況を把握し、すぐに刀を抜いて戦闘に加わった。

「おまん、こんな町のど真ん中で何しゆうがや！」

「軍人らが侍の髷を無理矢理……」

「まぁかまんわ！儂も虫の居所が悪いき」

「何かあったんですか？」

「おっと……仁！喋りゆう場合かえ！集中せい！」

　龍馬の参戦により、戦況は大きく変わった。
　龍馬と仁は見事な連携を見せ、次々と襲い来る刺客たちを倒していった。

　仁の方天戟が舞い踊るように振るわれる。
　その姿は、正覚寺で夜襲に遭った際の龍馬を見ているようだった。

　一人の刺客が龍馬に向かって発砲したが、龍馬はそれを軽やかに避け、素早く反撃して刺客を倒した。
　仁もまた、方天戟を振るい、一人の刺客の足を薙ぎ払い、次の瞬間にはその胸を突いた。

「龍馬さん、とにかく引き金を引かせないようにしましょう」

「分かっちゅう！それにしても数が多い……おっと」

　二人の戦いはさらに激しさを増し、町の通行人たちはその光景に息を呑んだ。
　刺客たちは次々と倒れ、最後の一人が倒れると、町には静寂が戻った。

　仁は呼吸を整えながら、倒れた刺客たちを見下ろした。
　龍馬もまた、刀を収めながら深い息をついた。

「こんだけ暴れてしもうたらタダでは済まんで」

「申し訳ありません……」

「あちゃぁ、一足遅かったか。……よう龍馬！そこの若いのもえい暴れっぷりじゃあ！しっかし、でかいのう」