【アリジゴク】~笑顔より怒った顔が似合う君。結局、私たちは女友達にはなれないんだよ~【完結】

みけとが夜々

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私の瞳に映るもの

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 行為後の彼女は、人が変わったかのようにすごく甘えたがる。
 以前と同じように私は何も言わず、甘える彼女に応える。
 しばらく抱きついたあと彼女は私の顔を見つめ、何か言いたげな顔をした。

「どうしたの?」

「目」

「え?」

「私が映ってる」

 そう言って彼女は静かに瞼を閉じ、規則正しい寝息を立て眠りについた。

 私は、彼女の口から出るはずのない言葉を耳にし、口から心臓が出るんじゃないかと思うほど、ドクンと大きく心臓が鳴った。
 アルコールのせいか?
 久しぶりの情事の余韻か?

 色々考えてみても答えなど出るわけがない。
 コトが終わればまた、彼女が何を考えているのか分からなくなる。
 動揺を隠すように私は必死で笑顔を作ってみたものの、彼女はすでに夢の中だ。

「おやすみ」

 私は彼女の瞼にそっとキスをした。
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