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25. 口裏合わせ
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4ヶ月前
私はふと用事を思い出して携帯を取った。
「もしもし、玲香さん?そうそう、病院来てくれた時、あれごめんね。ちょっとうちの秘書が勘違いしちゃってたみたいで」
「あー、でもちゃんとお金受け取ったから気にしないでよ。それより体調は平気?」
「うん、過労ってやつみたい」
「私たち、もう終わっちゃったの?」
「どうせ新しい男いるんでしょ?」
「まぁねぇ」
「ほんっと悪いよねぇ。あ、それでね、ちょっと頼まれてほしいっていうか。まぁ依頼だと思って引き受けてよ」
「報酬は?抱いてくれるの?それともお金?」
「どっちがいいの?」
「どっちも」
「新しい男に悪いからお金にしとく」
「なーんだ。で、依頼って?」
「もしこないだ会った秘書に旦那の写真見せてくれって言われたら、適当に誰か……おっさんだな。おっさんとのツーショット見せてしらばっくれてくんない?夫婦らしい感じのやつで。多分もうそっちに向かってると思う」
「え?どういうこと?」
「買収の時、なんやかんやあったでしょ。あの秘書堅物でさ、色々と納得させんの大変で。でももうおたくの旦那はリストラ済みだしさ、さっさと進めたい事業もあるから、いない社員の事で時間使ってらんないのよね」
「なるほどね、私の旦那ですって言ったら尋問始まりそうだもんねあの人」
「ははは、まぁね」
「報酬、忘れないでよ?」
「分かってるってば」
「まぁ適当にシラ切るから安心して」
「うん、それでお願い」
相変わらずの銭ゲバだな。
ほんとは声も聞きたくなかったけど、真島さんの奥さんである玲香さんに電話せざるを得なかった。
渡瀬が確認に行く頃、真島さんは謎の人物になってるだろう。
リアルで存在する真島さんに会えなくなるのはどうしても阻止したかった。
だから、真島さんを第三人格として人格統合の際に、朝比奈教授や特に渡瀬から『消える者』だと思わせたかった。
私は、真島さんの会社へ出向く時、渡瀬を同行させた事がなかったことを心底助かったと思ったし、朝比奈教授が副人格の可能性を出してくれてほっとした。
渡瀬が動く前に予め、真島さんの在籍記録は抹消したものの、社員にまで聞き取り調査とかされたらさすがにどうしようかとは思ったけど。
渡瀬が真剣に私のことを心配してくれてるのは本当に有難いと思ってる。
でも、やっぱり真島さんとの繋がりを切るのは私には無理だ。
ごめん、渡瀬。
私はふと用事を思い出して携帯を取った。
「もしもし、玲香さん?そうそう、病院来てくれた時、あれごめんね。ちょっとうちの秘書が勘違いしちゃってたみたいで」
「あー、でもちゃんとお金受け取ったから気にしないでよ。それより体調は平気?」
「うん、過労ってやつみたい」
「私たち、もう終わっちゃったの?」
「どうせ新しい男いるんでしょ?」
「まぁねぇ」
「ほんっと悪いよねぇ。あ、それでね、ちょっと頼まれてほしいっていうか。まぁ依頼だと思って引き受けてよ」
「報酬は?抱いてくれるの?それともお金?」
「どっちがいいの?」
「どっちも」
「新しい男に悪いからお金にしとく」
「なーんだ。で、依頼って?」
「もしこないだ会った秘書に旦那の写真見せてくれって言われたら、適当に誰か……おっさんだな。おっさんとのツーショット見せてしらばっくれてくんない?夫婦らしい感じのやつで。多分もうそっちに向かってると思う」
「え?どういうこと?」
「買収の時、なんやかんやあったでしょ。あの秘書堅物でさ、色々と納得させんの大変で。でももうおたくの旦那はリストラ済みだしさ、さっさと進めたい事業もあるから、いない社員の事で時間使ってらんないのよね」
「なるほどね、私の旦那ですって言ったら尋問始まりそうだもんねあの人」
「ははは、まぁね」
「報酬、忘れないでよ?」
「分かってるってば」
「まぁ適当にシラ切るから安心して」
「うん、それでお願い」
相変わらずの銭ゲバだな。
ほんとは声も聞きたくなかったけど、真島さんの奥さんである玲香さんに電話せざるを得なかった。
渡瀬が確認に行く頃、真島さんは謎の人物になってるだろう。
リアルで存在する真島さんに会えなくなるのはどうしても阻止したかった。
だから、真島さんを第三人格として人格統合の際に、朝比奈教授や特に渡瀬から『消える者』だと思わせたかった。
私は、真島さんの会社へ出向く時、渡瀬を同行させた事がなかったことを心底助かったと思ったし、朝比奈教授が副人格の可能性を出してくれてほっとした。
渡瀬が動く前に予め、真島さんの在籍記録は抹消したものの、社員にまで聞き取り調査とかされたらさすがにどうしようかとは思ったけど。
渡瀬が真剣に私のことを心配してくれてるのは本当に有難いと思ってる。
でも、やっぱり真島さんとの繋がりを切るのは私には無理だ。
ごめん、渡瀬。
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