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第31話 王女とピクニック
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「それじゃあ早速行こうか」
「はい!」
今リリアとマロンでピクニックに向かっている。目指す場所はいつもの川である。そのうち違うところも行きたいがリリアはまだ川の方に行ったことがないので今回は川にした。
「ピクニックに行くのも久しぶりだね」
「そうですね。サザランドにいた時は数名の兵士もついてきてたので二人っきりは初めてですね」
FWOの時はリリアに何度か誘われて近くの湖に行ったものである。俺がいやがらせで心身が疲れてると察して王家の私有地の湖に連れて行ってくれていた。まあ流石に二人っきりには出来ないので数名の兵士も連れてである。
「ぶぅ~」
「二人っきりじゃないってマロンが抗議してるよ」
「うふふ、ごめんねマロンちゃん」
「ぷぅ」
「あ、川が見えてきたね」
「きれいな川ですね」
それほど遠くないのですぐに到着する。
「もうちょっと上流の方に行く?」
「ええ、行きましょう」
改めて上流に向かって歩みを進める。
「そういえばこの辺でマロンちゃんと出会ったんでしたっけ?」
「そうだよ。もうちょっと森の方に入ったあたりだね。あの時は一人が寂しかったからマロンに出会えて本当によかったよ」
「ぷぅー」
「うふふ、マロンちゃんがうれしそうですね」
会話をしつつ歩いてると少しひらけた場所が見えてくる。
「あの辺でご飯にしようか」
「いいですね」
「ぷぅ」
ひらけた場所に到着し、敷物を敷く。リリアは敷物の上にランチボックスを置く。
「今回はサンドイッチにしました」
ランチボックスの蓋を取るとサンドイッチが敷き詰められていた。
「おいしそうだね。いただきます!」
「マロンちゃんは野菜スティックですよ」
「ぷぅ!」
さっそく、サンドイッチを一つ手に取り口に運ぶ。サンドイッチは卵サンドだった。味付けは甘めになっておりとても食べやすい。
「おいしいよ、リリア」
「うふふ、よかったです」
また、一つ手に取り口に運ぶ。次のはハムサンドだった。シャキシャキのキャベツに薄く切られたチーズも具材として入っておりこれもとてもおいしい。
「いや~、自然に囲まれて食べるのもいいね」
「そうですね。川のせせらぎも心地いいですし」
そのあとものんびりと会話をしつつサンドイッチを食べていった。
「ご馳走様!本当においしかったよ」
「お粗末様です」
「このあとはどうしようか。久しぶりに釣りでもする?」
「懐かしいですね。やりましょう」
俺たちは川の方に向かい手ごろなサイズの石に腰掛ける。
「今日は川に落ちないように気を付けてね」
「もう!コウタ様、意地悪言わないでください」
FWOで湖に連れて行ってもらったときに美味しい魚が釣れるからと意気揚々と釣りをしたリリアは魚に引っ張られた勢いで湖に落ちたことがある。その時は釣り自体が初めてだったらしく何とか俺を元気づけれないかと考えた結果、きれいな景色を見てもらい美味しいものを食べてもらおうという結論に至ってそのような行動になったらしい。一緒にいた兵士にやらせたらいいのに自分の手で元気にしたいという気持ちが強く初めてながらに釣りをしていた結果湖に落ちるということになってしまった。
「ごめんごめん。でも危なかったら手を貸すからね」
「はい、お願いしますね」
そして、二人並んで釣りを開始する。
「コウタ様、明日からはどう活動されますか?」
「うーん、とりあえずいつも通りかな。そろそろ施設も充実させていきたいからそれに向けて資金繰りするよ」
「では引き続き畑仕事のお手伝いをしますね。施設はどういうものが欲しいのでしょうか」
「そうだなぁ。作物から種に変換する種メーカー、食品を発酵させる発酵メーカー、あと調合台とかかな」
「調合台は薬でも作るのですか?」
「うん、肥料とか作れるらしいから試してみようかなって」
「置き場所ってありますか?」
「あー……生産部屋みたいなの一室作ったほうがいいかも」
「それではその分も含めて資金を貯めましょう」
置く場所は考えてなかったのでリリアに聞いてもらってよかった。買ったはいいけど設置できませんとか間抜けな事態になるところだった。最悪外におけるかもしれないが流石に機械だから雨とかですぐに壊れそうだし室内がいいだろう。
それから数匹ほど魚が釣れ、時間も夕暮れになってくる。
「そろそろ帰ろうか」
「そうですね。今日はご飯たべていきますか?」
「うん、食べてくよ」
最近はゲーム内でも夕食を食べるようになった。リリアがご飯を食べさせたいとお願いしてきたのでそうなった。ゲーム内で食べても流石に現実ではおなかが減ってるのでゲームを終えてからも食事はする。ゲームの廃人とよばれる人たちはゲーム中でも食事できるようにと管で栄養を体に注入してる人もいるらしいがそこまでして人らしい生活を自ら捨てたくはない。
家に帰り夕食にする。今日のメニューはハンバーグのようだ。付け合わせに人参とジャガイモのソテー、サラダはブロッコリーとトマトとゆで卵が入ったもの、スープはオニオンスープだ。
「いただきます。……うん美味しいね」
そうしてリリアの料理を堪能しているとシステムの通知が届く。通知を確認するとFWOの管理AIテミスからだ。
「ペリカがこっちに来れるようになったって」
「そんな……。二人っきりは終了ですか……」
リリアはショックを受けた表情をしている。申し訳ないと思いつつも承諾のメールを送る。
「せめて残り僅かな期間を堪能しなくては。ふふふ……」
リリアが怪しい笑い声をあげているとまたシステムの通知が届く。通知を確認するとまたFWOの管理AIテミスからだった。
「フーリアさんもこっちに来れるようになったって」
「もう一人も二人も変わらないですよ。準備も終わってるので丁度良かったですね」
これで近いうちに二人が来ることが確定したので村長に伝えておく必要があるな。今後の段取りを確認しつつ食事をしてゲームからログアウトした。
「はい!」
今リリアとマロンでピクニックに向かっている。目指す場所はいつもの川である。そのうち違うところも行きたいがリリアはまだ川の方に行ったことがないので今回は川にした。
「ピクニックに行くのも久しぶりだね」
「そうですね。サザランドにいた時は数名の兵士もついてきてたので二人っきりは初めてですね」
FWOの時はリリアに何度か誘われて近くの湖に行ったものである。俺がいやがらせで心身が疲れてると察して王家の私有地の湖に連れて行ってくれていた。まあ流石に二人っきりには出来ないので数名の兵士も連れてである。
「ぶぅ~」
「二人っきりじゃないってマロンが抗議してるよ」
「うふふ、ごめんねマロンちゃん」
「ぷぅ」
「あ、川が見えてきたね」
「きれいな川ですね」
それほど遠くないのですぐに到着する。
「もうちょっと上流の方に行く?」
「ええ、行きましょう」
改めて上流に向かって歩みを進める。
「そういえばこの辺でマロンちゃんと出会ったんでしたっけ?」
「そうだよ。もうちょっと森の方に入ったあたりだね。あの時は一人が寂しかったからマロンに出会えて本当によかったよ」
「ぷぅー」
「うふふ、マロンちゃんがうれしそうですね」
会話をしつつ歩いてると少しひらけた場所が見えてくる。
「あの辺でご飯にしようか」
「いいですね」
「ぷぅ」
ひらけた場所に到着し、敷物を敷く。リリアは敷物の上にランチボックスを置く。
「今回はサンドイッチにしました」
ランチボックスの蓋を取るとサンドイッチが敷き詰められていた。
「おいしそうだね。いただきます!」
「マロンちゃんは野菜スティックですよ」
「ぷぅ!」
さっそく、サンドイッチを一つ手に取り口に運ぶ。サンドイッチは卵サンドだった。味付けは甘めになっておりとても食べやすい。
「おいしいよ、リリア」
「うふふ、よかったです」
また、一つ手に取り口に運ぶ。次のはハムサンドだった。シャキシャキのキャベツに薄く切られたチーズも具材として入っておりこれもとてもおいしい。
「いや~、自然に囲まれて食べるのもいいね」
「そうですね。川のせせらぎも心地いいですし」
そのあとものんびりと会話をしつつサンドイッチを食べていった。
「ご馳走様!本当においしかったよ」
「お粗末様です」
「このあとはどうしようか。久しぶりに釣りでもする?」
「懐かしいですね。やりましょう」
俺たちは川の方に向かい手ごろなサイズの石に腰掛ける。
「今日は川に落ちないように気を付けてね」
「もう!コウタ様、意地悪言わないでください」
FWOで湖に連れて行ってもらったときに美味しい魚が釣れるからと意気揚々と釣りをしたリリアは魚に引っ張られた勢いで湖に落ちたことがある。その時は釣り自体が初めてだったらしく何とか俺を元気づけれないかと考えた結果、きれいな景色を見てもらい美味しいものを食べてもらおうという結論に至ってそのような行動になったらしい。一緒にいた兵士にやらせたらいいのに自分の手で元気にしたいという気持ちが強く初めてながらに釣りをしていた結果湖に落ちるということになってしまった。
「ごめんごめん。でも危なかったら手を貸すからね」
「はい、お願いしますね」
そして、二人並んで釣りを開始する。
「コウタ様、明日からはどう活動されますか?」
「うーん、とりあえずいつも通りかな。そろそろ施設も充実させていきたいからそれに向けて資金繰りするよ」
「では引き続き畑仕事のお手伝いをしますね。施設はどういうものが欲しいのでしょうか」
「そうだなぁ。作物から種に変換する種メーカー、食品を発酵させる発酵メーカー、あと調合台とかかな」
「調合台は薬でも作るのですか?」
「うん、肥料とか作れるらしいから試してみようかなって」
「置き場所ってありますか?」
「あー……生産部屋みたいなの一室作ったほうがいいかも」
「それではその分も含めて資金を貯めましょう」
置く場所は考えてなかったのでリリアに聞いてもらってよかった。買ったはいいけど設置できませんとか間抜けな事態になるところだった。最悪外におけるかもしれないが流石に機械だから雨とかですぐに壊れそうだし室内がいいだろう。
それから数匹ほど魚が釣れ、時間も夕暮れになってくる。
「そろそろ帰ろうか」
「そうですね。今日はご飯たべていきますか?」
「うん、食べてくよ」
最近はゲーム内でも夕食を食べるようになった。リリアがご飯を食べさせたいとお願いしてきたのでそうなった。ゲーム内で食べても流石に現実ではおなかが減ってるのでゲームを終えてからも食事はする。ゲームの廃人とよばれる人たちはゲーム中でも食事できるようにと管で栄養を体に注入してる人もいるらしいがそこまでして人らしい生活を自ら捨てたくはない。
家に帰り夕食にする。今日のメニューはハンバーグのようだ。付け合わせに人参とジャガイモのソテー、サラダはブロッコリーとトマトとゆで卵が入ったもの、スープはオニオンスープだ。
「いただきます。……うん美味しいね」
そうしてリリアの料理を堪能しているとシステムの通知が届く。通知を確認するとFWOの管理AIテミスからだ。
「ペリカがこっちに来れるようになったって」
「そんな……。二人っきりは終了ですか……」
リリアはショックを受けた表情をしている。申し訳ないと思いつつも承諾のメールを送る。
「せめて残り僅かな期間を堪能しなくては。ふふふ……」
リリアが怪しい笑い声をあげているとまたシステムの通知が届く。通知を確認するとまたFWOの管理AIテミスからだった。
「フーリアさんもこっちに来れるようになったって」
「もう一人も二人も変わらないですよ。準備も終わってるので丁度良かったですね」
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