VRMMOを引退してソロゲーでスローライフ ~仲良くなった別ゲーのNPCが押しかけてくる~

オクトパスボールマン

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第22話 集う乙女

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とあるVRMMO内の出来事 ペリカ視点

「サザランドの王女様がボクなんかに何の用です?」

 ボクの目の前にはサザランド王国の王女であるリリアーヌ王女が座っているのです。
 ボクは獲物についての情報収集のため酒場に行っているときに王女の使いからコンタクトがあったため、今の状況になっているのです。

「ペリカ・ツェル様にご協力をさせていただきたいと思いましてこの場を設けさせていただきました」

「名字は好きじゃないからペリカでいいのです。それと様もいらないのです。協力って何のことです?」

 把握されてるから今の状況になっているのだろうけどもとりあえずとぼけることにしたのです。

「ペリカさんがよく行っている狩りの協力ですね。主な協力の仕方としましては、獲物の居場所、戦力といった情報の提供です。ペリカさんはどうやら情報収集に時間がかかっているようでしたので。戦力的には問題ないと判断したのですが必要であればこちらも提供できます」

 やっぱりボクの行動は把握されているようです。なら次は相手の目的を知らなければならないのです。

「王女様はなんで協力してくれるのです?」

「私は王女です。民が安心して暮らせるようにする義務があります。そのため民の安全を脅かす存在を少しで多く減らしたいのです」

 …………嘘は言っていないのです。でも本当の目的って感じには聞こえないのです。

「そうなのですね。ボクは耳がいいので嘘を言ってないことはわかるのです。でも本音って感じもしないのです。その辺は話してくれないのです?」

「…………そうですね。あまり不信をいだかせるのも本意ではないです。……大切な人に会うため。これで納得いただけますか?」

 これには驚いたのです。まさか目的が一緒だったのです。

「……そうなのですね。つまりボクと目的が一緒なのです」

 思わず自分の目的も告げてしまったのです。

「………………」

 それを聞いた王女様はピタッと固まってしまったのです。なにかまずいことを言ってしまったのです?

「お、王女様?」

「……その会いたい方のお名前をうかがってもよろしいですか?」

 王女様がなんでそんなことを気にするのかよくわからないけど別に知られたところで問題ないのです。

「コウタという異界人なのです」

「………………」

 なんか王女様が百面相をしているのです。怖いのです。

「そうなのですね。とても奇遇ですね。私も同じ人と会うのが目的ですよ」

 王女様は口元に少し血を流しながらニコリと微笑んでいるのです。怖いのです。

「そ、そうだったのですね」

「うふふ、それで協力の方はどうされますか」

 たしかに情報収集に時間を取られてるので助かる提案なのです。それにコウタと仲がいいならなるべく良い関係は築いておきたいのです。大事な人にとって大事な人を蔑ろにはしたくないのです。

「ボクとしても助かる提案なのです」

「そうですか。それはよかったです。……あとこれは確認していないので確約はできませんが物資も提供できるかもしれません」

「そうなのです?」

「ええ。もう一人同じ目的の協力者がいるので」

「…………」

 コウタってたらしって奴なのです?ますます今会えていない期間が心配なのです。
 ……ダイジョウブなのです。ボクのイバショはあるはずなのです。なかったらツクレバいいだけなのです。

「その人にもあいさつしたいのです」

「分かりました。こちらの方で準備を進めましょう」

「よろしくお願いするのです」

「その必要はないですよ」

「!?」

 突然、紫色の髪の女性が部屋に入ってきたのです。ボクが気づけないって相当高位な音消しの魔道具でも使ってるです?

「あらフーリアさん丁度よかったです。今あなたの話題が出たところですよ」

「白々しいですよ殿下。元々は抜け駆けする気満々でしたよね」

「うふふ、何のことかしら?」

「……まあいいです。ペリカさん、私が先ほど話に出てきた協力者の一人、フーリア・ブーゲンです。物資の提供について全面的に協力いたしましょう」

 ブーゲン……ブーゲン商会のものです?それなら物資も期待できるのです。

「よろしくお願いするのです」

 それから今後について具体的な話をすすめていったのです。
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