VRMMOを引退してソロゲーでスローライフ ~仲良くなった別ゲーのNPCが押しかけてくる~

オクトパスボールマン

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第2話 とりあえずプレイしてみよう

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『のんびり牧場ファンタジーへようこそ』

 目の前にはそのような無機質な音声とメッセージが表示されている。

『あなたの名前を教えてください』

 俺は、いつもゲームの名前は『コウタ』を使っている。今回ももちろんコウタにする。

『あなたの姿を教えてください。リアルスキャンデータからの設定も可能です』

 次に自分の姿を決めるようだ。まぁ、どのゲームもリアルスキャンデータを少しいじる程度だし、今回もそれでいいな。それにオフラインだし。

『あなたの住む村の名前を決めてください』

 むむっ。村の名前か。名づけのセンスが無いからどうしようか。適当にスローライフ村でいいや。

『以上になります。間違いはありませんか?』

 もちろん問題なしだ。

『それでは良きスローライフを』

 そして目の前が真っ白になり、気が付くと目の前に初老の男性がいた。

「ようこそ、スローライフ村へ。おぬしが移住希望者のコウタじゃな?私がこの村の村長をしているオーギーじゃ」

 なるほど、俺は移住してきたという設定なのか。

「はい、私はコウタと申します。よろしくお願いいたします」

「ほっほっほ。かしこまらなくてよい。これからおぬしの住む家に案内するのでついてくるのじゃ」

 そして、村長についていき一軒の木造の家が見えてきた。

「ここがおぬしの家じゃ。特別広くもないが一人で住む分には問題ないじゃろう」

 中に入ると、台所、トイレ、風呂、居間となっていた。普通に上下水道はちゃんとしているようだ。まぁ、スローライフしたいからと言って不自由したいわけではないしいいな。ゲームだし。

「この家は好きにして構わん。増築したければこの村にいる大工に頼めばよい」

「わかりました」

「次にこの家の裏の土地についてじゃ。前にこの家に住んでいたものが牧場をしておってな。今は荒れておるが広い土地が余っておる。無理にとは言わんが同じように作物を育てて村に売ってくれると助かるのう」

「はい、できる範囲やります」

「ふむ。では村を軽く案内しよう」

 それから、村の各施設の案内と住人に挨拶を行った。主な施設は、家の増築や家具の作成を頼める大工、作物の種や食料品などを売っている雑貨屋、農具などの鉄製品を頼める鍛冶屋、牛や鶏が数頭いた小さな牧場、村の人が集まる集会所がある。あとはちらほら空き家があった。

 また、村長から聞いた話では今ある牧場と定期的に来る行商人からいろいろな物資を売買し、この村の住人は生活をしているようだ。

「ふむ。案内は以上じゃ。なにか相談事があればいつでも来るのじゃ」

「はい、ありがとうございます」

 チュートリアル的なものは終わりなのかな?次に何をしようか。

 とりあえず、メニューウィンドウを目の前に出すとTipsという項目が光っていた。そこを押すと、色々とやれることがリストとして表示された。

 俺はこういう時は基本から始めるタイプなため、まずは畑をつくることから始めることにした。
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