上 下
111 / 125
神の七つ道具_オケアノスの兜

羅天の過去 暴走した先の未来

しおりを挟む
羅天の中で何かが壊れる音がした。
「ごめん、じいちゃん。
約束は守れなかった。」
側近の首がアビ王の元へ転がっていく。
アビ王は尻もちをつきながら後ろへ
逃げていく。
「欲しいものはなんだ?
王の座を渡してやってもいい。
だから助けろ」

「欲しいものは全部、奪われた。
俺は鬼が差別されない世界を作るために
鬼以外を絶滅させる事にする。
全てを奪ってやる。
今まで嫌な思いもたくさんした。
それでもじいちゃんや妹と弟がいたから
踏ん張れた。
それを奪われたらもう何もない。
俺は王の座なんていらない。
鬼の為に鬼を馬鹿にする者を
根絶やしにする。」
羅天は涙を流し怒っている。
「鬼の為の世界か、
協力仕様ではないか。」

「奪ったんだから奪われる覚悟を」

「悪かった。反省している。」
アビ王は伸びる剣で心臓を刺すが羅天の体は
硬くなっており剣の刃が折れる
銃を構え羅天に撃つが多少の血が流れる程度

「お前は生かしちゃいけない。
俺はもう後戻りはできない
全てを壊してやる」

「くそ、こんな兵器に負けるなんて
誰か助けろ、褒美をくれてやる」

「誰も助けに来ない。
今まで他人に酷い目をあわしたから
こうなったんだ。
罪を償え。」

「嫌だ、死にたくない。」

「その言葉をお前はずっと無視をした。
これで終わりにしよう」
拳を握り締めアビ王の顔面に強烈な一撃を
喰らわし羅天は、
国中の人の墓を二週間かけて建てた。
じいちゃんと双子の妹と弟とじいちゃんの
墓の前に行き
「俺は二人とは同じ所へはいけない
守れなくてごめんな。
自分一人、強くてはダメなんだ。
俺は弱かった、
強くなる為になんだってする。
弱くてもいいから生きてて欲しかった。
将来どうなるのか、
楽しみにしてたんだ。
じいちゃん、約束守れなくてごめん。
これからの進む道は
じいちゃんの意思に背くけど、
俺は歩みを止めないよ。」
羅天は国を出て別の鬼に会う為
色んな国を歩き続けると
一人の鬼が襲いかかってきた。
「この国のみんなは俺が守る」

「なんだよ。鬼がいると思ったら
いきなり襲いかかってきて、」

「うん?知らねえ顔だな。
よく見ると全く関係ないな。
悪い間違えた。」
明るく謝られ、圧倒された羅天は
ああしか返事を返さなかった。

「なんでここに来たんだ?」
と羅天は聞かれ
「ここに来たのは偶然、
鬼を探してた。
鬼を利用する国から鬼を救うために。」

「そんな国があったのか。」
「この国はさ、種族関係なく仲良いよ。
きっと気にいるよ。」
羅天は手を引っ張られ引きずるように
国に連れてこられた。

「ここは種族関係なく自由な国、
レース国。」
色んな種族が仲良く暮らしてる。
羅天にとって夢のような国であった。







しおりを挟む

処理中です...