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フロージア編

黒い紋章の記憶

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「大分、寝てたようだな。
心配かけたな。
お前らが倒したのか?
ロタとエリーが最後に見えた気がした。」

「健一、健一が倒したのよ。
初めて知ったわよ。
黒い紋章を使えたのね。」

「黒い紋章?
俺は白い紋章だろう。」

「間違いないよ。
私もロタと一緒に見たからね」
エリーも見たと頷く。
健一は頭を抱える
「待て、俺が倒したのか?
黒い紋章の力で」

「何を言ってんのよ。
そうよ。落ち着きなさいよ。
何か覚えてる事ある?」

「そうだな。
でも黒い紋章ってのが発動してる刻は
覚えてない。
知らない記憶が頭の中を、駆け回って
断片的にカクバサと昔会ったような
記憶が流れ込んだ。」
健一の記憶は転生する10分前からしか
覚えてない。
本当に自分は転生者なのかと感じてしまう。

「何を考えてるのです。」
ハロメアが肩を揺らす
「そうだな。考えても答えは見つからない
よし、神の七つ道具を探しにいくか。」

「そんなに慌てなくていいんじゃない?」

「俺は一刻も早く神の七つ道具を見つけ
俺は元の世界に戻る。」

「元の世界って何?」
エリーが首を傾げる
「健一は元の世界に戻るために
神の七つ道具を集めているのよ。」

「ハロメアやロタはどうするのよ。
健一、二人はどうでもいいの」

「どうでもよくない。
俺が元の世界に戻る時には平和に生きる
世界へと変えるから」

「健一がいない世界は寂しいのです。」
「悪いな。
ハロメアやロタに会った記憶は必ず
忘れないほど鮮明に覚えてるだろう
今は次の神の七つ道具を集める。」 
健一は家の扉を開くと街の中は瓦礫だらけ
「俺がやったんだな。
この国を壊したのか。」

「違うぞ。わしらの国は壊れていた。
わしらの国は見た目的に壊れたが、
生まれ変わって復活をした。
これからこの国はすごくなるぞ。
この国は国同士を結ぶ大きな国になる
この出会いはわしにとって大きな財産に
なったのじゃ
次にくる時は立派な国になって
歓迎しようではないか。」

「そうか。」

「エリーとミロも一緒に行くのです。」

「ごめんね。ハロメア、私はこの国に
留まるわ。
来た時は冒険の話を聞かせてね。
私達を助けてくれてありがとう。
ミロと二人でこの国で生きていくわ。」
「ハロメアは友達。大切な友だち」
ミロはハロメアに抱きつく。
「私もミロは大切な友だちなのです。」

「よかったな。ハロメア、大切な友だちが
出来たな。」
ハロメアは涙がこぼれ落ちないように笑う
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