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フロージア編

フロージアとエルフ10

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「僕にはもう勝てないのはわかるだろう。
健一、君は弱くなりすぎた。」

「何故、殺した。」
冷静な口調で怒りを抑えながら、
健一は聞いた。

「健一が怒ることないだろ。
理由をつけるとしたら、
第二段階がどんなものか見せる為だよ。
弱くなった健一に見せたんだよ。
どうだい僕の力は」

「こんな事で殺したのか、許せねえ
この一撃に全てを乗せる」
剣を構えて全身の力を込めて
白剣・白鳥昇天はくちょうしょうてん
白い鳥がカクバサの体を貫き空高く
上の硝子の壁にひび割れ、
勢いよくカクバサは地面に落ちる。
それと同時に水面鏡檻でつくられてた
硝子の壁は崩れ落ちる。
「ロタ、エリー、ミロ、ハロメア
この国を1人でも多くこの国から出して
カクバサの支配から解放してくれ。
そして逃げてくれ」

「リョクチョウ、目を覚ませ。
この国を救いたいんだろう。
起きろ。今、起きないで
本当に国を救いたいのか。」
リョクチョウが目を覚ます。
「わし、気絶してたようだな。」

「リョクチョウ、
この国の人たちを1人でも多く
この国から出してくれ、
この国をでたらカクバサの洗脳から
解かれるとカクバサ自身が言ったんだ。
やってみる価値はある。」

「わしに任せろ、」
リョクチョウは城の中に入り
城の中の声変機により
カクバサの声に全て変換される

「これは命令だ、今すぐ外に出ろ。
緊急だ。全力で国の外へ」
一斉にフロージア国の人は
全力で国外へと走る

「よくやった。リョクチョウ
後は俺に任せろ。
ハロメア、ロタ、エリー、ミロ
先に国の外へ行ってくれ。」

「嫌なのです。健一も一緒にいくのです。
いなくなってほしくないのです。」

「俺はハロメアの前からいなくならない。
だから先に行ってくれ。
ロタ、ハロメアを頼む」
ロタは唇を噛み締め
「必ず来てよ。」
ハロメアを抱えて国の外へ
ロタたちは向かった。

→フロージア国の外
エリーやミロに向かい謝罪をする
フロージア国の人たち
「私は、何も守れなかった。
森のみんなも、さっきだって、
怖くて動けなかったのよ。
エルフだからいけないのかな。
もしエルフじゃなかったら
こんな思いしなかったのかな。」
エリーは目に涙を浮かべる

杖を持った老人が
「すまないのう。
ここまで苦しめているとはな。
よくここまで頑張ったな。娘さん
私たちが苦しめたね。
カクバサから我らを助けてくれていたのは
前国王はエルフ族のフルエ様。
すまなかったのう。
私らを助けてくれたフルエ様を
そして、また同じことを繰り返す所だった
カクバサを止めることが出来なかった
我らの意志が弱かったせいで
洗脳を解く努力さえ諦めてしまった。」

「そんな事、言われても私は
どうすればいいのよ。
私の家族や友達が殺されて、
復讐するためにここまで来たのに、
何も出来ずに足手纏い。」
エリーは唇を噛み締めて血を流す。
「エリー、私はあなたが足手纏いなんて
思わない。
あなたを本気で守りたいと思ったから
健一は必死で戦っているの。
リョクチョウ、ハロメアとミロ、エリーを
お願い。」
ロタは健一と、カクバサの場所へと
走っていく。
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