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フロージア編

フロージアとエルフ6

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カクバサの攻撃はエリーの心臓を貫く前に
何かに刺さる
「おかしいな。僕が貫こうと思ったのは
リョクチョウじゃないんだよ。
エルフの娘なんだよ。」

「ワシは守り抜く。
こんな国で済まなかった。」

「守り抜くのはリョクチョウじゃ無理だよ
君を生かしたのは気まぐれと、
まあこれはいいか。
殺さない程度に傷つけよう。」
カクバサの剣の前に何も出来ずに
リョクチョウは攻撃を受け続ける。
「もういいよ。
私を守ろうとしないでよ。
あったばっかりじゃない、
これ以上は庇わないでよ。」

「ワシは守ることしか出来ん。
ワシが住む国のせいで
辛い思いをさせてきた。」
リョクチョウは
小型爆弾をポッケから取り出し
カクバサの胸の近くで
腹を刺されたと同時に爆発させ、
片膝をつく。
カクバサは後ろに倒れ込み心臓を貫く
「この一瞬を、ずっと何十年も狙い続けた
支配はここで終わりだ。」
カクバサの紋章の力が、溶け足が動ける
ようになった健一たちは
「大丈夫かしら、助かったわ、
ありがとう。」
健一はリョクチョウをおんぶする。
「さっさと出口で案内してくれ」

「リョクチョウありがとう。」

「エリー、ワシがもう少しだけ早く
覚悟を決めておけば、すまなかった。
この国の支配は終わり、
この国の人間の洗脳が終わる。
忘れておった。歳を取ると忘れるな。
ワシは死ねなかったみたいだな。」

「いいのよ。私が守れなかっただけよ。
怖くて見るだけしか出来なかったのよ。」
健一たちはリョクチョウの指示で
城の外へでるが
フロージアの住人が大勢で城を、
囲んでいる。
「カクバサ様をどうした?」

「死んだ。もうこれ以上、
従う必要はない。」
リョクチョウとフロージアの住人が話す
「あり得ない。カクバサ様が死ぬなんて
出鱈目を言うな。
カクバサ様の為にここを生かす事は
しない。
そんな事なら早めに消すべきだった。
エルフの小娘が2人いるとは、
どんな汚い手でカクバサ様を
許せないな。」

「どういう事なの洗脳が
溶けてないじゃない」

「生まれてきた時から洗脳されてから、
本来の意志が残ってないのか。
ワシの誤算だ。すまなかった。」

ガッチャと扉が開く音が聞こえる
「城に残っているのってカクバサしか
いないわよね。」

「ワシら以外はカクバサしかいない
心臓が吹っ飛んでいるんだ。
生きてるハズがない」

パチパチパチパチと後ろの方で手を叩く。
「よくここまで成長したね、
リョクチョウ。」

「なんで生きてるの?」

「言わなかったかな、
僕は不老不死の呪いにかかっているとね
さっきまでのは、ただの余興だよ。
リョクチョウ、あんだけ刺されたのに
血があまり出てないし死んでないだろ。
わざと紋章の力も解いてあげたんだ。
優しいだろう。
お前たち全員手を出すな。
僕を見ていろ。
さあ、始めようか。」




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