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ハビナ国編

ハビナ国から出発

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「動いた」健一の声に三人は一斉に見る

「東の方に動いてますね。」

「東に行けばいいのです。
ボタンは一緒にいってくれるのですか?」

「私はこの国に残るわ、
私が守っていかないと」
ボタンの頭をロタが叩く、
「違うでしょ、国のみんなで守るでしょ。
一人で背負い込む必要はないんじゃない。」

「そうですね、私には心強い皆がいる。
でも、王の器じゃないの、
兄様達が」

グスグスと泣く声が聞こえてくる
「聞かれてたな。
バレバレだよ。隠れるなら声ぐらい消せよ」
健一は呆れたように言う

「ボタン様、私たちはボタン様に
着いて行きたいのよ。
今まで悪かったわね。」

「ボタン様、今更かもしれないけど、
なってくれないですかね。」
民衆の声にボタンは、
「どうしたらいいですか?」
ロタに耳打ちで聞く。
「本心を言えばいいのよ。
もう決まってるんでしょ、ボタン」
ボタンの背中を軽く押す。

「私は、いえ私たちは
ロタ、ハロメア、健一の三人に
助けられました。
私が王になったら、全力でこの三人が
助けを求めてたら、私は行きたい。
こんな自分勝手な王はだめよね。
言いたい事は言えたわ」

「そんなの当たり前だろ、
会って少しだけどさ、命を懸けて戦ってた
僕たちが諦めていた。
今度は僕たちの番だよ。」
などの声がボタンに届く。

ボタンは涙を我慢をする。
「ボタン、みなさん、
有難うございましたのです。」
ハロメアは頭を下げる
「また、頼っていいのよ。ボタン」
ロタは心配そうにボタンを見る

「ここにまたくる時は、
国の同盟ぐらい簡単にできる世界に」

「まずは国のみんなの命が大事なので、
危険な事はしませんから安心して下さい」

「まあ、それが1番よ。」
ロタとハロメアは大きく手を振り、
健一は二人と国の人達を見て、
良かったなという顔になる。

健一は神の道具が導く方へ歩いていく。

-ある森の中-
「ナイルは僕が死んでないの、
わかっているはず、白の紋章の力がいて
良かった。」

「そうですか、戻ってきましたね。
まだ全然ですが、僕が会った時よりは
戻ってそうですね。」

「ナイル様、まさかこんなに早いとは」

「様はもういい。
君とはもう無関係になるからね、
マガタマに入る気は元々無かったんだろ。」
肩を叩かれ、緊張で手が震えるヤナギ
「ヤナギはさ、僕の受けた呪いの一部を
預けたけど精神力が強いね。
普通の精神じゃ壊れてるからさ、
僕の次ぐらいに精神力が強いね。」

「そうですか、それは光栄です。
僕はなぜ殺されないのです。」

「君は僕を殺したいのだろう。
隙を見せたら君は間違えなく殺すだろう。
10年間も国の裏切り者として、
全員を欺いた男だ。
ご褒美として、ハビナ国は見逃してやろう
まあ、気が変わったら、いつでも消すよ。
それまで鍛えとけヤナギ
国が消えないように」
ヤナギは汗が止まらなくなり動けない
ナイルはどこか遠くへ姿を消す。
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