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神の弓-アポロンの弓編-

王の広間

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「なら王の広間に行きましょう。
その階段を上がった先がそうよ。」

「ああ、ロタとハロメアは俺の後ろへ。」
ロタは渋々後ろへ行く。
「いい私が後ろに行ったのはハロメアを
守るためだから。」

「ロタありがとうございます。
私も役に立って見せます。」
ハロメアは気合が入っていた。

階段を上り、部屋の扉を健一が開くと、
大勢の銃が健一達に向けられていた。
「ここに来ることがどういうことか、
分かっているのかお前たちは。」
髭を蓄えた兵士が健一に言う。

「ここに来た理由はこの国を壊すために」
冷静に健一が言うと
「この国を壊すだと、もうこの国は
とっくに壊れているんだ。
だから戦う者はいなくなったはずだ。
みんな諦め従う道を選んだ。」

「マリスじゃない、あなたらしくもない
言葉ね
まだ私は諦めてないから
戦うことを決して諦めてないから」
ロタはマリスの顔を見る。
「知り合いなのですかロタ?」
ハロメアが聞くと、
「ええ、この国では知らない人がいないわ
見た目は怖いけど、よく城下町に来て、
話を聞いてくれていたり、
戦い方を教えてくれたりして
誰よりも私たち国に住む人達を守るために
戦っていたマリスがどうしてなの」
マリス達は銃を下ろす

マリスが一瞬言うのをためらうが
「仕方がない。
私は諦めたのだ。
この国は壊れたんだ。守るものがある
あいつらは強すぎた。
従うことが唯一守る事が出来る手段だと
私が私たちが戦えば国の人が殺される
私だって最初は戦った。
だけど、勝てなかったあいつらには、
翌日あいつらは袋を取り出し見せたのは
この国の兵士の首を10人分を私の前に見せ
何もせずにここで戦って死ぬことも
出来ない私は弱かった。
強かったら王を守れていれば」
ハロメアは泣き出しそうになる。
健一は膝を曲げハロメアの耳を手で塞ぐ。

ロタは思いっきりマリスにビンタをした
「あいつらは殺すことをやめてない。
ただ楽しんでいるだけ、
確かにショックなのは分かるよ。
本当は気づいてたんじゃないの
あいつらが殺しをやめてないことを、
マリスは逃げていただけでしょう。
もし戦っていれば救えた命もあると思う」

「私はそれでも戦えなかった。
諦めてしまったんだ。悪いな。
それは君の考えであって私が動けばさらに
死ぬ人が増えていた可能性がある。」

健一はハロメアの耳から手を離す
「そうか、それならここを通らせてもらう
行こうハロメア、ロタ」

「待ちなさい。これは君たちに
何が出来るんだ。」
マリスが健一に声をかけるが、
健一達は足を止めない。

「待ちなさい。私たちのこれまでの努力を
無駄にするな。
今すぐここから去りなさい。
ここから先にいくなら私は君たちを撃つ
皆構えろ
君に勝てる相手ではない。
やつらに負ければ死ぬだけでは済まない
せめて苦しませずに殺す事が私に出来る
最善策だ。」
さらに大きな声で健一達に話しかけ、
銃を再び構える

「俺は先に進む。
ここにいても何も変わらないなら
動くしかないだろう。
銃弾を撃ったら覚悟をしろ。
俺はお前らを全員倒す。」
健一は兵士に振り返り言い放す

「お前たち本当に覚悟できているのか?」
マリスは3人に聞くと
「ああ」
「当たり前でしょ」
「できているのです」
それを聞いたマリスは
「全員、銃を下ろせ、」

「マリス隊長、了解です。」
兵士10人は一斉に銃を懐に閉まう。
「どこにいく気だお前たちは?」

「手当たり次第に探すしかないだろう」
健一達は去ろうとするが、
「待て、分かった。
私達も君達の手伝いをさせて欲しい。
普通に探しても見つからない。
少し待ってろ」
王の椅子の下に隠してある赤いボタンを
押すとスズッと椅子が前に動いていく、
椅子があった場所には階段が広がっていた




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