上 下
22 / 125
神の弓-アポロンの弓編-

ロタの戦い

しおりを挟む
エスタフの体から血が溢れ出す。
「私の為にそんな」
悲しい顔でエスタフを見るロタ、
「死ぬわけじゃないみたいだしな、
治療すれば良くなるから
ロタちゃんは悲しい顔はやめてほしい」

「でも私が強ければ、
エスタフに守られずにすんだのに、
私は許せない。
自分の弱さが許せないの、
いつも助けられてばっかりで、
もっと強くなりたい。
私は許さないクズ野郎」

ジヘンはドアから手を離し、
振り返る。
「聞き間違いですかね。
私の事をいってるんですかね?」
ロタは涙を拭いて
「当たり前でしょ。
クズ野郎にクズ野朗っていったのよ。
ハロメア、エスタフの治療お願い」

「分かったのです。
任せるのです。健康にさせるのです」
ハロメアはエスタフに近づき
薬を使い治療を始める。

「君は僕を怒らせない方がいいですよ
死にたくなかったら、
今の言葉取り消せば許してあげますよ」
ジヘンは唇をヒクヒクしながら言う。

「取り消さない。
私はあなたを許さない。」
ロタは間髪入れずに言い切る。

「何故ですか?
そんなに死にたがるのは、
弱いくせにたちむかうのは
むかつきましたよ。
その娘は殺していきます。」
ジヘンが銃を構えながら言った。

「待ってくれ、そいつを殺したら、
今ここで俺は絶対に口を割らない」
エスタフが叫んだ。

「死なないといっても叫べば、
痛いだろうな。
そんなにこいつが大事なんですか?」
ジヘンがエスタフに問いかける

「当たり前だろ。大事に決まってる」
エスタフは言い切る。
「エスタフ」ロタは一言小さい声で
覚悟を決める。

「何だその眼は、生意気ですよ。
エスタフさんあの娘が生きるか死ぬか
あなた次第ですよ。
情報をくれるならあの娘を、
殺さずに済みますよ。
王を殺す前に神の弓の情報を
知っていればよかったのですがね。
まあ、知っている人がいて
助かりましたよ。
どうしますか?
あの娘が死ぬのを見てるか、
情報を教えるかを、
さあどうしますか?」

「エスタフ私殺されないから、
絶対に情報をおしえないで、
私のがむかついてるんだから。
絶対に許さない。」
ロタはジヘンの動作を
一切目を逸らさないで見ている。
それを見た健一は、剣を収め、
エスタフとハロメアのほうに向かう。
「大丈夫なのですか?
一緒に戦わなくてもいいのですか?」
ハロメアが健一に聞くと、
「大丈夫だよ。
あの覚悟を邪魔をしちゃいけない
気がするんだよ。」

「でも、ロタ姉ちゃんが心配です。」
ハロメアは心配そうにロタ見つめる。
「ロタは殺させないよ。
何か会った時は助けにいく準備は
できてるよ。」
火の紋章のシールを持ちながら、
ハロメアに小さい声で言う。

「ロタちゃん無理だ、
勝てない。
ジヘン情報を教えてやるから、
ロタちゃんを逃がしてくれ。」

「ダメ。絶対に教えちゃダメよ。
情報を教えた瞬間にこいつは、
私達を殺すはず、信じられない」
エスタフはそれを聞いて黙った。
「エスタフさん、治療に
専念して下さい」
ハロメアは回復薬をエスタフに飲ませて
たりした。

「そうですか、そう言う結果に、
なったんですね。
エスタフさん、口を割らなくてもね、
やれることはあるんですよ。
ただ、それが厄介なんですよ。」
パァンと、
ロタにノーモーションで撃った。

ロタはそれを冷静に見て弓矢で
弾に当てる。
「何、そんな馬鹿な、
弾に当てるだとそんな芸当が、
できるだと。」
ジヘンはびっくりして聞く。
「話す必要はないから。」
ロタは弓矢を引きジヘンが、
傷を負っていく。

「ふざけるんじゃない。
僕があの娘なんかに負けるはずがない
ないんですよ。」
ジヘンはロタに向かって撃つが、
手元が狂い中々当たらないが、
ロタは店を壊されないように弾の中心に
向かって矢を離し粉砕していく。

「むかつきますね。
余裕そうなのがイライラしますよ。」
ジヘンは懐の注射を首筋に射す。
「ははは、これでお終いですよ。
ジヘンは炎の紋章を体から発動した。
「ははは、これで君の勝ちは
なくなったんですよ。
残念ですね。」

「何よ、紋章を使えるように
なっただけで私が押してるのは
変わらないのよ。」

「変わるんだよ。
今までの威力だと思ったら
間違いですよ。
シールとは違い全体に発動し
使えるようになるんですよ。」
パァンと勢いと共にロタに向かって
放たれた弾丸はロタの弓を何発やっても
勢いが止まらず、
すごい爆発で、道具屋トゥールの壁が
吹き飛んでいく。
「呆気ないですね。
あなたが早く情報を言えば、
助けられたのに残念でしたね。」
ジヘンは笑う。
「許せないです。
ロタさんは絶対生きてます。
あなたなんかに殺されないです。
そうですよね健一。あれ健一?」
ハロメアは涙を浮かべながら、
健一を探したが見つからなかった。
煙が晴れていくと人影がハロメアの前に
現れていく。
しおりを挟む

処理中です...