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第5部 慟哭のアヌビス
#15 殺意の中の愛
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給水塔の影から、零が歩み出た。
真夏の陽射しを浴びて、ほんの少し目を細める。
忌々しげに空を見上げ、それからゆっくりと由羅のほうに視線を戻した。
細身の身体に、黒いセーラー服がよく似合っている。
手足の長い、長身の少女である。
外来種に人間の年齢の概念を当てはめても仕方ないのかもしれないが、とても中学生には見えない成熟した雰囲気の娘だ。
喉に包帯を巻いていた。
こいつ、杏里と同じなのか。
心の中で、由羅はつぶやいた。
断頭台で切り落とされた首。
それを拾ってきてつないだとでもいうのだろうか。
雄の外来種、翔太は心臓を握りつぶされて絶命したのに、なぜこいつは首を切断されても死なないのだ?
「どけよ」
両の拳をファイティングポーズの形に胸の前に構え、軽くステップを踏みながら、由羅はいった。
「うちは、急いでるんだ」
「知ってるわ」
零が微笑んだ。
長い両手をだらりと力なく脇に下げ、一歩一歩、由羅のほうに近づいてくる。
このやる気なさそうな立ち居振る舞いにだまされてはならなかった。
これまで何度か戦って、由羅は零の力を思い知らされている。
そもそも外来種は人間をしのぐ身体能力を備えている。
その中でも数の少ない雌の外来種は、更に特別だった。
蟷螂の雌雄がそうであるように、雌のほうが圧倒的に強いのだ。
零は、その希少な雌の外来種のひとりだった。
「実は私も、見に来たのよ」
しなやかな髪をかきあげて、零が歌うような口調でいった。
「私たちの杏里が、また楽しいことになってるみたいだから。ほんとに、そそるのよね、あの子って」
零は、雌の外来種であると同時に、やっかいな性癖を備えている。
残虐行為淫楽症とでもいうのか。
暴力、虐待、流血、人体損壊。
そうしたものに対して、性的興奮を覚える性質(たち)なのだ。
いや、むしろ、残虐行為に接することなしにはエクスタシーを感じない、というべきだろう。
そんな倒錯した性癖の娘なのである。
したがって、零の求めるものにはすべて"残虐”の二文字がつきまとっていた。
「杏里が嬲り殺しされるのをオカズに、またオナニーでもするつもりか」
吐き捨てるように、由羅はいった。
「まあね」
あっさり認める零。
こちらに背中を見せて、さっと制服のスカートをめくって見せた。
真っ白な桃のような小ぶりの尻が一瞬垣間見えた。
下着をつけていないのだ。
「でも、あの子の場合、嬲り殺しになんてされないでしょ。死ねない身体なんだから。まあ、その分楽しみが長持ちするから、私には好都合なんだけどね」
スカートを元に戻すと、またゆっくりした足取りで前進を始める。
ロープの上を伝い歩くときのように、少し両手を左右に広げ、体を揺らしながら近づいて来る。
「結局、私たちは杏里の引力から逃れられないのよね。あの子の苦しむさまを見るためなら、すべてを犠牲にしてもいい。そんな気分になってくる。きょうもそうだった。テレビのニュースであのあられもない杏里の姿を見たら、もう居ても立ってもいられなくなっちゃって。本当は、もう少し隠れてたかったんだけど」
「杏里をさらったあの怪物、知ってるのか」
ステップを踏んで少しずつ後退しながら、由羅はたずねた。
以前杏里を襲った外来種、山口翔太と黒野零は知り合いだった。
外来種同士のネットワークがあるのかもしれない、と思ったのだ。
「知らないわ。あんな出来損ない」
零が不愉快そうに眉間に皺を寄せた。
「私、醜いものって大嫌いなの」
そういってから、何を思ったか、ふいににっと笑った。
「でも、醜いものに汚される美しいものって構図は、大好き」
真っ赤な唇の間から長い舌が現れ、上唇を舐めた。
「あの熟しきった果実みたいな杏里の裸が、あのいやらしい奇形生物に蹂躙されるさまを想像するだけで、アソコがびしょびしょに濡れてきちゃうの。ね、由羅、あなたもそうでしょう? 正直にいいなさいよ。杏里がいじめられればいじめられるほど、本当は感じちゃうんだって」
「おまえみたいなド変態と、一緒にするな」
そういい放つなり、由羅が動いた。
上体を沈め、頭から突っ込むと、目にも留まらぬ速さで右のストレートを繰り出した。
ヘビー級のボクサー並みの重く速いパンチだった。
が、零の動きは更にそれを上回っていた。
上半身を後ろに反らしてパンチをよけると、逆に由羅の右腕をつかんだ。
そのまますばやく体を入れ替えて後ろに回り、由羅を羽交い絞めにする。
「くっ」
由羅はうめいた。
零の腕が喉に食い込んでくる。
すさまじい力だった。
気管を潰され、息もできないし声も出せない。
両脚を浮かせ、大きく反動をつけ、前方に跳んだ。
着地と同時に背を丸め、零を投げ飛ばす。
由羅の頭上を飛び越えると、スカートの裾を乱しながら、零は片足で優雅に地面に降り立った。
その瞬間を逃さず、由羅はその首筋の包帯めがけて左の回し蹴りを放った。
リーチが短く、もう少しのところで届かない。
が、それは計算のうちだった。
反転して、右の後ろ蹴りを食らわせる。
零が右手でそれをガードした。
左手が一閃し、由羅のうなじにめり込んだ。
「ぐあ」
前のめりになったところに、零の膝が襲ってきた。
鳩尾にヒットした。
由羅の小柄な身体が宙に浮いた。
その背中に零の肘が叩きつけられる。
由羅は胸からコンクリートの床に激突した。
立ち上がる暇もなかった。
腰を思いっきり踏まれ、エビのように反り返る。
零が背中に跨ってきた。
由羅の顎に両手をかけ、背骨をへし折りにかかる。
「うぐ」
由羅は泡を吹き出した。
首の骨と背骨が同時にがめりめり音を立てて軋んだ。
「由羅、あなたは弱い。パトスは対外来種用生体兵器なんだってね、こんなに弱いのに」
零が見下すような口調でいった。
「少しは杏里を見習いなさい、あの不死身の天使を。私は強いものが好き。だから杏里を愛してる。でも。弱いものには反吐が出るの。だから、私はあなたを殺す」
由羅の首を両手でねじまげると、零はおもむろに口を開いた。
血に濡れたように赤い唇の間から、ずらりと並んだ真っ白な歯が現れた。
剃刀のように尖っている。
明らかに人間のものではなかった。
次の瞬間、喉に鋭い痛みを感じて、由羅は絶叫した。
霧吹きで吹いたように血潮がしぶき、音を立ててコンクリートを塗らした。
由羅の喉から零が口を離した。
零は、前歯に、ピンクの肉片を銜えていた。
それをぺっと吐き出すと、舌なめずりしながらささやいた。
「あなたの血、私が一滴残らず、吸い尽くしてあげる」
真夏の陽射しを浴びて、ほんの少し目を細める。
忌々しげに空を見上げ、それからゆっくりと由羅のほうに視線を戻した。
細身の身体に、黒いセーラー服がよく似合っている。
手足の長い、長身の少女である。
外来種に人間の年齢の概念を当てはめても仕方ないのかもしれないが、とても中学生には見えない成熟した雰囲気の娘だ。
喉に包帯を巻いていた。
こいつ、杏里と同じなのか。
心の中で、由羅はつぶやいた。
断頭台で切り落とされた首。
それを拾ってきてつないだとでもいうのだろうか。
雄の外来種、翔太は心臓を握りつぶされて絶命したのに、なぜこいつは首を切断されても死なないのだ?
「どけよ」
両の拳をファイティングポーズの形に胸の前に構え、軽くステップを踏みながら、由羅はいった。
「うちは、急いでるんだ」
「知ってるわ」
零が微笑んだ。
長い両手をだらりと力なく脇に下げ、一歩一歩、由羅のほうに近づいてくる。
このやる気なさそうな立ち居振る舞いにだまされてはならなかった。
これまで何度か戦って、由羅は零の力を思い知らされている。
そもそも外来種は人間をしのぐ身体能力を備えている。
その中でも数の少ない雌の外来種は、更に特別だった。
蟷螂の雌雄がそうであるように、雌のほうが圧倒的に強いのだ。
零は、その希少な雌の外来種のひとりだった。
「実は私も、見に来たのよ」
しなやかな髪をかきあげて、零が歌うような口調でいった。
「私たちの杏里が、また楽しいことになってるみたいだから。ほんとに、そそるのよね、あの子って」
零は、雌の外来種であると同時に、やっかいな性癖を備えている。
残虐行為淫楽症とでもいうのか。
暴力、虐待、流血、人体損壊。
そうしたものに対して、性的興奮を覚える性質(たち)なのだ。
いや、むしろ、残虐行為に接することなしにはエクスタシーを感じない、というべきだろう。
そんな倒錯した性癖の娘なのである。
したがって、零の求めるものにはすべて"残虐”の二文字がつきまとっていた。
「杏里が嬲り殺しされるのをオカズに、またオナニーでもするつもりか」
吐き捨てるように、由羅はいった。
「まあね」
あっさり認める零。
こちらに背中を見せて、さっと制服のスカートをめくって見せた。
真っ白な桃のような小ぶりの尻が一瞬垣間見えた。
下着をつけていないのだ。
「でも、あの子の場合、嬲り殺しになんてされないでしょ。死ねない身体なんだから。まあ、その分楽しみが長持ちするから、私には好都合なんだけどね」
スカートを元に戻すと、またゆっくりした足取りで前進を始める。
ロープの上を伝い歩くときのように、少し両手を左右に広げ、体を揺らしながら近づいて来る。
「結局、私たちは杏里の引力から逃れられないのよね。あの子の苦しむさまを見るためなら、すべてを犠牲にしてもいい。そんな気分になってくる。きょうもそうだった。テレビのニュースであのあられもない杏里の姿を見たら、もう居ても立ってもいられなくなっちゃって。本当は、もう少し隠れてたかったんだけど」
「杏里をさらったあの怪物、知ってるのか」
ステップを踏んで少しずつ後退しながら、由羅はたずねた。
以前杏里を襲った外来種、山口翔太と黒野零は知り合いだった。
外来種同士のネットワークがあるのかもしれない、と思ったのだ。
「知らないわ。あんな出来損ない」
零が不愉快そうに眉間に皺を寄せた。
「私、醜いものって大嫌いなの」
そういってから、何を思ったか、ふいににっと笑った。
「でも、醜いものに汚される美しいものって構図は、大好き」
真っ赤な唇の間から長い舌が現れ、上唇を舐めた。
「あの熟しきった果実みたいな杏里の裸が、あのいやらしい奇形生物に蹂躙されるさまを想像するだけで、アソコがびしょびしょに濡れてきちゃうの。ね、由羅、あなたもそうでしょう? 正直にいいなさいよ。杏里がいじめられればいじめられるほど、本当は感じちゃうんだって」
「おまえみたいなド変態と、一緒にするな」
そういい放つなり、由羅が動いた。
上体を沈め、頭から突っ込むと、目にも留まらぬ速さで右のストレートを繰り出した。
ヘビー級のボクサー並みの重く速いパンチだった。
が、零の動きは更にそれを上回っていた。
上半身を後ろに反らしてパンチをよけると、逆に由羅の右腕をつかんだ。
そのまますばやく体を入れ替えて後ろに回り、由羅を羽交い絞めにする。
「くっ」
由羅はうめいた。
零の腕が喉に食い込んでくる。
すさまじい力だった。
気管を潰され、息もできないし声も出せない。
両脚を浮かせ、大きく反動をつけ、前方に跳んだ。
着地と同時に背を丸め、零を投げ飛ばす。
由羅の頭上を飛び越えると、スカートの裾を乱しながら、零は片足で優雅に地面に降り立った。
その瞬間を逃さず、由羅はその首筋の包帯めがけて左の回し蹴りを放った。
リーチが短く、もう少しのところで届かない。
が、それは計算のうちだった。
反転して、右の後ろ蹴りを食らわせる。
零が右手でそれをガードした。
左手が一閃し、由羅のうなじにめり込んだ。
「ぐあ」
前のめりになったところに、零の膝が襲ってきた。
鳩尾にヒットした。
由羅の小柄な身体が宙に浮いた。
その背中に零の肘が叩きつけられる。
由羅は胸からコンクリートの床に激突した。
立ち上がる暇もなかった。
腰を思いっきり踏まれ、エビのように反り返る。
零が背中に跨ってきた。
由羅の顎に両手をかけ、背骨をへし折りにかかる。
「うぐ」
由羅は泡を吹き出した。
首の骨と背骨が同時にがめりめり音を立てて軋んだ。
「由羅、あなたは弱い。パトスは対外来種用生体兵器なんだってね、こんなに弱いのに」
零が見下すような口調でいった。
「少しは杏里を見習いなさい、あの不死身の天使を。私は強いものが好き。だから杏里を愛してる。でも。弱いものには反吐が出るの。だから、私はあなたを殺す」
由羅の首を両手でねじまげると、零はおもむろに口を開いた。
血に濡れたように赤い唇の間から、ずらりと並んだ真っ白な歯が現れた。
剃刀のように尖っている。
明らかに人間のものではなかった。
次の瞬間、喉に鋭い痛みを感じて、由羅は絶叫した。
霧吹きで吹いたように血潮がしぶき、音を立ててコンクリートを塗らした。
由羅の喉から零が口を離した。
零は、前歯に、ピンクの肉片を銜えていた。
それをぺっと吐き出すと、舌なめずりしながらささやいた。
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