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第4部 暴虐のカオス
#1 バツ①
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上履きに右足を入れた瞬間、鋭い痛みを感じた。
あわてて足を引き抜いた。
親指と人差し指の間に、カッターナイフの刃が刺さっていた。
上履きの中に仕込まれていたのだ。
白いソックスが見る間に朱に染まっていく。
保健室に寄っている時間はなかった。
笹原杏里はその場にしゃがみこむと、ソックスを脱ぎ、ハンカチで傷口を押さえた。
声をかけてくる者は誰もいない。
1週間前の"外来種"との死闘。
あれ以来、周囲の視線は急速に冷たくなっていた。
山口翔太の失踪は、表向き、急な転校ということになっている。
だが、そんな発表を鵜呑みにする者は誰もいなかった。
交通事故に遭った杏里の見舞いに行ったまま、翔太は失踪した。
事情を知っているのは、杏里ともうひとり、2年7組の榊由羅。
おそらく高橋楓の口から漏れたのだろう。
笹原杏里は、怪しい。
クラスメートたちはみんな、そう噂しているらしかった。
そして、極めつけは、その楓の死。
杏里と由羅のふたりと一緒にいるときに、楓は原因不明の大量出血を起こし、病院に運ばれ、死んだ。
死神。
それが陰で杏里につけられたあだ名だった。
1分ほどで出血は止まった。
痛みも消えていた。
傷口が完全にふさがったのを確かめてソックスを履き直すと、杏里は教室に向かって歩き出した。
予鈴が鳴り始めるのと同時に、教室につくことができた。
戸が閉まっていた。
授業が始まるまでは開いているのが普通なのに、まるで杏里を拒むかのようにぴったりと閉ざされている。
何かある。
直感がそう告げていた。
ひとつ大きく深呼吸して、そろそろと引き戸を開けていく。
上から何かが落ちてくる、ということはなかった。
気のせい?
一歩足を踏み出したとたん、滑った。
踏み出した右足が突然抵抗を失い、前へすっと滑っていった。
油!
気づいたときには、杏里は股裂きの刑に処せられたかのように、180度開脚した格好で油だらけの床の上に尻餅をついていた。
足のつけ根が、グキっと鈍い音を立てる。
う。
たまらず、転倒した。
可能な限り短くしてあるスカートが腰までめくれ上がり、薄く面積の狭いパンティが丸見えになった。
集中する冷ややかな視線を全身に感じながら、自分の席まで這った。
椅子の上に画鋲がないことを確認して、なんとか体を引き上げ、坐る。
それとほとんど同時に教室の前の引き戸が開き、担任の山本先生が入ってきた。
風采の上がらない、中年の小男である。
授業の担当は、社会だ。
リュックを机の横のフックにかけ、中から出した教科書とノートを机にしまおうとして、ふと杏里は異臭に気づいた。
臭い。
強い悪臭が、机の周りに漂っている。
中に何か入っているのだろうか。
そっと顔を横にして机の中を覗いてみる。
案の定だった。
中は、茶色い液体で汚れていた。
さすがにこれには杏里も顔をしかめざるを得なかった。
大便だ、
しかも新しい。
どろどろになったそれは、明らかに人の下痢便だった。
ここ1週間、教科書を隠されたり、『死ね』と書いたメモをリュックに入れられたりと、ほぼ毎日のように細かい嫌がらせが続いている。
が、それがきょうはいっそうエスカレートしているようだった。
さっきのカッターナイフの刃といい、この大便といい、ほとんど狂気の沙汰だ。
杏里は半月ほど前に、この潮見が丘中学に転校してきたばかりである。
あの事件が起こる前は、みんな優しく友好的で、居心地のいい学校だと思っていた。
が、翔太の失踪と楓の死が、その穏やかな雰囲気をがらりと変えてしまっていた。
クラスメートたちのストレスが閾値を超え、他者への攻撃衝動へと形を変え始めたのに違いなかった。
こうなると、杏里にできることはただひとつ。
ひたすら耐えて、彼らの衝動が杏里に向けて爆発するのを待つこと。
それだけだ。
ここへ来る前に居た隣街の若葉台中学でやったように、その衝動を一手に引き受けて"エロス"に昇華するのだ。
おそらくまた大怪我を負わされることになるだろう。
性的暴行も覚悟しなければなるまい。
だが、それで校内が浄化されるなら安いものだ。
肉体につけられた傷なら、どんなにそれがひどいものでも、なんとかなるのだから。
「先生」
杏里は手を挙げた。
「机の中が汚れてて・・・ちょっと外で洗ってきても、いいですか?」
「そういえば、なんか臭いよな」
山本が眼鏡のブリッジの部分を人差し指で押し上げながら、杏里を見た。
「これ、ウンチの臭いじゃないか?」
杏里はうなずいた。
「参ったなあ。誰がやったんだ? まさか、笹原、おまえが自分でってことは、ないよなあ」
「浮浪者が夜のうちに入ってきたんじゃないですか」
誰かがいった。
「裏門の警報装置、確か壊れてましたよね」
「ありえるなあ。ま、とにかく、こりゃたまらん。特別に許可するから、笹原、おまえ、自分でなんとかしろ」
校庭の水飲み場まで机をひとりで運ぶのは、非力な杏里にはひと苦労だった。
「よっこらしょ、と」
手洗い用の蛇口の下に机を置くと、杏里は手の甲で額の汗をぬぐった。
何気なく見上げた先に、杏里がさっきまで居た2年1組の教室があった。
真上がちょうど杏里の席あたりだ。
ホースを探してきて蛇口に取りつけると、杏里は少しはなれたところから放水を始めた。
とても素手で洗う気にはなれなかったからだ。
水しぶきに夏の日差しが当たってきらきら耀いた。
ひとり授業を抜け出して校庭で朝の空気を吸っていると、なんだか解放されたような気分になってきた。
しかも今回は先生の許可が下りている。
罪悪感を覚える必要もない。
大便を残らず水流で流し終えると、杏里は机を日の当たる校庭に運び、少しの間乾かすことにした。
その間に、自分の尻の辺りを点検する。
スカートの一部と、パンティの後ろの部分が油でべっとりと濡れていた。
臭いからして、どうやら食用油のようだ。
おおかた、家庭科室から持ち出したものに違いない。
誰がやったのか。
それを詮索するのは無意味だった。
杏里にはわかっていた。
敵はおそらく、クラスメート全員なのだ。
実行犯ひとりを浄化したところで、何の効果もないに決まっている。
ハンカチは血で汚れてしまっている。
どうしよう。
杏里は途方に暮れた。
せめてティッシュでもあれば。
ポケットを探ってみたが、こういうときに限って切れていた。
と、視界の隅を何か白いものが横切った。
ハンカチだった。
真っ白なハンカチが、ふわふわと上から舞い落ちてくる。
助かった!
杏里は校舎の下に駆け寄った。
クラスの誰かが、見るに見かねて窓から落としてくれたのだ。
全員敵だと思っていたが、ひょっとして中に味方がいるのかもしれない。
腰をかがめて、地面に落ちたハンカチを拾い上げようとしたときだった。
杏里はふと、風を切るような音を聞いて、顔を上げた。
「あ」
思わず声を上げていた。
それがいけなかった。
杏里の半ば開いた口めがけて、大きな裁断鋏が落ちてきた。
鋏が容赦なく杏里の口から喉を貫いた。
切っ先が顎の下から突き出すのがわかった。
どっとばかりに鮮血が溢れ出る。
杏里は首を両手で押さえて転がった。
「ううっ」
柄の部分をつかみ、鋏を口から抜いた。
がぼっと血の塊があふれ出し、地面に落ちる。
鋏を投げ出し、ハンカチで首の穴を押さえた。
貧血を起こしたときのように、手足が冷たくなっていく。
出血が多すぎるのだ。
仰向けに転がり、涙で濡れた目で空を見上げたとき、
「おまえ、何やってるんだ?」
声がして、ハート型の顔がさかさまに杏里を覗き込んだ。
蝙蝠の翼のように、奇妙な形に左右に広がった髪。
シャドウで縁取りしたように、陰影の深い吊り上がった大きな目。
「ゆ、ら・・・」
喉を血でごぼごぼいわせながら、杏里はつぶやいた。
あわてて足を引き抜いた。
親指と人差し指の間に、カッターナイフの刃が刺さっていた。
上履きの中に仕込まれていたのだ。
白いソックスが見る間に朱に染まっていく。
保健室に寄っている時間はなかった。
笹原杏里はその場にしゃがみこむと、ソックスを脱ぎ、ハンカチで傷口を押さえた。
声をかけてくる者は誰もいない。
1週間前の"外来種"との死闘。
あれ以来、周囲の視線は急速に冷たくなっていた。
山口翔太の失踪は、表向き、急な転校ということになっている。
だが、そんな発表を鵜呑みにする者は誰もいなかった。
交通事故に遭った杏里の見舞いに行ったまま、翔太は失踪した。
事情を知っているのは、杏里ともうひとり、2年7組の榊由羅。
おそらく高橋楓の口から漏れたのだろう。
笹原杏里は、怪しい。
クラスメートたちはみんな、そう噂しているらしかった。
そして、極めつけは、その楓の死。
杏里と由羅のふたりと一緒にいるときに、楓は原因不明の大量出血を起こし、病院に運ばれ、死んだ。
死神。
それが陰で杏里につけられたあだ名だった。
1分ほどで出血は止まった。
痛みも消えていた。
傷口が完全にふさがったのを確かめてソックスを履き直すと、杏里は教室に向かって歩き出した。
予鈴が鳴り始めるのと同時に、教室につくことができた。
戸が閉まっていた。
授業が始まるまでは開いているのが普通なのに、まるで杏里を拒むかのようにぴったりと閉ざされている。
何かある。
直感がそう告げていた。
ひとつ大きく深呼吸して、そろそろと引き戸を開けていく。
上から何かが落ちてくる、ということはなかった。
気のせい?
一歩足を踏み出したとたん、滑った。
踏み出した右足が突然抵抗を失い、前へすっと滑っていった。
油!
気づいたときには、杏里は股裂きの刑に処せられたかのように、180度開脚した格好で油だらけの床の上に尻餅をついていた。
足のつけ根が、グキっと鈍い音を立てる。
う。
たまらず、転倒した。
可能な限り短くしてあるスカートが腰までめくれ上がり、薄く面積の狭いパンティが丸見えになった。
集中する冷ややかな視線を全身に感じながら、自分の席まで這った。
椅子の上に画鋲がないことを確認して、なんとか体を引き上げ、坐る。
それとほとんど同時に教室の前の引き戸が開き、担任の山本先生が入ってきた。
風采の上がらない、中年の小男である。
授業の担当は、社会だ。
リュックを机の横のフックにかけ、中から出した教科書とノートを机にしまおうとして、ふと杏里は異臭に気づいた。
臭い。
強い悪臭が、机の周りに漂っている。
中に何か入っているのだろうか。
そっと顔を横にして机の中を覗いてみる。
案の定だった。
中は、茶色い液体で汚れていた。
さすがにこれには杏里も顔をしかめざるを得なかった。
大便だ、
しかも新しい。
どろどろになったそれは、明らかに人の下痢便だった。
ここ1週間、教科書を隠されたり、『死ね』と書いたメモをリュックに入れられたりと、ほぼ毎日のように細かい嫌がらせが続いている。
が、それがきょうはいっそうエスカレートしているようだった。
さっきのカッターナイフの刃といい、この大便といい、ほとんど狂気の沙汰だ。
杏里は半月ほど前に、この潮見が丘中学に転校してきたばかりである。
あの事件が起こる前は、みんな優しく友好的で、居心地のいい学校だと思っていた。
が、翔太の失踪と楓の死が、その穏やかな雰囲気をがらりと変えてしまっていた。
クラスメートたちのストレスが閾値を超え、他者への攻撃衝動へと形を変え始めたのに違いなかった。
こうなると、杏里にできることはただひとつ。
ひたすら耐えて、彼らの衝動が杏里に向けて爆発するのを待つこと。
それだけだ。
ここへ来る前に居た隣街の若葉台中学でやったように、その衝動を一手に引き受けて"エロス"に昇華するのだ。
おそらくまた大怪我を負わされることになるだろう。
性的暴行も覚悟しなければなるまい。
だが、それで校内が浄化されるなら安いものだ。
肉体につけられた傷なら、どんなにそれがひどいものでも、なんとかなるのだから。
「先生」
杏里は手を挙げた。
「机の中が汚れてて・・・ちょっと外で洗ってきても、いいですか?」
「そういえば、なんか臭いよな」
山本が眼鏡のブリッジの部分を人差し指で押し上げながら、杏里を見た。
「これ、ウンチの臭いじゃないか?」
杏里はうなずいた。
「参ったなあ。誰がやったんだ? まさか、笹原、おまえが自分でってことは、ないよなあ」
「浮浪者が夜のうちに入ってきたんじゃないですか」
誰かがいった。
「裏門の警報装置、確か壊れてましたよね」
「ありえるなあ。ま、とにかく、こりゃたまらん。特別に許可するから、笹原、おまえ、自分でなんとかしろ」
校庭の水飲み場まで机をひとりで運ぶのは、非力な杏里にはひと苦労だった。
「よっこらしょ、と」
手洗い用の蛇口の下に机を置くと、杏里は手の甲で額の汗をぬぐった。
何気なく見上げた先に、杏里がさっきまで居た2年1組の教室があった。
真上がちょうど杏里の席あたりだ。
ホースを探してきて蛇口に取りつけると、杏里は少しはなれたところから放水を始めた。
とても素手で洗う気にはなれなかったからだ。
水しぶきに夏の日差しが当たってきらきら耀いた。
ひとり授業を抜け出して校庭で朝の空気を吸っていると、なんだか解放されたような気分になってきた。
しかも今回は先生の許可が下りている。
罪悪感を覚える必要もない。
大便を残らず水流で流し終えると、杏里は机を日の当たる校庭に運び、少しの間乾かすことにした。
その間に、自分の尻の辺りを点検する。
スカートの一部と、パンティの後ろの部分が油でべっとりと濡れていた。
臭いからして、どうやら食用油のようだ。
おおかた、家庭科室から持ち出したものに違いない。
誰がやったのか。
それを詮索するのは無意味だった。
杏里にはわかっていた。
敵はおそらく、クラスメート全員なのだ。
実行犯ひとりを浄化したところで、何の効果もないに決まっている。
ハンカチは血で汚れてしまっている。
どうしよう。
杏里は途方に暮れた。
せめてティッシュでもあれば。
ポケットを探ってみたが、こういうときに限って切れていた。
と、視界の隅を何か白いものが横切った。
ハンカチだった。
真っ白なハンカチが、ふわふわと上から舞い落ちてくる。
助かった!
杏里は校舎の下に駆け寄った。
クラスの誰かが、見るに見かねて窓から落としてくれたのだ。
全員敵だと思っていたが、ひょっとして中に味方がいるのかもしれない。
腰をかがめて、地面に落ちたハンカチを拾い上げようとしたときだった。
杏里はふと、風を切るような音を聞いて、顔を上げた。
「あ」
思わず声を上げていた。
それがいけなかった。
杏里の半ば開いた口めがけて、大きな裁断鋏が落ちてきた。
鋏が容赦なく杏里の口から喉を貫いた。
切っ先が顎の下から突き出すのがわかった。
どっとばかりに鮮血が溢れ出る。
杏里は首を両手で押さえて転がった。
「ううっ」
柄の部分をつかみ、鋏を口から抜いた。
がぼっと血の塊があふれ出し、地面に落ちる。
鋏を投げ出し、ハンカチで首の穴を押さえた。
貧血を起こしたときのように、手足が冷たくなっていく。
出血が多すぎるのだ。
仰向けに転がり、涙で濡れた目で空を見上げたとき、
「おまえ、何やってるんだ?」
声がして、ハート型の顔がさかさまに杏里を覗き込んだ。
蝙蝠の翼のように、奇妙な形に左右に広がった髪。
シャドウで縁取りしたように、陰影の深い吊り上がった大きな目。
「ゆ、ら・・・」
喉を血でごぼごぼいわせながら、杏里はつぶやいた。
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