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16 自慰

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 ふつうなら、人前でオナニーなんて、できるはずがない。

 でも、今は状況が状況だった。

 ここは、マリとふたりだけの密室である。

 それに、私たちは、ついさっき愛を交わしたばかりだ。

 その余韻は、熾火のように私の子宮の奥にくすぶっている。

 しかも、私は浴衣の下になにも身に着けていなかった。

 大きく前をはだけると、火照った身体が現れた。

「どうして、きょうのマリは、そんなにエッチなの?」

 わざと拗ねたような声をつくり、訊いてやる。

「ここにもっとエッチな人がいるでしょ?」

 デジカメをかまえてマリが言う。

「温泉で私に恥ずかしいことしたの、誰だったかな?」

「だって…」

 言いながら、すでに私は左手で乳房を、右手で秘所を弄り始めている。

 こんなに近くでマリに見られている。

 そう意識しただけで、高ぶりを抑えきれなくなってきたのだ。

「ずっと、したかったんだもん」

「いいんだよ」

 マリが笑った。

「私もそうだったから」

「ほんとう?」

 私は顔を上げて、正面からマリを見つめた。

 うれしいひと言だった。

 こんなうれしい言葉、最近、聞いたことがない。

 そうとまで思うと、一気に興奮が高まってきた。

 乳房を揉む手に力がこもる。

 指のつけ根で乳首をはさみ、乳房全体をゆっくり揉みほぐすようにする。

 右手は淡い陰毛の中に潜り込み、いとおしむように恥丘の間を上下になぞっている。

 そこは十分湿っていて、指が陰核に当たるたびにつんと快感が突き上げた。

「気持ち、いい?」

 レンズ越しに私の顔をのぞきこみ、低く抑えた声でマリが訊く。

「気持ち、いい…」

 思わずうなずくと、デジカメをベッドサイドのテーブルの上に置き、浴衣のまま、マリが私の上にまたがった。

 カメラはちょうどふたりの姿が映るよう、スタンドで固定してあるようだ。

 私は幸せな気分になった。

 これで、マリとの最後の瞬間を、記録に残すことができるのだ…。

 マリが手を伸ばし、空いたほうの私の乳房を無造作に揉み始めた。

 その少し乱暴な愛撫が、たまらなく心地いい。

 右手の指の動きが速くなる。

 私は滲み出る淫らな汁を秘裂に塗り込むようにこすっている。

 マリが私の右手をどけ、乳首を舐め始めた。

「くう」

 後ろ手に解放された左手を突き、私は胸をのけぞらす。

 片方の乳首を指で、もう片方の乳首を舌で責められ、私は早くもエクスタシーの虜になっていた。

「ナナ、かわいいよ」

 私の乳首を前歯で甘噛みして、くぐもった声でマリがささやいた。

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