君の乳首を舐めたい(改稿版)

戸影絵麻

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10 接吻

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 返事をする前に、身体が勝手に動いていた。
 私はマリの肩に両手をかけると、手前に引き寄せると同時に、その可憐な唇に自分の唇を押しつけた。
 いつになく積極的になっていた。
 私らしくなく、と言いかえてもいい。
 舌を入れ、マリの舌を引き出すと、それを唇で咥え、強く吸う。
「んんっ」
 かすかに抗うマリ。
 後は夢中だった。
 躰の中心で、固く絡まっていた何かが、ゆるゆるとほどけていく気がした。
 股間が熱く火照り、お湯とは別の何かで濡れていく。
 めくるめくような陶酔感に包まれ、私はマリの柔らかな唇と濡れた舌を貪った。
 そうして、どれほどの間、マリの舌を吸っていたのかー。
 時間が経つうちにマリの身体から次第に力が抜けていき…。
 いつしか私は、マリを湯船の木の枠に押しつける格好になっていた。
 意識すると、恥ずかしさがこみ上げてきた。
 いったん身体を離すと、ふたり一緒になって笑った。
「こういうの、だめ?」
 胸をドキドキさせながら訊ねると、
「だめじゃないけど」
 マリはまだクスクス笑い出す。
「全然ダメじゃないけど、でも熱い」
「そうだね。熱くなってきたね」
 私はもう一度マリの唇を奪うと、肩から肩甲骨、そして脇腹へと順に手を下ろしていった。
 マリに変化が現れたのは、私の手がそっとおわん型の乳房を包みこんだ時である。
 マシュマロのような肉を優しく揉みほぐすようにしながら、尚もしつこく口を吸っていると、
「ああ…ああ…」
 キスの間から、マリが小声で喘ぎ始めた。
 手のひらの中で、マリの乳首が硬くなってきているのが、その感触ではっきりとわかった。
 左の乳房を揉みながら、親指と人差し指で乳首をつまんでみる。
 つまんで左右によじっていると、更に硬さが増してきた。
 充分硬くなったところで、今度は右の乳首をつまんでみた。
 同じように動かしていると、
「熱いよ」
 喘ぐように言い、マリが私の手を押し留めた。
「ちょっと…待って。一度、お湯から出るよ…」



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