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2 撮影
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「え~、なになにそれ? なんで撮ってるの?」
私の手のデジカメを見て、マリがケラケラ笑う。
無事、席は確保して、私たちはとなり合って坐っている。
髪をほどいたマリは本当にかわいい。
美人タイプではないけれど、色白で少し丸顔。
肩に流した髪はさらさらでつやつや光っている。
「きょうは特別な日だから、記念に全部撮るんだよ」
カメラの位置を調節しながら、私は言った。
「だからこれ、買ってきたんだ。きょうのために」
撮ったところで、私にはその動画を見る時間はないかもしれない。
でも、記念に残しておきたい。
そう思って、衝動買いしてしまった。
スマホでは物足りない。
もっとちゃんとした記録を残しておきたいと思う。
「撮ってどうするの?」
「わかんない」
「結婚式で流す?」
「それはないかな」
「流せないよね~」
マリが笑う。
「思い出にふたりで見るとか」
「あ、それいいかも~」
「だって、初めてでしょ。ふたりきりでどっか行くなんて」
「そだね~。学生の頃は、みんな一緒だったしね~」
「だから、記念すべき日なんだよ。きょうは」
「ナナったら、力入ってる~」
マリは本当によく笑う。
マリが笑うと、私にも笑いが感染する。
学生時代、どうでもいい話題で、私たちはよく笑い合ったものだ。
そう、ちょうど今のように…。
私の手のデジカメを見て、マリがケラケラ笑う。
無事、席は確保して、私たちはとなり合って坐っている。
髪をほどいたマリは本当にかわいい。
美人タイプではないけれど、色白で少し丸顔。
肩に流した髪はさらさらでつやつや光っている。
「きょうは特別な日だから、記念に全部撮るんだよ」
カメラの位置を調節しながら、私は言った。
「だからこれ、買ってきたんだ。きょうのために」
撮ったところで、私にはその動画を見る時間はないかもしれない。
でも、記念に残しておきたい。
そう思って、衝動買いしてしまった。
スマホでは物足りない。
もっとちゃんとした記録を残しておきたいと思う。
「撮ってどうするの?」
「わかんない」
「結婚式で流す?」
「それはないかな」
「流せないよね~」
マリが笑う。
「思い出にふたりで見るとか」
「あ、それいいかも~」
「だって、初めてでしょ。ふたりきりでどっか行くなんて」
「そだね~。学生の頃は、みんな一緒だったしね~」
「だから、記念すべき日なんだよ。きょうは」
「ナナったら、力入ってる~」
マリは本当によく笑う。
マリが笑うと、私にも笑いが感染する。
学生時代、どうでもいい話題で、私たちはよく笑い合ったものだ。
そう、ちょうど今のように…。
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