散らない桜

戸影絵麻

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#26 人形の家⑤

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 彼を極限まで怒張させ、自らの性器をだらしないほど濡らすと、女が腰の上に乗ってきた。

 片足を上げて彼の肉棒を下の口に咥え込み、下腹の上にどさりと坐り込む。

 しばらくもぞもぞ大きな尻を動かして体の中の彼の位置を調節していたが、得心が行ったのかすぐに動き始めた。
 
 こねるような水平方向への回転が、だんだん速くなっていく。

 ハアハアハアハアハアハア…。

 回転を速めるにつれ、女の息が荒くなる。

 彼の鼻先で、乳牛の乳房を連想させる、生白いふたつの肉の房が揺れている。

 女が尻の回転に腰の上下運動を加え始めると、そのふたつのたわわな乳房がゴムボールのように飛び跳ねた。

 性器を上下左右にこね回され、彼は苦痛で顔をしかめた。

 いつものことながら、痛いような痒いような、微妙な感触だった。

 女は興奮に我を忘れると、彼の具合など考えず、ただひたすら快楽の追求に没頭する癖がある。

 ちょうど今がそれで、彼は締めつける肉に翻弄され、重い女の体重を股間で支え続けるだけになっている。

「回って!」

 いつまでたっても彼が反応しないのに業を煮やし、女が叫ぶ。

「いつものように回りなさい! この醜い肉達磨!」
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