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#16 裏路地の死者④
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紳士の死体はズボンと下着を膝まで下ろされ、露出した股間を血に染めている。
わけがわからない、というのが正直なところだった。
妙齢の女性が暴行されて死ぬ。
その手の殺人事件は毎日のように起きてるけど、おじさんが被害者の猟奇犯罪なんて聞いたことがない。
「おかしいな、どこにも落ちていない。犯人が持ち去ったのか?」
這いつくばって死体の周囲を調べながら、編集長がつぶやいた時だった。
「こら、一般人は、下がって下がって!」
胴間声が響いたかと思うと、白いワイシャツを腕まくりした小太りの刑事が、部下とともに乱入してきた。
「ああ、トドロキ警部。ちょうどよかった」
逮捕されると思いきや、立ち上がった編集長は、にこやかに乱入者に話しかけた。
「ん? あんたは夢幻社の」
トドロキ警部と呼ばれた人物が、編集長のもじゃもじゃ頭を見て目を丸くする。
「ええ、神宮寺です。いつぞやはどうも。あ、こっちは部下のうずらです。以後お見知りおきを」
だしぬけに紹介され、私はあわててぴょこんと頭を下げた。
おそるべし神宮寺清磨。
まさか警察内部にまで知り合いがいるとはー。
そう思いながら。
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その手の殺人事件は毎日のように起きてるけど、おじさんが被害者の猟奇犯罪なんて聞いたことがない。
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「ああ、トドロキ警部。ちょうどよかった」
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「ええ、神宮寺です。いつぞやはどうも。あ、こっちは部下のうずらです。以後お見知りおきを」
だしぬけに紹介され、私はあわててぴょこんと頭を下げた。
おそるべし神宮寺清磨。
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そう思いながら。
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