臓物少女

戸影絵麻

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♯99 再起は茨の道③

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「醜いもの同士の、交尾…。ひどい…。あたしだって、好きでこんな体に生まれたんじゃないのに…」
 肩を震わし、すすり泣く紗英。
 その姿に嗜虐的な快感を覚え、より男根を勃起させている己に気づき、明は自己嫌悪に陥りかけた。
 が、ここで下手に出てはならないのだ。
 それではこれまで積み上げてきたクズ男の仮面がはがれてしまう。
 クズならクズらしく、最後の最後まで嫌われまくるのが”漢”というものではないか。
「で、どうするの? 俺と、やるの? やらないの?」
「やれば、本当に、あいつに勝てるようになるのね?」
 紗英が涙で濡れた目で明を見た。
 長いまつ毛に縁どられたアーモンド形の眼は、くっきり黒目がちで、白目の部分が少し青白い。
 言葉を紡ぐ唇は肉感的でぷにぷにしており、そこに亀頭の先を突っ込む幻覚に襲われ、明は一瞬眩暈を覚えた。
「もちろんさ。だが、そこまで行くにはかなりの修練が必要だ」
「修練?」
「ああ。最低3日は、俺とやりまくるんだ。しかも、さまざまな体位で。道具も使うべきだろうな。ありとあらゆる事態に備えて」
 不純異性交遊。
 未成年者誘拐。
 少女監禁。
 不同意性行為。
 思いつく限りの罪状を、かぶりを振って振り払う。
 いや、これはあくまで紗英のためなのだ。
 それどころか、俯瞰的に考えれば、日本人、あるいは、人類全体のためでもある。
 腸詰帝国を滅ぼせるのは、同じバイオノイドである紗英しかいない。
 そしてその紗英を性的に鍛え上げるのが、紗英をつくった大神博士の息子であるこの俺の使命ってわけなのだ。
「わかった」
 涙を拭って、紗英がうなずいた。
「やるわ。こうすれば、いいんでしょ」
 タンクトップを脱ぎ捨て、ショートパンツの前ボタンを外す。
 目の前に現出したのは、ちっちゃなブラとショーツをつけただけの、色白のダイナマイトボデイだった。
「い、いくよ」
 ゾンビのように両腕を前に突き出し、明が突進しようとしたその時だった。
 紗英が、ショーツから伸びた自身の尻尾を思いっきり、引っ張った。
「うぎゃあ」
 勃起ペニスをプロペラのように振り回し、大げさにひっくり返る明。
 ぐにょぐにょぐにょ・・・。
 美少女の身体が一気に裏返り、目の前に脂ぎったあの臓物の塊が出現したのである。
 
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