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♯90 四天王その四④
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かわいそうに…?
聞き間違いかと思った。
「え…?」
明は顔を上げ、官能美とあどけなさの同居した美少女の顔を見た。
この娘は俺を嫌っているはずだ。
それこそ、蛇蝎のごとく。
俺は彼女にとって、毎日世間をにぎわせている下半身露出事件の犯人のようなものなのだ。
それも、ただ萎えた陰部を通行人の女性に見せるだけでなく、完全に勃起したペニスを外気に晒すような…。
ニョウモレ!
にょうもれ!
明の脳裏でまたあのCMの声が響き渡った。
今度は明確に警戒のニュアンスを帯びている。
ニョウモレ!
尿漏れ!
甲高い子供の声が言う。
その女はおまえをだまそうとしてるぞ!
変態クソ野郎のおまえがこんな美少女に話しかけられること自体、キセキなのだ。
耳を塞げ!
目を閉じろ!
何も言わないで、そのままエロ動画を見続けるんだ!
「にょう、もれ…」
うつろな口調で明がつぶやくと、紗英が眉根を寄せて訊いてきた。
「どうしたの? おしっこ、したいの?」
「い、いや…」
悲し気にかぶりをふる明。
と、止めようとする前に、ダムが決壊するように、せき止められていた感情が溢れ出た。
「紗英ちゃん、君は俺のこと、嫌っているはずだろ? なのにきょうは、どうしてそんなに、優しいのかと思ってさ…」
ふうっとひとつ、深いため息をつくと、紗英が話し始めた。
「つい最近までは、確かにそうだった。大神博士の息子のくせに、なんていうか、あなたは、とても、オナニーー臭くって、最初っから私を見る目がケダモノみたいに腐り切ってた。そう、まるで、いたいけな女子中高生の前で勃起した腐れチンポを平気でさらけ出す、クソ変態の露出狂みたいに…」
ズキューンッ!
「あ、あううう…」
あまりにドストライクの批判。
ちょうど明が自分を卑下して思いついたのと同じ最低の比喩。
それをぶっ放されて、心臓を射抜かれた明は文字通り狭心症の発作を起こしかけた。
やはり俺は、第一印象からそう思われていたのだ。
オナニー臭い露出狂の、卑猥な目で女性を見ないではいられない稀代の人非人の陰キャだと…。
明が本気で命を絶とうかと考え始めた時、
「でもね…」
思いつめた口調で、紗英が言い始めた。
聞き間違いかと思った。
「え…?」
明は顔を上げ、官能美とあどけなさの同居した美少女の顔を見た。
この娘は俺を嫌っているはずだ。
それこそ、蛇蝎のごとく。
俺は彼女にとって、毎日世間をにぎわせている下半身露出事件の犯人のようなものなのだ。
それも、ただ萎えた陰部を通行人の女性に見せるだけでなく、完全に勃起したペニスを外気に晒すような…。
ニョウモレ!
にょうもれ!
明の脳裏でまたあのCMの声が響き渡った。
今度は明確に警戒のニュアンスを帯びている。
ニョウモレ!
尿漏れ!
甲高い子供の声が言う。
その女はおまえをだまそうとしてるぞ!
変態クソ野郎のおまえがこんな美少女に話しかけられること自体、キセキなのだ。
耳を塞げ!
目を閉じろ!
何も言わないで、そのままエロ動画を見続けるんだ!
「にょう、もれ…」
うつろな口調で明がつぶやくと、紗英が眉根を寄せて訊いてきた。
「どうしたの? おしっこ、したいの?」
「い、いや…」
悲し気にかぶりをふる明。
と、止めようとする前に、ダムが決壊するように、せき止められていた感情が溢れ出た。
「紗英ちゃん、君は俺のこと、嫌っているはずだろ? なのにきょうは、どうしてそんなに、優しいのかと思ってさ…」
ふうっとひとつ、深いため息をつくと、紗英が話し始めた。
「つい最近までは、確かにそうだった。大神博士の息子のくせに、なんていうか、あなたは、とても、オナニーー臭くって、最初っから私を見る目がケダモノみたいに腐り切ってた。そう、まるで、いたいけな女子中高生の前で勃起した腐れチンポを平気でさらけ出す、クソ変態の露出狂みたいに…」
ズキューンッ!
「あ、あううう…」
あまりにドストライクの批判。
ちょうど明が自分を卑下して思いついたのと同じ最低の比喩。
それをぶっ放されて、心臓を射抜かれた明は文字通り狭心症の発作を起こしかけた。
やはり俺は、第一印象からそう思われていたのだ。
オナニー臭い露出狂の、卑猥な目で女性を見ないではいられない稀代の人非人の陰キャだと…。
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「でもね…」
思いつめた口調で、紗英が言い始めた。
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